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グラビアアイドルが義姉になった! 涼音編<16>




 翌朝、いつものように優美さんにやさしく起こしてもらって、いつものようにお手製の朝食を食べ、高校へ向かう。

「お兄ちゃん、はやくしないと遅刻しちゃうよ……?」

 いつものように困り顔の陽菜ちゃんが、申し訳なさそうに急かす。陽菜ちゃんは真面目だから、髪を整えて、高校の制服を着て、鞄を持って、いつも俺より先に準備を終わらせている。
 俺のせいで本当に遅刻したこともあるのに、先に行かないで待ってくれるのが、嬉しい。
 いつも通りに優美さんが玄関のところで見送ってくれて、家を出る。陽菜ちゃんと何気ないことを喋りながら、一緒に電車に揺られる。最近はスマホのゲームを二人で協力プレイしたりすることもある。

 優美さんと陽菜ちゃんが俺の家に来て、仲良くなってからずっと続いている、いつも通りの日常だ。
 だけど、今日はちょっと違う。通信アプリに、天辻さんから連絡が来ている。俺の家の近くのバス停から、一駅しか離れていない場所に、天辻さんの家はある。そのバス停で待ち合わせだ。

「待ってるね」

 そんな言葉に絵文字やスタンプが加わって、天辻さんも楽しみにしているようだ。
 俺は朝から、そのときが楽しみで上の空だった。でも、優美さんや陽菜ちゃんのことを考えると、これでいいのかな、という気分にもなる。二人とも、いつも俺に優しくしてくれるけど、天辻さんとそういうことをしちゃったら、やっぱりまずいんじゃないだろうか。やめておくなら、今のうちだと思う。
(でも、もう色々、エッチなことしちゃってるし……)
 俺は結局、放課後になると、まっすぐに天辻さんとの待ち合わせ場所に向かった。
 やっと、天辻さんと本番エッチが出来るのだ。これまで俺は、ずっと我慢してきた。お風呂上がりの天辻さんの下着姿にボディクリームを塗って、おっぱいを触らせてもらった。おっぱいで気持ちよくしてもらったり、すまたでエッチみたいなこともした。でも、一番気持ちいいコト――おまんこに俺のアレを突き込んで、ぐちゅぐちゅ出し入れすることはさせてくれなかった。
 天辻さんはどんな風に乱れて、どんな風によがって、俺のことを求めるんだろう。
 これから、天辻さんのおまんこでたっぷり気持ちよくなれる。天辻さんのおまんこは、どんな感じなんだろう? ずっと想像してきた、そこに挿入する快感を味わえると思うと、待ち合わせ場所で勃起してしまった。 

「ん……?」

 ふいに、スマホが鳴る。確認すると、陽菜ちゃんから連絡が来ていた。陽菜ちゃんとはしょっちゅうアプリで話すから、連絡が来たこと自体は何とも思わないけど、内容を見てなんだろう、と思った。

「相談したいことがあるの」

 何を話したいんだろう。わざわざ相談というくらいだから、ちょっと真面目な話なのかもしれない。
 陽菜ちゃんの話を聞いてあげたい。でも、天辻さんが楽しみにしてくれている、この約束も大事だ。
(俺は、どうしたほうがいいのかな)
 迷っていると、声をかけられた。

「弟君、おっまたせー」

 そこにいたのは、セーラー服姿の天辻さんだった。赤いスカーフや、紺色のスカートがとても似合っている。
 こんな可愛い女の子と一緒のクラスになったりしたら、幸せだろう。胸やお尻が大きくて、なかなかお目にかかれないくらい可愛い女子高生。体育の時間とか、水泳の時間とかも、きっと眼福に違いない。

「弟君の制服姿、ちょっと新鮮」
「天辻さんも、似合ってますね」
「可愛いでしょ、わたしの高校の制服。だからここの高校にしたんだー」

 何気ない話をしながら、天辻さんは俺の前を歩いて、案内する。

「わたしの家、初めて訪れた人は、みんなびっくりするんだ。こんなに犬飼ってるの? って」

 そういえば、最初に会った時も、犬を連れていた記憶がある。それほど犬が好きなんだな、と思っていた。

「わんちゃんと遊んでるとすごく気分がいいの。抱き上げてすりすりしたり、一緒のベッドに入ったり。それは、人と遊んでる時も同じ」
「……?」
「弟君とじゃれあってる時も、気持ちいいの。肌を触れ合わせて、お互いの体温を共有して……たぶん、わたしはそういうこと、好きなんだなって思う。もちろん、ワンちゃんより、弟君とそういうことしてるときのほうが、今は楽しいけどね」

