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グラビアアイドルが義姉になった! 「1話」




 それは突然の訪問だった。

「ごめんくださーい」

 俺はその日、いつも通り高校から帰宅して、だらだらと過ごそうとしていたところだった。
 本屋でとあるグラビアアイドルが出演するDVDが付録の雑誌を購入して、封を開けようとしていた時に、呼び鈴が突然鳴ったのだ。
 インターホンから届いた声は女性のものだった。新聞の集金か、親が頼んだ通販物品か、と思いながら、仕方なくその雑誌をテーブルに置いたまま、財布とハンコを持って玄関のドアを開けた。
 暗い室内から明るい屋外に急に出たせいで、明るさで目がくらっとした。
 そこにいる人物の顔がよく見えない。

「こんにちは。ええっと、君が……上坂《こうさか》直人《なおと》君?」

 そこには、二人の女の子が並んで立っていた。
 一人は、なんとなく大人っぽい私服を来た女性だった。ストレートの髪が、胸のあたりまで流れている。
 一人は、ほっそりと背の小さい、俺より年下に見えた。髪をおさげにしているせいか、どこか子供っぽい。その子は大人っぽい女性の後ろに隠れるようにしていて、なんとなく姉妹のように見えた。
 それより。

「直人君……って」

 やっと気づいた。二人の容姿よりずっと大事なことがあった。
 どうして、この人は俺の名前を知っているんだろう?
 ようやく視界がクリアになって、そこにいる女の子たちの顔が目に映った。
 驚きを通り越して、身体に震えが走った。

「嘘、だろ……!」

 そこには、さっき手に取っていた雑誌の表紙を飾っていた人物、そして俺が毎晩お世話になっている動画で水着姿になっている女性が、にっこりと笑顔で立っていた。

「もしかして……湊《みなと》優美《ゆみ》、さん!?」
「え……? 聞いていない、の?」

 優美さんと思しき人物は表情を曇らせ、首をかしげた。さらさらとした髪が揺れ、艶々と輝く。公式にIカップと紹介されている胸は、服越しにもたっぷりとした質感で、本物を見ると動画の中よりずっと素晴らしいものだった。
 あまりにも綺麗で、高校の同級生の女子とは別格で、今の困ったような表情ですら、見惚れてしまう。
 なんで彼女がここにいるのか、と疑問が浮かぶまで時間がかかる程だった。

「わたしたち、今日から直人君の義姉妹になるんだけど……あれ?」

 義姉妹……? その言葉を聞いて、ようやく頭の中で物事が繋がった。
 そういえば、数日前に、夕飯の最中に聞かされた話があった。どうでもよかったので忘れていた。

「驚くなよ、直人。母さんと離婚して早十年……父さん、やっと再婚するんだ!」
「……え、そうなんだ……マジで?」
「相手の人には娘さんが二人いるんだけど、一人っ子のお前に初めて姉妹が出来ることになるわけだ」
「姉妹……ふーん」

 大して興味は湧かなかった。
 確かその日も俺は新しく発売されたグラビアDVD「優美とビーチに行こう!」を早く見たくて、父親との会話など上の空だったのだ。
 素晴らしいDVDだった。水をぱしゃぱしゃかけ合ったり、泳ぐ練習をしたり……水着を着た優美さんと一緒に海に行った気分になれた。優美さんの数々の作品の中で、屈指と言ってもいい出来だった。
 そんなことを思い出している場合じゃない。今、目の前に、そのグラビアアイドルの湊優美さんが生で現れているのだ。
 信じられなかった。まさかその姉妹のお姉さんが、大ファンである優美さんだなんてどうやって想像できるだろうか。

「優美さんが、俺の姉に……?」
「そうだよ? 今日から、わたしは湊優美じゃなくて、上坂優美になるってことです。突然押しかけちゃってごめんなさい」

 軽くぺこりとお辞儀をした後で、優美さんは後ろに隠れた女の子をそっと前に出した。
 その子はなんとなく嫌がりながらも、俺を見上げ、すぐに赤くなってそっぽを向いた。

「この子は、湊……じゃなくて、上坂|陽菜《ひな》。わたしの妹です。これから、よろしくね、直人君? ほら、陽菜も」

 その優美さんを少し幼くしたような顔つきの女の子――優美さんの妹は、なぜかガチガチに緊張して赤面したまま、勢いよく頭を下げた。

「よ、よろしくお願い、しますっ!」
「そんなに怖がらなくてもいいよ、ええと、陽菜ちゃん」

 励ましの声をかけてあげたのに、陽菜ちゃんはすっと優美さんの背後に隠れた。

「ごめんね……陽菜はちょっと男性が苦手みたいで。直人君は何も悪くないの」
「俺は平気です……あ、そうだ。どうぞ、上がってください……ゆ、優美さん」
「ありがとう、失礼します」

 礼儀正しくそう言って、優美さんは俺の家に入って来た。玄関でお洒落な靴を脱いで、黒いストッキングにくるまれた足先を俺が勧めたスリッパに通す。

「ごめんなさい、来るの知らなかったので掃除とかしてないですけど」
「ううん、素敵なお家……今日からここで生活するのかぁ」

 画面の中にいた美人さんが自分の生活領域にはいってくるのは、奇妙な感じだった。
 全然頭の整理が出来ていなかった。
 突然大好きなグラビアアイドルが義姉に? そんな都合がいい話があるか! 仕事のビックリ企画か何かなのかと勘ぐったが、妹を連れているのでそれはない。
 どうやら、本当に俺と優美さんは家族になってしまったようだった。ようやく実感が湧いてきた。

「お姉ちゃん……」
「大丈夫よ、陽菜。こわくない、こわくない」

 陽菜ちゃんの両肩に手を置いて、前を歩かせる優美さん。
 優美さんを天使みたいな現実とは縁のない存在だと思っていたので、まさか妹がいるとは思わなかったのだ。
 姉妹揃って美人だった。二人とも顔つきが似通っていて、陽菜ちゃんは美少女中学生と言った感じだった。ちょっと気弱な感じなのも可愛い。これから成長すれば優美さんのような色気のある美人になるだろう。

 ただ姉妹の間で、一つ決定的に違うのは、胸だ。
 優美さんが豊かなIカップなのに比べて、陽菜ちゃんはほとんど胸が無いように見えた。まだ女子高生だから、これから成長するのかもしれないが、姉妹でこれほど差が出てしまうのかと思った。

 二人の魅力にやられるばかりで、喋ることは一切頭に浮かんでこなかった。
 いきなりの登場でわけがわからない上に、緊張してしまっている。
 もし嫌われてしまったらどうしよう。せっかくお近づきになれたのに。そんな思いでいっぱいになっていた。

「ここがリビング?」
「……あ、そうです」

 優しい笑顔で話しかけてくれる優美さんに、気の利いた話もできず、俺はただ単に居間へと案内した。
 すると同時に、いきなり優美さんが悪戯っぽく笑った。からかうような感じではなく、ただふと気づいた感じで。

「あぁー……やっぱり。なんの匂いかなーって思ってたんだけど。このお家、男の人の匂いがするね?」
「お……男の匂い!?」

 別に俺は居間ではなく自室でオナニーしている、別にイカクサくないはず……!
 慌てふためいたところに、優美さんは続けた。

「うん。男子の匂いがするの。前の家と全然違うよね、陽菜? わたしたち、母と女三人で暮らしてたから、すっごい感じちゃう」
「これ、男の人の匂いなの?」
「そう。大丈夫よ、すぐ慣れるから」

 そう言って、優美さんは二人分のトランクを部屋の隅に持っていった。本当に、俺がオナニーしてるとか、そういうことを疑ったわけではなさそうだ。
 陽菜ちゃんはなんとなく戸惑ったような顔で俺を見て、すぐ目を反らした。耳が赤くなっている。

「陽菜ちゃん、ええと、大丈夫? 知ってるかもしれないけど、俺、上坂直人。高校二年生なんだけど……陽菜ちゃんは何年生?」
「……一年生、です」
「え!? 中学一年生なの!?」
「高校……一年生」
「なんだ。びっくりした」

 胸を撫で下ろすと、陽菜ちゃんはちょっと俺を見上げて、くすっと笑った。
 まだまだ少女と言った感じのはにかみ方で、なんだかやたら可愛い。仲良くなりたくなった。
 しかし高校生にしてはやっぱり体型が幼い感じだ。発育が遅いのかもしれない。
 どうしてそんなに男が嫌いなんだ、と思っていると、二人のトランクを部屋の隅に寄せていた優美さんが戻ってきて、

「陽菜は女子中通いで、しかも家でも男子に会わないから、こうなっちゃったみたい。女の子と一緒なら、普通にしていられるのにね?」
「お姉ちゃん……そんなこと言わなくてもいいのに」

 ちょっと拗ねた顔も、また可愛い。
 優美さんは色気担当、陽菜ちゃんは可愛さ担当、と言った感じ。
 これからこんな素晴らしい姉妹に囲まれて生活するのか、と実感すると、急にやる気が漲って来た。生きててよかったと思った。
 そのときだった。

「これ、お姉ちゃんの……」

 陽菜ちゃんが、テーブルの上に出しっ放しだった雑誌の付録DVD「湊優美特集」を手に取っていた。ジャケットにはプールでビキニ姿の優美さんが色っぽく微笑んでいる。
 しまった! その途端、終わったと思った。
 優美さんは、自分の出演しているビデオを買っている男をどう思うだろう?
 よく思うはずがない。印象は最悪なはずだ。
 まさか偶然、限定販売の雑誌付録をちょうど所有していたなんて言えない。優美さんのコアなファンであることがバレてしまったに違いなかった。
 俺が優美さんのDVDを買い漁り、毎日のように鑑賞し、お世話になっていることが、優美さんには容易に想像できたはずだ。
 なんてミスを犯してしまったのだろう。リビングに入れる前に雑誌を片付ければよかった。

「わたしのDVD、見てくれてるの? ありがとう! 嬉しい……!」

 優美さんはさも嬉しそうに振る舞ってくれていたが、きっと内心では気持ち悪いと思っているだろう。そうに違いない。
 俺は共同生活初日から、恥ずかしくて、優美さんに積極的に話しかけることができなくなってしまった……。

 (つづく)



グラビアアイドルが義姉になった! 「2話」




 俺は制服から部屋着に着替えないまま、自室のベッドに横になっていた。
 ずっと放っておいたスマホを確認すると、父から留守電が届いていた。

「お父さんは今日から湊さんという方とハワイに旅行に行ってきます。そっちには湊さんの娘さん姉妹が向かうそうだから、お世話してもらいなさい。ちなみに、その姉妹のお姉ちゃんの方は大学二年生で、グラビアのお仕事をしているらしいぞ! 湊さんに似て美人だそうだ……はっは! 父さんはこんな美人の女性と再婚できてうれしいよ! いやーまあ直人にも綺麗な姉と妹ができてよかったなあ、お父さんのおかげだだねえ! お父さんに――」

 めんどくさくなって途中で録音を切った。
 どうやら昨日のうちに電話がかかってきていたのに気付かなかったらしい。
 息子に何も言わずに新婚旅行に行くってちょっと……と思ったがもうどうでもよくなった。俺の父はそんな感じのいい加減な人だった。だから前の妻に振られてしまうのだ。

「失礼……します。お兄ちゃん」

 こつこつとドアをノックして入ってきたのはセーラー服姿の陽菜ちゃんだった。目が合うと、目を細めてはにかんでいる。
 その制服は、俺の通う高校で指定されているもので、つまり陽菜ちゃんは俺の後輩になったのだ。
 清楚な感じの制服はおとなしい陽菜ちゃんにとてもよく似合っていた。丈の長い袖からは指がちょっぴりはみ出している。ミニスカートから覗く足はむちむちとはしていないが、すらりと健康的だ。
 俺はスマホをしまってベッドにきちんと座る。優美さんだけでなく陽菜ちゃんにまで悪い印象を持たれては困る。

「見つかった?」
「うん。お姉ちゃんの初出演DVD……」

 陽菜ちゃんは、水着姿の優美さんがジャケットを飾るそれを、何ともない様子で手にしている。
 こういう展開になったのには、次のような経緯があった。
 
「おはよう……お兄ちゃん?」

 今朝、こわごわと陽菜ちゃんに起こしてもらった俺は、それだけでほくほくした気分になりながら、グラビアの仕事で朝早くに出てしまった優美さんが作り置いていった朝食を食べ、登校した。
 もちろん陽菜ちゃんと一緒にだ。優美さんになんとなく顔を合わせづらい状況など忘れてしまうくらい嬉しかった。
 話しかけるうちに陽菜ちゃんは少しずつ俺と喋れるようになり、昼休みに一緒に食堂に行ったときは、プライベートな話も出来た。

「陽菜ちゃんは前の中学で部活とか入ってたの?」
「……お料理部」
「へえ、料理上手なんだ」
「ううん、あんまり。お姉ちゃんもお料理部だったから、同じ部にはいったの……」
「そうなんだ。お姉ちゃんのこと好きなの?」
「うん。憧れてるの」

 陽菜ちゃんはパンを少しずつもぐもぐしながら、さらっとそんなことを言った。

「一緒にお出かけすると、男の人の目線がお姉ちゃんに集まってくるのがわかるの」
「そうなんだろうなぁ……俺も憧れてるよ。優美さん、綺麗だよね……」
「そうなの。大人っぽいし、胸も大きいし……ほんとに大きいんだよ!」

 なぜかめずらしく興奮した様子で言った。姉妹だから、きっと一緒にお風呂に入っているのだろう。生の優美さんのおっぱいを毎日のように見れるなんて、羨ましい……。
 そしてつい、陽菜ちゃんのまな板みたいな胸もとに目が行った。逆に見つめ返されているのに気付いた。

「あの……直人お兄ちゃん」
「べ、別に胸は小さくてもいいと思うぜ!?」
「え? そうじゃなくて……あのね、お姉ちゃんのDVD一緒に見よっ」

 予想外の提案だった。しかもなかなか手に入らないデビュー作のとっておきDVDを見せてくれるのだというのだから驚きだった。きっと陽菜ちゃんも、俺と仲良くなりたいんだろう。
 どうやら陽菜ちゃんも優美さんのDVDをたくさん持っているみたいだ。

「わたしも、お姉ちゃんのこと大好きだから……」

 どことなくうっとりとした様子で言うのを見ていると、ただ家族だから持っているんじゃなくて、お姉ちゃんのことが好きだから持っているんじゃないか……と思った。

「お兄ちゃん、DVD、ここにいれるの?」

 陽菜ちゃんがパソコンにそのとっておきDVDを挿入し、ベッドの俺のすぐ隣にすとんと座る。
 近くにいると、少し胸がどきどきした。なんと言っても、陽菜ちゃんは優美さんを少し幼くしたような美少女だ。シャンプーのなんとなくいい匂いがするほど近くにいては、意識してしまう。
 くせのないおさげの黒髪が、みじろぐとさらりと肩から流れた。ふとももは肌がきめ細かく、触ったらすべすべしていそう。
 優美さんではなく陽菜ちゃんだけでも傍にいてくれればそれで幸せな気分になった。
 当の陽菜ちゃんは俺の視線になど気付かず、パソコンの画面をぼおっと見つめている。

「今日はこのまま最後までずっと見れたらいいのに……」

 陽菜ちゃんがそう呟いてまもなく、動画が流れ始める。
 二年前の、まだ18才の女子高生時代の優美さんが、紺のセーラー服姿で明るく笑っている。
 デビュー当時から業界では話題になった豊かな胸が、服越しに存在を主張している。

「ねえねえ、一緒に、海に行こうよ!」

 デート式のこのDVDは、カメラマンが優美さんに引っ張られて海に行くという構成をとっていた。
 ハワイのように白い砂、青い海が広がる明るいビーチで、優美さんはセーラー服をもぞもぞと脱ぎ始めた。ボタンを外し、シャツをまくりあげていくさまに、めちゃくちゃ興奮した。

「そんなにじっと見ちゃいや……もう、すけべ」

 優美さんがスカートをかかとまで下ろしながらカメラに向かって囁くと、股間が熱くなるのを感じて、隣にいる陽菜ちゃんにばれたら大変だと思った。
 しかし俺だってヤリたい盛りの高校生、一度勃ってしまうと処理しないと落ち着かない。今は陽菜ちゃんや優美さんみたいな美人さんが自宅にいるから、なおさら抜いておかないと間違った行動に出てしまいそうだ。