 天辻さんがそんなことを話している間も、俺ははやくも天辻さんとのエッチを想像して、興奮していた。
 天辻さんの家で、二人きり。優美さんや陽菜ちゃんに見つからないように、こそこそする必要なしに、好きなだけ天辻さんとエッチなことをして、最後にはおまんこに挿入して、じゅぷじゅぷと腰を振りまくれる……
 ずっと憧れていたことが、これから実現する。天辻さんを、俺のものにできるのだ。

「ここだよ。ようこそ、弟君」

 そこは、小さなマンションだった。俺はごくりと唾をのんで、手を引かれるまま、ドアの向こう側へと入っていった。
 広くはないけれど、小綺麗な一室だった。新人グラドルなのだから、広い部屋に住んでいる方がおかしい。部屋の奥で、天辻さんの飼う犬たちの気配がする。
 住んでいる本人は気づいていないのかもしれないけど、香水、化粧、そして女の子の匂いが混じったような、不思議な色香が漂っていて、興奮してしまう。

「弟君……わたし……」

 天辻さんも、どうやらもう興奮しているみたいだった。玄関のドアを施錠すると、その場で高校の鞄を地面に置いて、俺に向き合う。目と目があって、お互いにそういう気分なのを感じ取った。

「天辻さん……」
「弟君は、じっとしてていいよ。最初は、わたしが気持ちよくしてあげる……ちゅ」

 軽く俺にキスをした後、天辻さんはその場に座り込んで、俺のズボンのジッパーに手をかけた。
 出てきたのは、すでに我慢汁で先端が濡れそぼった、猛々しく反り立った肉棒だ。それと同じ高さで天辻さんは俺を見上げながら、舌をぺろんと出した。

「おしゃぶり……いつも、先輩に、してもらってるでしょ?」

 陽菜ちゃんや優美さんにたくさんしゃぶってもらったけど、天辻さんにしゃぶってもらうのは初めてだ。どんな風に気持ちいいんだろう、と期待で胸がいっぱいになって、心臓が高鳴る。
 天辻さんは、くすくす、と笑ったあと、俺の肉棒に顔を近づけた。

「ふぇろっ……れろれろ……」

 天辻さんは、俺の肉棒を両手で支えて、先っぽを舌で舐める。ソフトクリームを舐めるみたいに、何度も何度も、舌を往復させる。最初は亀頭だけだったのが、だんだんとカリ首のところまで、大胆に舌を絡ませる。

「しょっぱいね……ふぇろろっ」
「あっ、そこ……すごいっ」
「エッチな動画見て、勉強したんだよ……じゅるっ」

 甘い快感が全身を駆け抜けて、俺は玄関のドアに背中を預けて、天辻さんの奉仕を受ける。
 清楚な学生服を着た天辻さんが、淫らな音を立てながら俺の肉棒をしゃぶる姿は、すごくエロかった。
(天辻さんのフェラ……まだ陽菜ちゃんほど上手じゃないけど、またこれもいい……)
 陽菜ちゃんには、これまで繰り返し繰り返しフェラをさせたから、最近では物凄く上手にしゃぶってくれる。俺の気持ちいいところを全部教えたから、的確にそこをぺろぺろしてくれるのだ。
 天辻さんにも、これから俺のいいところを教えて、たくさん気持ちよくしてもらおう。

「あむっ……んん、んちゅう……」

 俺の言うとおりに、天辻さんは亀頭を咥えて、口の中で舐めまわしてくれた。ヌルヌルした唾液のなかで、カリ首の溝や、鈴口まで、たっぷりと舐めまわされる。

「うあ……天辻さん……気持ちいい」
「ぷはぁ。弟君のおちんちん、ガチガチになって、ぴくぴくしてる。わたしのおしゃぶり、そんなに気持ちよかったんだ?」

 天辻さんは満足した顔で、淫らに笑った。
 俺の前で、スカートの下に手を入れて、するりと下着だけをおろす。今、天辻さんのスカートの下は、何も穿いていない状態だ。

「ふふ、弟君……わたしのおまんこ、見たい?」

 天辻さんは、玄関の床に体育座りになって、そんなふうに俺を誘う。スカートが、かすかにおまんこを隠している。
 
「天辻さん……」

 俺は天辻さんに覆いかぶさるようにして近づく。スカートをめくりあげると、綺麗なピンク色のおまんこが、愛液で濡れている。こうしてよく見ると、優美さんや、陽菜ちゃんとは少し違う形をしている。女の子のなんともいえない匂いが、かすかに漂っている。

「弟君のおしゃぶりしただけで、こんな風になっちゃった」

 そんな天辻さんは、すっかり発情した表情で俺を見ている。
 俺は、そのおまんこに、舌を這わせた。一つ一つのヒダヒダを掻き分けて、深いところまで刺激する。優美さん姉妹とは、違う舌触り、違う味……天辻さんらしさをあらゆる面から、感じる。

「あんっ……弟君、そんな、舐めちゃ……んんっ!」

 天辻さんは嬌声をあげながら、体を震わせる。
 クリトリスを見つけて、重点的にしゃぶりつくと、ひときわ高い嬌声をあげた。

「ダメっ、あうぅっ!」

 していくと、天辻さんはどんどん蕩けた顔になっていった。一旦口を離すと、天辻さんは指でくぱぁ、とおまんこを広げて、誘惑した。

「はぁ、弟君のおちんちん、欲しい……弟君も、わたしのここ、欲しいでしょ?」
「いいんですか……?」
「いいよ。いっぱい気持ちよくなろ……?」

 ついに俺は天辻さんに、許可をもらった。
 やっと、天辻さんのおまんこに、俺の肉棒を挿入することが出来る。愛液の中で、じゅぽじゅぽできる。
 これまで何度も、優美さんや陽菜ちゃんのおまんこで気持ちよくなってきた。そのときの快感を思い出すと、はやく天辻さんのおまんこを味わいたくてたまらなくなる。
 天辻さんのおまんこは、さっき舌を這わせた時も、舌触りから愛液の味まで、優美さんたちと違った。肉棒をくちゅ、と触れさせて、割れ目に沿って動かすと、やっぱり感触が少し違う。

「ん、弟君、じらさないで……」
「天辻さん……」

 俺はついに、じゅぷり、と天辻さんの中に挿入した。
 亀頭がヒダヒダに包まれ、根元まで、柔らかくて温かいものに飲み込まれる。ナカはうごめいて、挿れているだけで気持ちいい。
(これが……天辻さんのナカ……!)
 ちょっと感動するくらい、気持ちいい。優美さんや陽菜ちゃんとは、また違う感触で、違うベクトルの快感だ。

「痛くないよ……弟君の、気持ち、いい……!」

 天辻さんも、眉を寄せながらも気持ちよさそうな表情だ。

「もっと動かして……一緒に気持ちよくなろ?」
「天辻さん……!」

 少し腰を引くと、愛液まみれのヒダが絡みついてきて、逃がさないようにカリ首に引っかかる。一旦動き出すと止まらなった。入口付近まで肉棒を抜いた後、じゅぶり、とまた突き込む。そのまま一度、二度と突き込んで、腰を振り続ける。剥きだしの神経を撫でられるような快楽に、すぐに射精しそうになる。

「ナカでこすれて……んんっ!」
「すごく、いいです……! 天辻さんのナカ……!」
「あ、やばい、固いのが奥まで届いて……! わたしイっちゃいそうっ! んあ、ああぁっ!」
「俺も、もう出そうですっ」

 天辻さんの生足がぎゅっと俺のわき腹を挟んでくる。俺はそのまま肉棒でナカを攪拌しながら、思い切り射精した。

「う……っ! 出るっ……!」
「弟君っ! わたしイク、イクぅっ!」

 どびゅるるっ! びゅくっ! ぴゅるるるるっ!