「お姉ちゃん……」

 陽菜ちゃんはなんとなくほっぺをピンク色に染めて、未だ画面に見入っている。
 女の子もこういうビデオを見たらドキドキしてしまうものなのだろうか、と不思議に思った。
 事実、そのくらいの魅力が画面の向こうの優美さんにはあった。すっかりワイシャツを脱いでしまうと、その下に着ていたのは、可愛らしくてしかもちょっと色っぽいようなビキニだった。
 見どころはやっぱり、そのボリュームたっぷりの胸だ。ビキニではとても全体を覆いきれず、深い谷間が形作られている。
 映像にのめりこんでいると、優美さんはそこにいるはずのカメラマンを笑顔で引っ張って浅瀬に連れていく。俺はまるで優美さんに手をひかれるように感じた。

「こっち、こっち!」
「あぁぁー……優美さん……」

 ぷるぷると揺れるおっぱいを間近で見ていると、いつもの癖で股間に手が伸びそうになる。
 陽菜ちゃんの様子を伺うと、なんだかそわそわした様子だった。わずかに汗ばんでいるようにも見えて、隣の陽菜ちゃんにまで、いやらしい目線を向けてしまう。
 いつのまにか股間はフル勃起し、刺激を待ちわびている。こんな状態なのにすぐそばに美少女がいて、大好きな優美さんにもそっくりだなんて、幸せだ。
 その陽菜ちゃんも、なぜか姉を見て興奮しているようにも見える……。

「お兄ちゃん……?」

 じっと見つめすぎたのか気付かれて、陽菜ちゃんが俺を振り向いた。
 お互いの体の熱気で、わずかにむっとするような部屋の中、目を合わせたまま時間が経った。
 陽菜ちゃんはなんとなくとろんとした表情で、ちょっと襲っても拒まれない気がして……。

「きゃあっ! あははっ」

 そこに優美さんの素敵な笑い声がスピーカーから響いた。浮き輪でぷかぷかと浮かびながら、つるんと綺麗な生足をこちらに向かってバシャバシャしている。
 気を散らしてくれたおかげで、なんとか我に返ることができた。
 俺は今陽菜ちゃんに手を出しそうになっていた。これから一緒に家族として過ごさなくてはならないのに、そんなことをしたら代償は高くつくだろう。童貞だからこういう気分になるのだ。

「い、いや、なんでもないよ」

 冷静になって反省した。
 興奮するのは優美さんだけにしようと思った。それも画面の中の優美さんだけ。本物の優美さんといざ対面すると興奮するどころではなくなって、ただただその美貌やスタイル、そしてその柔らかそうな胸に見惚れてしまうからだ。

「うん。お兄ちゃん……わたし、そろそろ行かないと」

 ふいに、陽菜ちゃんは立ち上がった。決心を助けられたような気がした。

「ああ、今日できた友達とさっそく待ち合わせだっけ」
「そうなの。最後まで見たかったのに……」

 名残惜しげに水着姿の優美さんを一瞥して、陽菜ちゃんは部屋を出ていった。

「よし……」

 さっそく俺は決心を実行することにした。ティッシュ箱を手元に置き、ズボンのジッパーを開ける。ぼろんと硬くなった肉の棒が弾けるように飛び出し、先端に溜まっていた我慢汁が少し飛び散った。
 快感を欲しがるように、ピクピクとわずかに脈動している。

「やっと優美さんをオカズにしごける……ふう」

 ちょうど映像では、パラソルの下、優美さんが棒アイスを口にしようとしているところだった。
 ピンク色で唾液で光沢を放つ舌で、ぺろりとその棒を舐めた。
 フェラをしてもらっているという妄想が捗るシチュエーションだ。現実に家にやって来た優美さんはこんな素振りを見せないのに、ビデオの中ではこんなにいやらしくアイスをしゃぶってくれている。
 自分の棒を手のひらで優しく握って、アイスを咥えこんだ優美さんの唇の動きにあわせてしこしこと動かす。

「ふう、きもちいいや……」 

 何も見ないでしごくのとは大違いだった。優美さんにしてもらっていると思いこむと、息子はカチンカチンに硬くなり、少ししごくだけでぞくぞくと快感がこみ上げてくる。

「んっ……おいしい……っ」

 優美さんが透明で綺麗な涎で糸を引きながら、アイスを口からちゅぽんと出して、嬉しそうに微笑む。
 濡れた唇と、だるそうな吐息が、たまらなく色っぽい。
 素敵な笑顔で、俺の棒をしゃぶってくれる優美さん。興奮してどんどんしごく手は素早くなり、俺は頭をしびれさせる多幸感でいっぱいになっていく。
 ビキニから溢れそうな優美さんのおっぱいが揺れていた。大事なところだけは隠されているが、白くて柔らかそうなふくらみのほとんどが露わになってしまっていて、たゆんと揺れている……

「お兄ちゃん、忘れものが……えっ」

 快感に夢中になっていて、突然飛んできたその声が何を意味するのかすぐには気付けなかった。
 外向けの私服に身を包んだ陽菜ちゃんが、部屋の入り口に立ちつくしていた。俺が握りしめている股間を凝視し、恐ろしげな表情を浮かべている。
 二人そろって硬直して、次の瞬間、陽菜ちゃんはその場を逃げ去っていった。

「わああっ!」

 唐突な出来事すぎて、頭の整理がすぐにはつかなかった。
 なんとか陽菜ちゃんに申し訳ないことをしたことと、信用を完全に失ったことに気付いて愕然となった。
 股間ははやくも萎えている。

「やっちまった……」

 俺は陽菜ちゃんがスカートのポケットから落としたのか、ベッドの上に忘れていっていたスマートフォンを手に、うなだれた。ぼふっと枕に突っ伏した。

(つづく)



グラビアアイドルが義姉になった! 「3話」





 運の悪さに絶望してベッドに倒れこんだままでいると、いつのまにか眠っていた。
 我ながら呑気なものだなと思いながら外を見ると、すっかり暗くなっている。
 陽菜ちゃんはもう口をきいてくれないのかな、もし弁明させてくれるなら何て言おう、とか考えながらぼんやり居間に出て、俺は目を見張った。

 驚くべき事態だった。そこには、女性の服が脱ぎ散らかしてあったのだ。ジャケット、ブラウス、スカート、黒ストッキング、そして大人っぽい黒の下着までも床に落ちていた。
 一体誰が……と呟いて、すぐに優美さんしかいないことに気が付いた。陽菜ちゃんはこんな下着はつけてないはずだ。
 優美さんが意外にだらしないことに気付き、なんとなくほっこりした。
 陽菜ちゃんはそこにはいなかった。遊びから帰ってきて、自分の部屋に戻ってしまったようだ。顔を合わせると気まずいから、よかった。

「優美さん……?」

 もしいけそうだったなら「覗き」でもしちゃおうかな、と性懲りもなく考えながら浴室と扉一つ隔てた洗面所に向かうと、すりガラス越しに優美さんがシャワーを浴びているのが見えた。
 それだけで興奮した。はっきりとは見えなくても、光の加減で体のラインだけは把握できた。
 相変わらず、大きな胸がシルエットにくっきり現れている。思わず眺めていると優美さんに気付かれた。

「誰? 陽菜?」
「あ、違います……俺です」
「直人くんか、そろそろ出るから、ちょっといい?」
「わ、わかりました、ごめんなさい」

 洗面所から出て、茶でも飲もうかと椅子に座ろうとして、その背もたれに引っかかっている黒ストッキングに再び目が行く。
 ただのストッキングなのに、優美さんが穿いていたと思うと興味が湧いた。わずかに光沢を放つ生地は、触ったらすべすべとしていそうだ。
 やたらむらむらした。さっき抜け切れなかったせいかもしれない。
 つい食指が動いた。この下着を、俺の部屋に持って行ったらどうだろう……?