 溜まっていた精液を、一気に天辻さんにナカ出しした。何度も肉棒が脈打って、やっと射精が終わる。
 天辻さんは背をのけぞらせて、ぴくぴくと震えて、そのまま動かなくなった。甘い息を吐きながら、ぼんやりと俺を眺めている。

「気持ちよかった……ナカ出し、しちゃったね」

 俺は余韻と達成感でいっぱいになって、玄関口にいることさえ忘れて、そのまましばらく余韻に浸っていた。
(つづく)






グラビアアイドルが義姉になった! 涼音編<15>




 その後、すぐに優美さんや陽菜ちゃんがお風呂から出てきて、俺と天辻さんは慌てていろんな液体をふき取って、服を着た。
 このままだとエッチしちゃう流れだったから、見ていたDVDを途中で強制停止されたみたいで、微妙にもやもやした気持ちだ。だからと言ってどうしようもないから、風呂上がりの姉妹を二人で待つ。

「弟君……わたしと、もっとしたい?」
「天辻さん……?」
「気が向いたら、また明日、してあげてもいいけど?」

 そんなことを言って、あはっと笑う天辻さんの微笑はすごく淫らな感じがした。生唾を飲んでしまう。
 そして、この少しの間に、俺たちに何があったかなんて露知らず、姉妹はいつも通り笑顔いっぱいで話しかけてくる。

「天辻お姉ちゃん、明日は一緒にお風呂入ろうよ!」

 ネグリジェに着替えた陽菜ちゃんは無邪気にそんなことを言う。うちのお風呂はなかなか広くて、三人どころか四人でも入れてしまいそうなくらいだ。

「わたしは一人でゆっくり入るのが好きなんだー。直人お兄ちゃんと一緒に入れば?」
「そんなの……ダメだよ。お兄ちゃん、男の子だもん……」
「陽菜が困ってるでしょ、もう。でも女の子三人で入るのは、楽しそうね」
「いいですよ、先輩。そういえば言い忘れてたんですけど、あのコンディショナーいいですね! 髪の指どおりがすごくよくなって、さらさらって……」

 こうして仲良く三人で話し出すと、止まらない。俺もちょくちょく話に混ざりつつ、頭の中はさっき味わった天辻さんの胸の感触でいっぱいだ。手のひらで、ぎゅっと揉むあの感触。肉棒を挟んでもらって、すりつけて、思う存分、胸の谷間に射精する。回想するだけで、股間が勃起してしまう。
(俺、このままでいいのかな……)
 天辻さんは何ともない様子で姉妹と話しているけど、俺はちょっと、引け目を感じている。二人に内緒で、天辻さんと気持ちいいコトをしてしまった。やっぱり、バレたら二人とも怒るだろうか。
 でも、考えても、どうすればいいのかは、さっぱりわからなかった。
 精液をたっぷり絞られた俺は、昨日と違って、今晩はぐっすりと深い眠りを味わった。
 翌日も、四人一緒に過ごした。朝は優美さんに起こしてもらって、優美さんが作った朝ごはんを食べる。美人三人と一緒に食べるご飯はもちろん美味しいけど、それ以前に……

「優美先輩のお料理、おいしい……」

 天辻さんは、感動した表情でもぐもぐと朝食を平らげていく。お味噌汁、ごはん、焼き魚。定番の品だけど、その味は誰にでも自慢できるくらいだった。毎日これを食べられる俺は、やっぱり幸せだ。
 エプロンを外して普段着姿の優美さんが、いつも通りニコニコしながら言う。

「今日はどうしようかしら」
「わたしは昨日わがまま聞いてもらったから、上坂家の三人で決めていいよー」
「んーー……昨日いっぱい遊んだし、家でごろごろしたい」

 陽菜ちゃんがそう言うから、今日は特に出かけずに家で遊ぶことにした。
 お菓子を食べながら四人でボードゲームをしたり、特に意味もなくテレビを眺めながら、とりとめのないことを話したり。みんな仲良しだから、それだけで話に花が咲くし、とっても楽しい。
 学校にいるときとか、普段はおとなしい感じだけど、このメンバーだと楽しそうに騒ぐ陽菜ちゃん。
 俺や陽菜ちゃんと、まるで最初から家族だったみたいに親しくなった天辻さん。
 陽菜ちゃん、俺、そして天辻さんのお姉さんみたいに、優し気な笑みを浮かべる優美さん。
 みんなリラックスしていて、この場にはふわふわした雰囲気があって、俺はすごく居心地がいい。一緒に過ごす時間は、幸せに満ちている。