「あー、ごめんね、直人くん。散らかしちゃった……」

 ストッキングを拾い上げようとしているところに声が聞こえて飛び上がりそうになった。
 ちょっと恥ずかしそうに言う優美さんは、バスタオルを身体に巻いただけの姿で、俺の前に出てきていた。

「だらしないところ見せちゃったね……ごめんね」
「いや……大丈夫です」

 俺は上の空で、目が優美さんの身体に釘付けになっていた。
 露出された肩は女性的な美しい曲線を描いていて、肌には傷一つなく、ちょっと水滴がついている。
 黒髪はもちろん濡れていて、いつもに増してつやつや輝いている。
 あまりにも刺激が強い光景だった。テントが張るのを感じながら、それがばれないように椅子にぱっと座った。
 この間、DVD所有者だとバレタこともあって、若干恐縮しながら言った。

「ゆ、優美さん……服、着ないんですか……?」
「うん。これまでずっとそうやって過ごしてきたから。女家族だったんだもの」
「いや、でも」
「直人君は困る? でもさ、わたしたち姉弟でしょ? 大丈夫だよね?」
「問題、ないです……」

 まさか欲情してしまうので服を着てください、とは言い辛かった。
 俺に見られても何ともない優美さんがすごいなと思った。身体を男に見られるのは、仕事上慣れているのかもしれない。
 コップに水を注ぎ、こくこくと飲む優美さんを欲望に満ちた目で見ていると、優美さんは俺の隣の席に座った。
 風呂上がりの女体の熱気が、わずかに伝わってくる。肌から湯気があがる様子すら詳細に見えた。
 ごくりと唾を飲んだ時、ずっと黙っている俺に向かって、優美さんは優しく笑顔で話しかけてくれた。

「仲良くしようよー……どうして、わたしのこと避けるの? 直人君のこと、もっと教えて欲しいな。ほんとだよ?」
「ええと……俺のことですか」
「そう。直人君のこと――そうだ、わたしたち、姉弟になったんだから、くん、とかさん、とかつけるのやめてみようよ?」
「呼び捨てですか?」
「そのほうが絶対はやく仲良くなれるって!」

 バスタオル姿の優美さんは、ふふと楽しそうに笑って続けた。

「わたしがあなたのこと呼び捨てにするから、あなたもそうしてね」
「俺も?」
「ねえ直人、今日の夜ご飯は何にしよっか。今日もお姉ちゃんが作ってあげるから」

 優美さんは姉弟のつもりかもしれないが、俺にとっては恋人同士で会話している気分だった。タオルの隙間からほんの少し見え隠れしている巨乳の谷間から目が離せない。

「手作りならなんでも食べます、優美……お姉さん」
「呼び捨てにしようよー」
「そんな……じゃあ優美姉さんでいいですか?」
「優美姉さん……うん、それは姉弟っぽくていいかも。そうしよっか」

 俺との会話が楽しくて仕方ないと言った感じで笑う優美さんを見ていると本当に幸せだった。
 優美さんの雰囲気が場を明るくして、俺までテンションがあがってきていた。
 こんなに気さくな優美さんに、DVDのことくらいでうじうじするなんてアホらしい気になってきていた。
 感じていた引け目を話そうと思った。

「優美姉さん」
「なあに、直人?」
「その……俺が優美姉さんのグラビアDVD持ってたこと、どう思ってます……?」

 一瞬きょとん、とした顔で顔を覗き込まれた。嫌われるんじゃないか、という気持ちと、単純に優美さんが俺だけを見ているという事実で、どきどきした。
 
「もしかして、それでわたしと話すのが億劫になってたの?」
「その通りです……」
「DVD持ってるのなんて恥ずかしくないよ。男の子にはそういうの、必要なんでしょう?」

 あっけらかんとした様子で優美さんは言った。聞いた途端、安心して、どっと息を吐いた。

「前も言ったけど、直人がわたしのDVD見てくれてるの、嬉しいんだよ?」
「なんでですか? 恥ずかしくないんですか……?」
「それは……確かに眺めまわされるのは恥ずかしいけど。わたしはね、このお仕事は、男性を楽しませるエンタテインメントだと思ってるの。全然、悪い仕事だとは思ってないよ。直人も、わたしのDVD見て楽しんでくれてる……よね?」
「え……? ま、まあ……」
「ねえねえ直人、一つ聞かせてほしいんだけど、わたしのDVDって……ヌけるかな?」
「……!」

 優美姉さんはちょっと目を細めて、おかしそうに素敵な笑みを浮かべながら、俺のことを覗き込んでいる。
 どういうつもりで言っているんだろうか、と思った。単純に、ふざけているだけなのだろうか?

「そう言う意味で、使ってくれてるのかな……って思ったんだけど。ふふ、こういう話は苦手?」
「……もしそうなら?」
「嬉しいよ? それだけわたしのこと、魅力的だって思ってくれてるってことでしょ?」
「……」
「どうなの? もしアドバイスがあったら、今度のお仕事から参考にするから教えてほしいな」

 優美さんに見つめられて、どうすればいいのかわからなくなった。
 素直に言ったら、何かしてくれるのだろうか? 色っぽいバスタオル姿の優美さんを見ているうちにおかしな気分になりそうになる。
 口を開いた。

「それは――」
「お姉ちゃん、お帰り――あ」

 ちょうどその時、居間の扉が開いて、陽菜ちゃんが顔を出していた。俺を見て、気まずそうな表情になる。
 やっぱり微妙な空気になるのか、と落胆した。服を着ていない優美さんと二人きりの、なんだか甘いような時間は終わっていた。優美さんは突然の雰囲気の悪化に勘付いたのか、ちょっと首をかしげている。

「二人とも……?」
「え、えっと……お姉ちゃん、ええと……」
「そうだ陽菜ちゃん、次、オフロ入っていいよ」
「え、う、うん」

 俺と言葉を交わしただけで恥ずかしそうにしながら、出来るだけ距離をとって、陽菜ちゃんは浴室へと向かっていった。

・・・

 時刻は午前零時ほど。
 あの後、俺は気まずい空気の中、夕飯を済まし、優美さんや陽菜ちゃんから逃げるようにとっとと自室に戻って、PCを起動していた。
 陽菜ちゃんは俺を見ると怖がるし、優美さんは自分の魅力に無自覚なのか知らないが、よくわからない態度をとってくる。
 一緒の空間にいるとそれだけで疲れてしまって、一人だけの空間に逃げ込んだわけだ。
 動画を見たり調べ物をしたりしていると、あっという間に時間が過ぎていた。女の子たちはすでに寝静まっていたはず。
 陽菜ちゃんが忘れていったスマホはまだ返せていなかった。今は今夜廊下ですれ違った時にでも返そうと思って、ポケットに入れている。
 ともかく、今は面倒なことは忘れよう。
 俺は今度は忘れずに部屋のカギをかけ、PCにDVDを読み込ませる。
 昼間に陽菜ちゃんが置いていったDVDを「続きから再生」して、鑑賞に没頭する。

「んっ……、ふふ……っ!」

 場面はビーチから、海辺が見えるコテージへと切り替わっていた。
 画面の中で優美さんがベッドの上でごろごろと転がり、こちらにむちむちした身体、主に胸元を見せつけて、初々しく微笑んでいる。

「優美さん……胸、やっぱりすげえ」

 クリーム色のセーターだけを身に着けた上半身を揺らすと、広い襟元から、いかにも柔らかそうに揺れる二房のふくらみが覗く。
 なんでこんなに魅力的なんだろうと思った。股間がすぐにガチガチに固くなる。いつもなら、このまま優美さんの妄想を膨らませながら、ゆっくりと快感に浸るところ。

「ところが今日は一味違う……」

 手元には、選択カゴから拾い上げてきた、ある衣服が握られていた。
 それは――優美さんのブラジャー、ストッキング、そしてパンツ。
 つい、持ってきてしまっていた。自分を抑えきれなかった。

「これが優美さんの胸に……」

 優美さんの豊かなふくらみを包んでいた、色気溢れる黒のブラジャーをキーボードの上に置いた。
 ちゃんと見ると、大人っぽい下着でありながら、可愛らしい刺繍やフリルで飾られている。優美さんらしいと思った。
 ついさっきまで優美さんはこれを着けていて、まだ洗濯はされていない。
 ごくりと喉が鳴った。優美さんの体の一部だけを手に入れてしまったような気になった。
 持ち上げて鼻にあてると、優美さんの残り香が鼻孔を刺激する――花のような華やかな香りでありながら、どこか女性を感じさせるような、色香も混ざっている。
 肉棒がびくっと動くくらい興奮した。夢中になって、深呼吸を繰り返す。

「やだぁ……もう、ヘンタイなんだからっ」

 映像の中で、優美さんがセーターを少しずつ脱ぎながら、俺に向かって恥じらうような微笑みを浮かべている。

「ダメだ、優美さん……我慢できないよ……」

 一人呟きながら、俺はもう片手で優美さんのぱんつを、目の前で室内灯の光にあてる。
 これもまた色っぽい下着だった。単純な黒色ではなく、わずかに紫色も重ねたような、不思議な色合いで彩られている。クロッチ部分は少し生地が厚くなっている。
 ここに、優美さんのおまんこが、ぴったりと当たっていたのだ。

「優美さん……使って、いいよね……」
「君だけ、だからね……もう」

 映像の中の優美さんがまるで俺に答えるように言った。実際はセーターを下乳が露わになるくらいまくりあげて、もっと上に持ち上げてあげる、と言っているのだった。
 でも俺はそのタイミングの良さに嬉しくなりながら、それを実行した。
 肉棒の先端は、先走り汁がたっぷりと潤っている。
 そこに優美さんのぱんつを引っ掻けるようにして、かぶせる。クロッチ部分を亀頭にあてがうようにする。
 そして、その柔らかい生地の上から肉棒を握りしめ、上下にしごいた。腰の奥から、背中にかけて、ゾクゾクとした快感が駆け上る。

「あぁ……これが、優美さんの……!」

 映像の中の優美さんはセーターを全て脱ぎ去ったところだった。その下に、優美さんは爽やかな水色のマイクロビキニを着ていた。巨乳の頂点だけがなんとか隠されているが、柔らかそうな白いふくらみの大部分が、これみよがしに揺れている。
 PCの中での優美さんのエッチな姿と、優美さんのおっぱいの匂いと、優美さんのぱんつの感触で肉棒をしごいて、最高の気分になってしまう。

「普通のオナニーと全然違う……」

 あまりに興奮して、気持ちよくて、俺はハアハアと息を荒げながら、勢いよく肉棒を擦りたてた。
 優美さんのセックスしてるみたいだと思った。色気たっぷりの香りと、感触と、優美さんのエッチな姿が楽しめる……なんて幸せなんだ。
 姉弟になれてほんとうによかったと思った。ますますしごくピッチは上がり、すぐに絶頂が訪れた。

「うっ!」

 迸る精液をパンツで全て受け止める。信じられないくらいたくさんの量が出た。もう少しでぱんつから零れ落ちそうだった。
 多幸感と解放感と虚脱感でいっぱいになりながら、俺はちょうど優美さんが手を振って、DVDが終了するのを見届けた。
 ふと優美さんの言葉を思い出した。
 
「わたしのDVDって、ヌけるかな……?」

 もちろんです、と心の中で思いながら、俺は精液まみれのどろどろぱんつを洗濯機に放り込むため、部屋を出た。証拠隠滅だ……

・・・

 翌朝に俺の部屋に下着やストッキングがあるのがばれると困るので、全部洗濯機に放り込むことにした。明日になったら、また新しい下着をまたカゴから持ってくればいい。なんて幸せな性生活なんだと思った。
 ふわふわと甘い陶酔感に溺れながら、廊下を歩く。

「お姉ちゃん……」

 最初にそれが聞こえた時は、幻聴かと思った。
 陽菜ちゃんの声だった。本来その声が聞こえるべき部屋からではなく、なぜか優美さんの部屋からその声は漏れ出していた。
 ねばねばの精液を包んだ優美さんの下着を握ったまま、その場で立ち止まる。
 どうしようかと思った。今俺は、重要な罪の証拠を手に持っている。しかし陽菜ちゃんが一体何をしているのか確かめたい。
 洗濯機に下着を放り込んでから戻ってくれば済む話なのだが……

「今日、直人お兄ちゃんがね……」

 その声を聞いて頭で決断する前に足が動いていた。
 チクられる。
 優美さんは俺がDVDでオナニーしていたことをどう思うかは正直わからない。もしかしたら嬉しいと言ってくれるのかもしれない。しかし確信が持てない以上、気が気でならなかった。
 暗闇の中、優美さんの部屋のドアノブをひねり、音を立てないよう、わずかに隙間を開ける。

「その……お兄ちゃんが……あれ、してたの」
「あれって? もう、そんな顔してないで、ちゃんと言ってくれないとわからないでしょ」

 このままでは全てをばらされてしまいそうだが、ここで部屋に突入するのも気が引けた。なぜなら――二人が、何やら向かい合って仲良く添い寝しているからだった。
 二人とも、布団に隠されていない上半身を見ると、薄い透明感のある生地のキャミソールのような形のネグリジェ姿だ。陽菜ちゃんはレモンイエローで可愛くて、優美さんはパープルレッドで大人っぽい。
 女の子二人が横たわるベッドはとても綺麗な光景だったが、なんとなく危険な香りも漂っていた。
 距離が近いのだ。お互いに抱き合っているようにも見えた。
 どうしてこんなことになってるんだ……と呆気にとられているうちに、陽菜ちゃんがそれを言ってしまった。

「お兄ちゃん、オナニー……してた……」
「本当? 別にだからって直人が怖い人ってわけじゃないよ? わたしのDVDをおかずにしてくれたのかな……?」

 ふふ、とむじゃなきな感じで笑う優美さん。
 相変わらず素で喜んでもらえているようなので、夕方と同じようにとりあえずの安堵のため息をついていると、ちょうどその時、陽菜ちゃんが身体をきゅっとちぢこませて、甘い声をあげた。
 可愛いけど、ちょっとエロイうわずった声だった。

「あ……ん……お姉ちゃん、そこ、もっと……」
「大丈夫、大丈夫……お姉ちゃんが、優しくイかせてあげるから」
「うん……気持ちいい……とっても」

 小声での囁き合いだったが、俺には詳細に聞き取れた。それほど耳をそばだててしまうような驚きの会話だった。
 優美さんは今、陽菜ちゃんを気持ちよくさせてあげているらしい。ドアの隙間から見る限り、布団の下で腰の陽菜ちゃんの腰のあたりで何かが動いていた……つまり、優美さんは、陽菜ちゃんの女の子の部分を刺激して、イかせてあげようとしているのだ。
 目の当たりにしても、信じられないことだった。

「陽菜も、もう高校生なんだから……いつまでもお姉ちゃんで満足してちゃだめよ? 男の子と付き合ったりしてみるのも、いいと思うけどなあ」
「ううん、わたし……お姉ちゃんがいい。他の人と比べるなんて、嫌――んんっ」

 喘いだ陽菜ちゃんが布団の中ごそごそ動いて、優美さんにますます近づいた。そのまま優美さんの胸に顔をうずめて、頬を擦り付けるようにする。
 その様子がなんだか背徳的で、俺はさっき出したばかりの股間が勃起するのを感じた。

「お姉ちゃんのおっぱい、好き……柔らかくて、おっきくて……安心する」
「やん、くすぐったいってば……でも、気持ちいい。もっと、触っていいよ」

 羨ましくて忽ち憮然となった。優美さんのおっぱいを独り占めするなんて、たとえ妹ちゃんでも許しがたい!
 そんな俺の思いも露知らず、陽菜ちゃんはやさしく撫でるように優美さんの胸を揉んでいる。

 それを見て、俺は節操なく我慢が出来なくなって、優美さんの下着を床にはらりと落とし、手に残った滑らかな触り心地のストッキングで肉棒を包んだ。
 しこしことしごき始めると、衰えを知らずビンビンに固い肉棒から、快感が湧き上がってくる。陽菜ちゃんと優美さんの百合プレイを眺めながら、動画を見ているような気分で、夢中になってしごく。

 揉まれている優美さんも気持ちがいいのか力の抜けるような、甘い吐息を履きながら、おかしそうに笑っている。

「陽菜ったら、すっかり甘えちゃって……最近は毎晩のように夜に来てるじゃない。お姉ちゃんと結婚するつもり?」
「うん……できたらそうしたいよ……。わたし、お姉ちゃんとずっと一緒にこうしてたい……男の人となんて、付き合いたくないの」
「もう……だめだってば」

 ふふ、と笑いながら、お互いに少しずつ息を荒げ、気持ちよさそうにぴくりと震えている二人。
 陽菜ちゃんと優美さんが百合姉妹だったという事実に、しばらく唖然とした。
 その時だった。突然、ポケットの中でけたたましい着信音が鳴った。どっと冷汗が出た。
 俺が設定した、聞きなれた音声ではない。ということは――