「もう夕方になっちゃったね……あっという間」

 窓の外は、橙の綺麗な夕暮れ色だ。優美さんはその夕日を見て、そう呟いた。
 優美さんの長めの休暇は、今日で終わりだ。トップグラビアアイドルとして、お仕事に追われる日々がまた始まるわけで、優美さんはぼんやりと頬杖をついたまま、少し憂鬱そうな表情。軽くため息までついている。
 どんどん仕事が増えて、今では初めて俺の家にやって来た時より輪をかけて多忙になってしまった優美さんは、最近ちょっとつらそうな感じに俺の目には映っている。この間、朝起こしてくれた時と同じ雰囲気を漂わせている。
 でも、それは一瞬の出来事で、すぐに笑顔を浮かべていつもの優美さんに戻る。

「明日からお仕事、頑張らないとね! ……あれ、涼音ちゃんもお仕事かしら」
「わたしは学校行かないと、ですね!」
「そうだったわね。さすが現役高校生、頑張ってね」
「優美先輩もファイトですよ!」

 天辻さんは可愛くガッツポーズを作ると、優美さんも笑って、それを真似してみたりしている。
 彼女は十七歳の正真正銘の女子高生だ。副業としてアイドルをやっているわけで、たぶん優美さんほどではないけれど、忙しいはずだ。これから有名になっていったら、きっともっと大変になるだろう。

「さて、涼音ちゃん、どうする? おうちに帰っちゃう? それとも、もう少しわたしたちの家に泊まっていく?」

 最初は天辻さんの突然の訪問をあまりよく思っていなかった優美さんがそう尋ねたのは、この数日間が楽しかったからに違いない。以前よりも、優美さんと天辻さんの心の距離が、ぐっと近づいているのを感じる。陽菜ちゃんは前からすごく仲良しだったと思うけど、同様にますます仲良しになっているように見える。今ではしょっちゅう、二人で手をつないでいるくらいだ。女の子が好きな陽菜ちゃんらしい光景だ。
 陽菜ちゃんが天辻さんの返答を瞳を輝かせて待っている中、しかし、天辻さんは困ったように首をかく。

「うーん……でも、お洋服とか、あんまり持ってきてないし。これ以上お泊りするのは、ちょっと先輩に申し訳ないです」
「そんなことないわ。わたしたちは歓迎だよね、陽菜?」
「うん。天辻お姉ちゃん、帰っちゃうの?」
「一旦自分の家に帰ろうかな。でも――」

 天辻さんは笑ってこう言った。

「わたしの家と、先輩の家、全然離れていないから……遊びに来ることはすぐ出来ます」
「ほんとう!?」
「うん、それがいいわ。お仕事や学校が終わった後、夜ご飯だけでも、一緒に食べましょう?」

 こうして、天辻さんは毎日のように俺たちの家に遊びに来るようになったのだった。
 幸せそうに微笑みあう三人のうち、天辻さんが俺のほうにふいに視線を向け、軽くウインクをした。

◇◆◇◆◇

 そして、その晩も天辻さんは俺を誘った。
 女の子たちはずっとお喋りしていて、気が付いたら夜になっていた。相変わらず優美さんが作る晩御飯は最高だった。そしていつも通り、お風呂にはいる時間がやってくる。

「今度から、涼音ちゃんが使ってるボディーソープやシャンプーとかも、揃えておくわね」
「天辻お姉ちゃん、一緒にお風呂はいろうよ!」
「今日は一人ではいっちゃうね。優美先輩にわたしの使ってるシャンプーとか買って来てもらったら、それでわたしが、陽菜ちゃんの身体、洗ってあげる」

 どうやら天辻さんは上坂家に完全に溶け込みかけているようだった。天辻さんがお風呂に入っている間、優美さんや陽菜ちゃんとこんなことを話した。
 
「天辻お姉ちゃん、上坂家に通ってくれるって。家族みたいだね」
「直人、これでよかった?」
「全然いいです」
「前みたいに、涼音ちゃんにわたしたちがエッチしてるところ、見つからないようにしないとね」
「あの時は、ほんとに恥ずかしかったよぅ……」