「あれ、今陽菜のスマホの音、したよね?」
「うん……おかしい、部屋に置いてきたはずなのに」
「布団の中に落ちてるかな」

 そうだ、あれから部屋に置きっぱなしだった陽菜ちゃんのスマホを返そうと思って、ポケットに入れっぱなしにしていたのだった。
 ドアの向こう側で、二人が睦言をやめ、張り詰めるような静けさが場を包んでいた。
 ぽつりと、優美さんが呟いた。

「もしかして……直人? ねえ……そこにいるの?」

(つづく)



グラビアアイドルが義姉になった! 「4話」





「えっ……」

 ぺたぺた、と足音が近づいてきて、音を立てずに逃げ出すことなどできず、俺は簡単に見つかってしまった。できたのは肉棒をしまうことだけだった。
 ネグリジェ姿の優美さんは間近で見ると素敵すぎて鼻血が出そうになった。奥で、陽菜ちゃんが困ったようなドン引きしたような顔で俺を見ている。

「なんで……見てるの、お兄ちゃん」
「いや、そのですね……音がしたものでつい」
「直人ったら……いけないんだ? 女の子に秘密、覗き見しちゃったんだね?」
「ばっちり見ちゃいました」
「仕方ないなぁ……入って。しかるべき罰を与えます」
「お姉ちゃん? お兄ちゃんを、部屋にいれちゃうの?」
「そんな顔しないの、陽菜。三人で、仲良くしましょ? ほら――あれ? 直人君、なあに、これ」

 床に落として隠したつもりだった優美さんの使用済み下着類がバレた。万策尽きた。

「これ、わたしの下着……ふふ、直人君、そういうことなんだね……? さすがに見過ごせないわね。こっちにきなさい」

 おかしそうに笑う優美さんに手を引かれて、俺は戸惑いながらも陽菜ちゃんが隠れるようにもぐっているベッドの上にまで連れてこられてしまった。
 部屋は、なんだかいい匂いがした。入居一日目でこんなに変わるのかと思った。
 優美さんのベッドの上、陽菜ちゃんと優美さんに挟まれる位置に座らされ、両側から、追及するような目線と、余裕のある好奇の目線が注がれている。これから二人にどんな罰を受けさせられるんだろうと思ってちょっと怖くなった。
 しかし俺が一番気になってしまうのは、露出多めのネグリジェを着た優美さんの胸元に見える、二つのたわわなふくらみだった。

「陽菜、直人、またオナニーしてたみたいだよ?」
「そ、そうなの……? お兄ちゃん、そういうの……き、汚いよ!」
「そういうこと言っちゃだめよ、陽菜。陽菜だって、わたしとHしてたんだから」
「でも……お兄ちゃんは、男の子、だし……」

 赤くなる陽菜ちゃん。やっぱり、男は苦手みたいだ。一方の優美さんは状況を楽しんでいるようで、唇に指を当てていたかと思うと、ふとだしぬけに言った。

「じゃあ陽菜、お姉ちゃん、いいこと考えちゃった」
「な、なに……」
「そもそも、直人だけわたしたちのHなところ見ちゃったなんて、不公平じゃない? わたしたちにも、直人の恥ずかしい所、見せてもらおうかな? そうすれば、イーブンでしょ?」
「お兄ちゃんの? そ、そんなの……」
「陽菜も、男の子に慣れないと、このままお姉ちゃんとしかHできなくなっちゃうよ? 練習、してみるのもいいと思うんだけどなあ」

 一体何を言い出したのかと思った。しかしどうやら本気らしく、その突然の幸運に、俺は全身の血液が厚くなるのを感じた。わかっていても、聞かずにはいられない。

「優美姉さん……? つまり、それは……」
「さぁて、直人。これは一種のファンサービスだよ? これまでわたしでいっぱい抜いてくれたお礼と、これからもわたしをオカズにしてもらって欲しいっていう思いを込めて、直人に好きなこと、させてあげる」
「……っっ!」
「直人が好きなわたしの体のパーツはどこかな? 足? ふともも? おなかのくびれ? それとも……おっぱい?」
「……っっっ!」
「やっぱり、そうなんだ……いっつも、直人と話してると目線が合わないから、おかしいなって思ってた」

 そう言いながら、優美さんは俺の両手を優しく取っていた。持ち上げられたかと思うと、それはそっと優美さんの体のほうへと引き寄せられて……
 俺は、優美さんのおっぱいに触れていた。優美さんが、俺の手を自分のおっぱいに押し付けているのだ。
 ほとんど放心状態になって、導かれるまま、そのなんともいえない、柔らかく、しかもやんわりと押し返すような弾力を指で感じ取った。あまりの気持ちいい触り心地に感動していた。

「優美姉さん?」
「これからは、本物のわたしで、性欲処理してあげる……だって、直人はわたしの大事な弟だから。こんなに近くにいるのに、動画で抜いちゃうなんて、もったいないでしょ?」
「優美姉さん!」

 頭のねじが一本どころでなくはじけ飛んで、俺はのめりこんで優美さんの胸を揉んだ。
 こんなにすごい感触だなんて……優美さんのおっぱいがこんなにも柔らかいだなんて、感無量だった。
 知らぬ間に心臓はバクバク拍動し、呼吸は荒くなり、手のひらは汗ばんでいる。
 優美さんは俺の若干強引な愛撫に、妖しい喘ぎ声を漏らし始めている。

「んっ……直人ったら、がっつきすぎだよ……んあっ」
「お兄ちゃん、お姉ちゃん……!?」
「陽菜も、一緒にしようよ。今日は、直人を使って、お姉ちゃんと男の子の勉強しよう?」

 気が付くと、優美さんが俺の手に自分の手を優しく重ねて、誘惑するように首をかしげている。さらさらと美しい髪が流れた。

「手で揉むのも気持ちいいかもしれないけど、もっと気持ちよくなれるところ、お姉ちゃんは知ってるよ?」
「優美……姉さん……!」
「きっと、すごいになってるんでしょう? ……きゃっ、やっぱり」

 胸をもまれながら優美さんは俺の股間に手のひらをかぶせて、その硬さを確かめている。寝間着のズボンが尻の下まで下げられたかと思うと、肉棒がぼろんと跳ねあがるように飛び出した。

「お姉ちゃん! そ、そんなの、触っちゃダメ……!」
「怖がらなくてもいいの、陽菜。見た目はちょっとグロテスクだけど、優しく扱ってあげれば、ぱんぱんに膨れ上がって、とっても可愛いの。ほら……」

 優美さんはやんわりと胸から俺の手をどけた。そして、なんと……ネグリジェの細い肩ひもを片方ずつ外して、はらりと落としてしまう。
 さっきまで谷間だけでも存在感のあった巨乳が、たゆんと揺れてその全貌を現した。
 それを見ただけで射精しそうになった。重力に負けず、はりをもった綺麗な形のおっぱい。ピンク色の乳首はわずかに尖ってきている。

「おっぱい、好きなんだよね……? 使ってみる?」
「っっっ!」
「そんなに緊張しなくてもいいの。ほら、わたしがしてあげるから、リラックスして……」

 唾を飲んだ。その数秒間は長く感じられた。
 ベッドから下りていた優美さんが屈むようにして、俺の前で身体をたおし……
 股間が柔らかい感触で、|包まれた《・・・・》。
 挟むというより、優美さんの豊かな乳で、たっぷりと包まれていた。もう亀頭だけしか見えていない。
 視覚的にもめちゃくちゃ興奮して、言葉すら出てこない。

「どう、かな……気持ちいい?」
「す、すごいです!」
「動かしたら、もっとすごくなるよ……んっしょ」

 優美さんが擦りつけるようにして、上半身を前後に揺すり始めると、初めて感じるような快感が湧き起こった。ずっとパイずりしたいと思っていたおっぱいでそうしてもらえている。大好きなグラビアアイドルに奉仕されているという非現実感の中、どんどん高まっていく。
 亀頭がIカップのふにふにおっぱいの中を出し入れされて、喜んでいるみたいに我慢汁を垂れ流している。
 俺の目を見て色っぽく微笑んでいた優美さんはふと陽菜ちゃんに視線を映し、誘った。

「陽菜も、さきっぽ触ってごらん」
「え……で、でも」
「汚くないよ。ほら、こんなにつるつる光ってる」
「お姉ちゃん……」

 横から戦々恐々と見ていた陽菜ちゃんは、優美さんにその手を俺の股間に持ってこさせられ、ぴとっと亀頭に触れた。
 電流のような鋭い快感が走る。

「これが、男の人の、だよ。怖くないでしょ?」
「ぴくぴくしてる……びっくりするくらい熱くて、かちんこちん」
「そのまま、撫で撫でしてごらん……直人が喜んでるよ」

 優美さんが少しずつ胸で俺のをしごくスピードをあげ、陽菜ちゃんは亀頭を小さな手で刺激しながら、俺のことを半信半疑の目で見ている。
 天国だった。美少女姉妹が俺のことだけを見て、気持ちよくしてくれている。
 精神的にも肉体的にも満たされて、ついに腰の奥から抑えようもなく熱い滾りが込みあげた。
 びゅるるっ! びゅるっ!

「う、うあっ!」
「きゃっ!」
「なに……これ……」
 
 恍惚としながら、優美さんと陽菜ちゃんが白濁液で汚されるのを見た。
 なんとか射精の脈動が止まったときには、二人の髪や顔に俺の精液がべったりこびりついていた。優美さんの胸の谷間には、吐き出された精液が流れ込んで溜まっている。

「お姉ちゃん……これ気持ち悪い……」
「大丈夫だよ、陽菜。これが、男の人の、せいえき」

 精液まみれになりながらも、優美さんは頬を赤らめて興奮した様子で微笑んだ。未だ萎えていない肉棒に顔を近づけると、ちゅっと音を立ててキスをしている。そのままさきっぽを口に含んで、お掃除してくれた。

「優美、姉さん……出したばっかり、だから……!」
「じゅるっ……しょっちゅう直人にしごかれてるから、君はこれくらいじゃへこたれないよね?」

 優美さんは俺の肉棒をツンツンと指で突いて話しかけている。するとびくっとまた大きくなって、天井を向いた。

「ほら、全然大丈夫みたいだよ、直人のここ」
「どういうこと……ですか?」
「今日は、陽菜にたくさん教えてあげたいし、直人にたくさんサービスしたいから……ね? ほら、陽菜」
「お姉ちゃん、でも……」
「お兄ちゃんのこと、気になってるんでしょ? 普段だったら、男の子になんか関わりすらしないもんね?」
「お、お姉ちゃん……!」

 真っ赤になった陽菜ちゃんを見て、もしかして俺って好かれてたのかと愕然となった。
 初めて会った時も、一緒にDVD鑑賞したときも、陽菜ちゃんは俺に好意を寄せていたのだ。
 目が合うと、陽菜ちゃんは消え入りそうな声で言った。

「うん……いいよ……お兄ちゃん」
「い、いいの?」
「陽菜に、初めて……教えて? 怖いけど……お兄ちゃんなら、きっと優しく、してくれるから」

 呆気にとられている間に、陽菜ちゃんはゆっくりとお尻を向けて、よつんばいになった。顔だけ振り向いて、ネグリジェのスカート部分の下に手をさしいれて、可愛いぱんつを膝までそっと下ろした。
 ネグリジェの薄いベールの向こう側には、陽菜ちゃんのおまんこが……

「痛く、しないでね……お兄ちゃん」
「っっっっ!」
「直人、してあげて……陽菜の初めての男の子に、なってあげて」
「で、でも、俺、童貞で……一体、どうしたら」
「童貞さんなの? しょうがないなぁ……わたしが、手伝ってあげるよ」

 頭がしびれたようになっているうちに、優美さんが俺の背後に回って、俺の寝間着と下着をずりおろした。
 背中にあたる胸の感触で頭いっぱいになっていると、優美さんは俺の肉棒を両手で持って、しこしことしごいた。

「ほら、陽菜にもっと近づいて」
「うっ……は、はい」
「女の子のおまんこはね、ここにあるの……わかる? このピンク色の割れ目が、おまんこだよ」

 優美さんの手でネグリジェのベールが取り払われた。それは曇りのない綺麗な色のおまんこだった。
 肉棒が陽菜ちゃんの性器にぴったりくっつけられた。そこはわずかに湿り気を帯びていて、柔らかい。
 くちゅ、くちゅ、と優美さんが割れ目に肉棒を擦りつけると、陽菜ちゃんが喘ぎ声を漏らした。

「んん……お姉ちゃん……男の人の、あたってるよ……」
「大丈夫、陽菜。緊張しないで、力を抜いて」
「俺は……俺は、どうすれば」
「そのまま、腰を前に沈めればいいの。一旦入っちゃえば、あとは直人一人で出来るよ、きっと」
「い、いくよ、陽菜ちゃん」
「うん……お兄ちゃん、お願い……」

 俺は、ちゅぷん、とおまんこの中に肉棒をそっと突き入れた。
 途端、柔らかい襞が亀頭にぴったりみっちり吸い付いてくる。透明な愛液が結合部から垂れている。
 未知の快感だった。全身が総毛立つほどの気持ちよさだ。
 あまりにも気持ちいいからもう全部挿入したかと思って結合部を見ると、まだ亀頭だけしか埋まっていなかった。

「ま、まだ、これだけ……!」
「ん……ん……!」
「残りは一気にいれちゃおうよ……よっと」

 後ろから、優美さんに腰でくいっと押されていた。
 にゅるん、と肉棒が狭い未開発のおまんこの中に押し込まれる。小さい穴を無理やり開いていく。愛液に濡れた襞を擦る快感で頭が真っ白になった。
 オナニーと優美さんのパイずりで二回出しているからなんとか耐えられたものの、そうでなければ亀頭だけいれた時点で射精していただろう。
 女の子のおまんこって、こんなにも気持ちいいのか……

「んあああっ……くううっ! ひぎいぃ……」
「ひ、陽菜ちゃん!?」
「痛かった? そっか……初めてだから、仕方ないわね。でも、これで処女卒業だよ、陽菜。おめでとう」
「うん、お姉ちゃん……わたし、卒業したよ……」

 衰弱した様子でなんとか微笑む陽菜ちゃん。よく見ると、わずかに結合部から血が滲み始めている。
 食いちぎらんばかりにぎゅっと締め付けてくる陽菜ちゃんは苦しそうで、息が浅い。
 
「陽菜、もっと出来そう?」
「痛い……お姉ちゃん、痛い……」
「そう……無理みたいね。今日は、陽菜はこれでおしまい。直人は、こっちにおいで」

 にゅるん、と肉棒が勝手に陽菜ちゃんから抜けた。優美さんに引っ張られていた。

「あとは、わたしが直人に特別なファンサービス、するから……たくさん、楽しんでね?」

 まださっきの強烈な快感の余韻が残っていて、もはやわけもわからず朦朧としていると、目の前に、優美さんがめちゃくちゃエッチな姿で俺を誘惑していた。
 それはグラビアでみる体勢ではなかった。

「直人が、動かしていいから……わたしの中で射精して、童貞卒業、しよう?」

 下着を片方のふとももにひっかけたまま、M字開脚をしていた。
(つづく)



グラビアアイドルが義姉になった! 「5話」




 優美さん主演の夢のようなAVでも見ている気分だった。しかしこれは画面の中ではなく、現実なのだった。
 感極まって震えながら、俺は優美さんのさらさらしてむちっと柔らかい太ももに触れて、言った。
 本物の優美さんの、Hなおまんこが、ここにある。陽菜ちゃんよりちょっと大人っぽいおまんこだ。

「優美姉さん……い、いいんですか」
「うん、直人に彼女が出来るまで、わたしが相手してあげるから……これからもずっと、わたしのファンでいてね?」
「そんな……当たり前です! 俺は、優美さんのこと、一生大事にします!」
「嬉しい。来て……わたしの中で、思いっきり気持ちよくなって?」
「優美姉さん!」

 ほとんど衝動的に、屹立した肉棒をその割れ目に突き立てていた。
 柔らかくて湿ったものに、ぬめぬめと包まれた。さっき覚えたばかりの腰使いでより深く挿入していくと、亀頭がヒダヒダを押し分けていって、たまらなく気持ちいい。
 相手が優美さんだということがまるで信じられなかった。しかし肉棒はしっかりと優美さんのおまんこに咥えこまれて、結合していた。

「全部、入った……?」
「ゆ、優美姉さん……これすごいです……」
「直人の、けっこう大きいね……奥まで届いて、感じちゃう……」

 優美さんはおへその辺りに指を当てて、ぎゅっと押した。すると、俺の肉棒に優美さんの指の動きが感じられた。
 俺は優美さんの中に入っているんだ、と感動した。
 同時に、優美さんの性器が、俺の精液を求めるようにうねうねと蠢き始めている。