 顔を赤くする陽菜ちゃん。優美さんも、あくまでエッチは三人だけの楽しみ、というスタンスは変えないみたいだ。
(俺は天辻さんとあんなことしちゃったけど……やっぱり、白状するべきなのかな)
 何度も自問している。良心がとがめるけれども、二人の笑顔を見ていると、到底言い出せそうにない。
 そのうちに天辻さんが出てきて、姉妹はまたそろってお風呂にはいる。
 そして、風呂上がりの上気した肌を隠そうともせず、下着姿の天辻さんは俺の隣に座る。心なしか、その瞳は濡れた光を帯びている。

「弟君……塗って」

 これまで通り、クリームを受け取って、寝転がった天辻さんの綺麗な体に塗りこんでいく。その肌は柔らかくてすべすべしていて、触っているだけで心地いい。時々くすぐったそうに身をよじり、天辻さんはクスクス笑いながら話す。

「今日まで泊めてくれてありがとね。わたしがいたせいで、優美先輩たちとイチャイチャ出来なかったでしょ?」
「天辻さんと、そのぶん仲良くなれたから……」
「んふふ、そうだね。弟君と仲良し。せっかくだし、明日学校帰りにわたしの家に遊びに来ない?」

 嬉しそうに笑ったあと、だしぬけに言われた。
(これはつまり、そういうこと……?)
 どくんと心臓が高鳴る。天辻さんは昨日みたいにブラジャーの紐を解いて、真っ白い肉の果実をたゆんと揺らしながら露出する。先っぽのピンク色の突起が固く尖っていて、可愛らしい。

「乳首、立っちゃった……弟君もおっきくなってきた? ……挿れたい?」
「挿れたいです……」
「ふふ、やだ。ねえ、ここに挟んで」

 またぱいずりをさせてもらえるのかと思ったら、違った。天辻さんは四つん這いになって、俺のほうにお尻を突き出す。大きくて柔らかいお尻。こんなポーズをしてくれている天辻さんに思わず見惚れて、しばらく動けなかった。
 天辻さんが何も言わずにクスクス笑って見つめてくるから、そういうことかと思って下着をおろすと、その割れ目の先には、ピンク色の性器が愛液でとろりと濡れている。

「やん……濡れてるの見られちゃった……。挿れたい?」
「え……いいの?」
「だめ。弟君ので、こすって気持ちよくして……?」

 最初はどういうことかよくわからなかったけど、すぐに「素また」をして欲しいのだとわかった。俺がジッパーから肉棒を取り出していると、お尻をぐりぐりと、足に押し付けてくる。
 
「ねえはやく……優美先輩たち、出てきちゃうよ?」

 俺は、肉棒を片手で支えて、もう片方の手で天辻さんの腰のところをつかむ。
 いつも、優美さんや陽菜ちゃんとエッチするときのことを思い出して、思わずおまんこに挿れたくなってしまう。くちゅり、と割れ目に亀頭が当たると、そのまま突き込みたくなる。それを察したかのように、天辻さんは振り向いて、囁く。

「んっ……挿れちゃダメ。今日はまだ、ダメ」

 理性を総動員させて、なんとかそのまま、割れ目をなぞるように、肉棒を動かす。亀頭の上のところがヌルヌルこすれて、いつもとは違う快感だ。とろけるような声で天辻さんは喘いで、割れ目からとろとろと愛液があふれ出してくる。

「あっ……んうぅ、気持ちいぃ……」

 むちむち、すべすべした太ももが、きゅっと肉棒を締め付ける。どんどん愛液のヌメリが増して、横方向からの刺激も加わって、あっという間に気持ちよくなっていく。腰の動きが止まらなくなって、まるでほんとにエッチしてるみたいだと錯覚する。
 クリトリスが固くなって肉棒にあたっているのを感じた。そこを重点的にこするように動かす。

「あうっダメ、そこダメぇ……んんっ!」

 そのまま、覆いかぶさるようにして天辻さんのおっぱいを揉む。重力で下に引っ張られているそれを救い上げるようにして、揉みしだく。

「うぅんっ! ……弟君、調子乗ってるなぁ……?」

 太ももの向こう側に飛び出したヌルヌルの肉棒の先端を、天辻さんの片手の指がやさしく包む。そうすると、ほんとうに挿入しているみたいだ。ぷちゅ、くちゅ、といやらしい音が立って、亀頭をやわやわと刺激してくる。

「あ、天辻さん、それ……俺、出そうですっ」
「わたしも、そんなに腰振られたら、イっちゃいそう……!」

 肉棒から滴るくらいに、愛液は分泌されていた。さらに勢いよく抜き差しすると、愛液がぴしゃ、ぴしゃと撥ねて、天辻さんのふとももがきゅっと締まる。びくん、と腰が震えた。

「あん、んくぅっ……イクっ……んんっ!」
「あっ……出るっ……あぁ」

 どぴゅぴゅっ……! ぴゅるる、びゅくっ……!