「んっ、どんどん、中でおっきくなってる……興奮、してくれてるんだね?」
「優美さんとヤれるなんて、妄想の中だけかと……だから、夢見心地で……」
「ありがとう……そんなに思ってくれてるなんて。たくさん、わたしで気持ちよくなってね? 直人は、童貞さんなんだよね。お姉ちゃんが、動いてあげようか?」

 未だに奥までいれてから動けていなかった。このままでも半端なく気持ちいのに、動いたらどうなってしまうのだろう?
 そう思うと、優美さんに動いてもらうのでは、勿体ない気がした。自分は何もしないで優美さんを眺めながら気持ちよくなるのでは、いつものDVD鑑賞オナニーと変わらない。
 自分は優美さんを犯している、という実感が欲しくなったのだ。

「俺が、動かします……」
「大丈夫? 動いてみてごらん」

 優美さんはふふっと笑って、無防備に股を開いたまま、横たわった。潤んだ瞳で、俺を見上げている。
 少しずつ肉棒を優美さんの中から抜いていくと、愛液まみれのヒダを逆なでる感触で、思わず喘いでしまう。

「うあ……優美さんのナカ、すごい……」
「我慢だよ、直人。いっぱい溜めて、最後に思いっきり出していいからね? ――あんっ!」
「優美姉さん……っ!」

 身体の中で燃え上がるような欲情を感じて、一気に、深くまで突き刺した。
 脳天まで電気が走るような快感があった。そのまま一度、二度と突き込んでいく。勢いに乗ると止まらなかった。
 ベッドがギシギシ軋み、どんどん呼吸が荒くなってくる。

「ん、あっ……直人、上手、だよ……あぁんっ!」
「姉さん、姉さん……!」

 優美さんは俺がぶつけるようにして腰を振るのを、ぱちゅんぱちゅんという水音を響かせながら、受け止めてくれていた。
 浅いところまで抜いて、一番奥まで掻き分けて、を繰り返すと、結合部から温かい粘液が溢れはじめる。
 優美さんもすごく感じてくれているみたいだった。段々と喘ぎ声は大きく、色っぽくなっていく。

「直人、おっぱいも、触って――んんっ!」
「っっっっっ!」

 腰をせわしなく動かしながら、俺は屈みこんで、優美さんの胸に指を食いこませた。
 とてつもなく柔らかくて、でも弾力があって、もちもちとするような最高のおっぱいを揉みしだいた。肉棒も手のひらも柔らかいものに包まれて、女の子の体に、優美さんに溺れた。
 こんなに幸せなことは他にないと思った。

「んあぁっ! 直人、わたし……もうイキそう……直人が、激しいからぁっ!」
「姉さん、俺も……! もう、でちゃいそうです……!」

 射精まで秒読みなのがわかった。身体の内側から、熱いものがこみ上げてきて、今にも暴発しそうなのがわかる。
 その甘く喘ぐ息があたるくらい、目の前に優美さんの美しい顔があった。
 理性も何もかもなくなって、衝動的に動いていた。優美さんの唇に、むしゃぶりつくようにキスをする。
 優美さんは受け止めてくれた。唾液まみれの舌を絡めるようにして、キスを返してくれた。

「んちゅ……れろっ……直人、わたし、イク、イクぅ……!」
「姉さん!」

 びゅるるっ……!
 次の瞬間、とんだ。ヒューズが切れるような、でも満たされるような感覚で、あらゆるものが自分の中から吐き出されるような気がした。
 肉棒が、筋が攣りそうなくらい脈動して、精液を優美さんの子宮の中に、注ぎ込んでいく。
 中出しは、普通の出すのとはわけが違った。ヒダヒダに絞られるようにされながら、温かい性器に射精するのは、他では絶対味わえない快感だった。
 
「んああっ! 直人ぉっ! ふあぁっ……すごい、いっぱい、でてる……」
「はあ……はあ……」
「わたし、とっても、気持ちよくなっちゃった……こんなにすごいの、久しぶりだよ……直人も、わたしのナカ、満喫してくれた?」
「一生忘れません……」

 挿入しっぱなしのまま、からっぽになって呆然としていると、優美さんが起き上がって、俺を抱いた。手のひらで、ぎゅっと後頭部を抱いてくれている。
 顔の左右に柔らかい乳がぎゅっと押し付けられて、その感触と、優美さんの女体のいい匂いとで、もう溶けそうになった。

「直人、これからもお姉ちゃんと仲良くしようね……」
「優美姉さん……一生大事にします……」
「ふふっ、新婚さんみたいなこと言って、おかしい。わたしたちは、姉弟だよ?」

 なんて幸せな姉弟関係だと思った。
 衣擦れの音がして、すぐそこに陽菜ちゃんがいることを思い出した。見ると、頬を赤らめて、もじもじとしている。これまで俺たちの逢瀬を息をひそめて見守っていたのだ。
 おずおずと言った。

「お姉ちゃん、すごく気持ちよさそうだった……わたしも、気持ちよく、なれるかな……」
「今日は初めてだったから痛かっただけよ。直人がいいなら、Hの練習してもらっても、いいんじゃない?」
「お兄ちゃん……わたしも、気持ちよくなりたい……いい?」

 姉だけでなく妹まで自分のものに出来るようだった。幸運すぎて怖くなった。夢かと思って腰を動かすと、確かに優美さんのおまんこの感触があって、嬉しくて優美さんの体を思い切り抱きしめた。

「優美さん……俺、幸せ者です……」
「嬉しくなること言っちゃって……これからも、直人に彼女が出来るまで、特別ファンサービスしてあげるからね……いい?」
「もうファンの域とっくに出てますよ……」

 優美さんはおかしそうにふふと笑った。
 なんとなく全身の感覚が研ぎ澄まされていて、でも頭は全く働かない賢者モードがやってきていた。いつもならオナニーした罪悪感に苛まれるところだが、今日は違った。
 俺は大好きなグラビアアイドル、そして義姉の優美さんと、セックスした……
 解放感と心地よい疲労感に包まれて、俺の意識は泥沼の中に沈んでいった。

・・・

「お兄ちゃん!」
「直人、お帰り」

 学校から下校すると、校門のところで、優美さんと陽菜ちゃんが姉妹揃って待ってくれていた。優美さんは紙袋を手に持っていた。

 あれから日にちが立って、親が新婚旅行から帰ってくると、さすがに家ではイチャイチャしにくくなったが、俺と姉妹の仲はどんどん深くなっている。
 今日みたいに、親がいないときは、一分一秒でも早く家に帰って、お楽しみの時間を満喫する。

「ちゃんとオナ禁した、直人?」
「もちろんです!」
「あっ、お姉ちゃんのポスター」

 水着姿の優美さんが、セクシーなポーズでカメラにウインクしているものだった。
 それを見て、学生たちが欲まみれの目でつぶやく。

「湊優美、いいよなあ……」
「実は俺、最新作品買ったぜ。今日、見ていくか?」
「マジ? よっしゃ、今日は優美さんで抜きまくるぞ……!」

 その盛っている様子を見て、俺は憐れに思ってしまう。
 湊優美、いや上坂優美は、今、完全に俺のものなのに。おっぱいを思う存分揉みしだかれて、おまんこに俺の肉棒を突き込まれまくって、精液を注がれまくっているのに。俺の肉棒でよがって腰を振りまくって、あまつさえその妹さえも俺の肉棒に服従しているというのに。
 今隣にいる優美さんはもちろん、目深に帽子をかぶり、一般人に変装している。

「直人、本物がこっちにいるのに、ポスターばっかりみないで」
「すみません……あまりにも魅力的で」
「直人は、本物がいるのにDVDで抜いちゃうんだから、もう」
「だって、作品の中の優美姉さんも素敵なんです」
「そういうかと思って……ふふっ」

 優美さんは紙袋を開けて、その中身を、そっと俺に見せた。
 綺麗な色合いの、可憐な水着が入っていた。

「今日は、実際に使った撮影用水着、持ってきたよ? いっぱい楽しもうね?」
「優美さん……」
「DVD買わなくても、本物のお姉ちゃんがいるんだから。わかった?」

 俺は力強く頷いて、姉妹との甘い性活の待つ自宅へ向かって二人を連れて踏み出した。

(終)



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