 射精して、鋭い快感が全身に広がった。その間、天辻さんの手のひらが俺の亀頭を包んでいる。精液が、天辻さんの手のひらにぴゅるぴゅるとかかっているのが感触でわかった。
 全部出し終えると、俺は達成感と脱力感でその場にへたりこむ。天辻さんも、余韻に浸るゆるんだ表情で、手のひらを俺の前に出して見せた。そこには、どろりとした白濁液が、たっぷりと溜まっている。

「昨日もあんなに出したのに……弟君、いっぱい精子出るんだね……」

(はやく天辻さんとエッチしたい……)
 この間はぱいずりしてもらえただけで満足だったのに、いつのまにかエッチしたくてたまらなくなっていた。もう、天辻さんとエッチしないなんて、考えられない……
(つづく)






グラビアアイドルが義姉になった! 涼音編<14>




「今日はここも、塗ってくれないの?」

 お湯上りの、可愛い下着だけ身に着けた体で、ボディークリームを塗って、と頼んできた天辻さん。今、彼女はソファに仰向けに寝そべって、その手のひらは、自らのボリュームたっぷりの胸に当てられている。
 俺は、もう一度その美しい体をなめまわすように見た。
 出るところが出て、引き締まるべきところは引き締まっている、理想的な女体。優美さんに比べるとまだ完成形の一歩手前という感じだけど、だからこその魅力がある。
(また、あの柔らかいおっぱいを触れる……)
 興奮して、頭の中が熱くなる。
 昨日は後ろから揉んだけど、今日は正面から向き合って、上にのしかかる。
 ブラジャーの下に手のひらを滑り込ませて、やわやわと揉みしだく。張りがあって、もちもちと手に馴染んで、いつまでも触り続けていたくなる。

「んっ……弟君……」

 天辻さんは、軽く身悶えて、甘い吐息をはく。まっすぐ俺を見て、眉根を少し寄せている。
(気持ちいい……もっと揉みたい……!)
 胸のふもとから指をめり込ませて、優しくしぼるように動かす。少しずつ頂上へと移動していって、乳首のまわりをくすぐる。

「触り方、やらしい……優美先輩にも、こんなエッチな触り方、してるの……ふふ」

 乳首をつまんで、カリカリと爪先で軽くこすったりすると、天辻さんは我慢できずに喘ぎ声が漏れる。乳首もぷっくり立ち上がってきて、すっかり発情した女の子の、とろんとした表情になっている。

「あんっ! やだ、くすぐったいってば……」

 優美さんや陽菜ちゃんと、しょっちゅうエッチをしていれば、女の子の感じやすいトコロはなんとなく、わかってきている気がした。
(よかった、天辻さんも、感じてくれてる)
 二人と天辻さんは違うかもしれないと思ったけど、乳首が気持ちいいのは、同じみたいだ。

「お尻にも、塗りたい……?」

 天辻さんが誘うように言う。もちろん俺は天辻さんの胸からお腹へと指を滑らせて、腰骨からふにふにとしたお尻を揉み始める。
 天辻さんは気持ちよさそうな声を出しながら、しかし陽菜ちゃんのようにすぐ快感に夢中になったりはしていなかった。あくまで俺のことを見て、ちょっといたずらっぽく笑う。

「弟君も興奮してるんだ。こんなになってる……」
「あっ」

 その指が、俺の股間に遠慮なく触れる。それだけで、痺れるような快感が湧いた。雑な触り方で、剥けた亀頭が下着にこすれる。

「かちんこちんだね……ズボンから、出してほしそうにしてる」
「出してくれませんか……?」
「やだー。わたしが先がいい……わたしの、脱がせて……」

 俺が下着に指をかけると、天辻さんは腰を浮かせる。するするとそれは足から抜けて、ピンク色の、可愛らしいおまんこが、あらわになった。
(これが、天辻さんの……!)
 さすがに、天辻さんも恥ずかしそうに顔を赤らめて、股をぴったりと閉じた。うっすらと生えた陰毛は、割れ目からにじんだ愛液で濡れている。そっぽを向いて、こう言った。

「こんなに、濡れて……胸、触られただけなのに。わたし、ヘンタイかも」
「優美先輩より、濡れちゃってます」
「うう……そんなに見ないで」

(天辻さん、意外とうぶな感じだ……)
 こういうことは慣れっこなのかと思ってたけど、仕掛けられるのはあまり慣れてないみたいだ。俺は、ちょっと調子に乗ってみる。
 天辻さんの不意をついて、その濡れたおまんこに、指をあてる。

「あ、んんっ! ちょっと……まだ触っていいって、言ってない……んうっ」

 可愛い喘ぎ声をあげながら、天辻さんが抗議するけど、ここは無視して、愛撫を続ける。ちゅぷり、と割れ目に指を浅く差し込んで、中を掻き回す。クリトリスを指の腹で撫でて、皮を剥いたり、戻したりする。

「んくぅっ! お、弟君っ! 待って、待ってってば……あうぅ」

 天辻さんは快感に身をくねらせて、気持ちよくて仕方なさそうな声をあげる。そのエッチな声で、俺はますます興奮して、我慢汁があふれ出すのを感じた。

「あ、んっ……わたしもシコシコしてあげるね」

 俺が愛撫を弱めると、天辻さんは体を起こして、俺のズボンのジッパーを下した。ぼろん、と固くなった肉棒が姿を現す。それを興味深そうに眺めて、天辻さんはつぶやく。

「すごい、ねとねとしたのが先っぽから出てる……わたしと同じだね」

 そして、天辻さんは俺の肉棒を両手で包んで、こしこしとしごき始める。先走りが潤滑液になって、くちゅくちゅと音を立てる。腰が浮くような快感が来て、俺は思わず変な声を出してしまう。

「その声、気持ちいいんだ……? もっとしてあげる」
「俺も、もっと行きますよ」

 天辻さんがちゅこちゅことしごくスピードをあげると、俺もより深くまで指を挿しこんで、同時にクリトリスをくちゅくちゅと撫でる。

「あう、弟君、ダメ……今は、わたしが弟君のこと気持ちよく……んあぁっ!」
 
 すぐに俺の肉棒をしごく手は止まってしまって、俺の愛撫の前に、天辻さんは身体をよじりながら喘ぐだけになってしまう。目は虚ろで、ぼんやりと俺を見ながら涎が唇の端から垂れている。口が開いて、舌がちろちろと動いている。

「んやぁっ……嘘ぉ、ずるい、クリもナカもいじられたらぁ……! あうぅ、わたし、イキそう……イっちゃうぅ……!」

 目の前の天辻さんは、普段からは考えられないくらい乱れていて、エッチだった。
(すごく気持ちよさそうだ……指をおまんこがきゅうきゅう締め付けてくる)
 絶頂が近いみたいだ。俺は勢いを増して、より強く愛撫する。

「あぁっ、イクぅ! 弟君にイかされちゃうぅ……っ!!」

 天辻さんがぴくん、と体を震わせる。しばらくそのままぴくぴく震えたのち、だらりと力を抜いた。

「んふぅ……ちょっと我を忘れちゃった。弟君も、イキたい……?」

 絶頂の余韻に浸りながら、色っぽい声で聞いてくる天辻さん。俺はそのエッチな姿がたまらなくて、唾をごくりと飲み込んで、うなづく。
 天辻さんは発情した顔のまま起き上がって、そっと囁くように言う。

「すごくよかったから、おっぱいで、してあげる……」

(天辻さんの、ぱいずり……!)
 これからしてもらえることを想像すると、全身が歓喜するようだった。
 肉棒を前にして、天辻さんはブラジャーをはらりと脱いだ。
 弾力のある巨乳を目の前に露わにされて、俺は興奮して股間がぴくりと動くのがわかった。それは、新人グラドルの中でも最近急成長している天辻涼音の、誰もがぱいずりしてもらうことを夢見る、形のいい大きなおっぱいだった。
 天辻さんは淫靡に微笑して、その二つのふくらみを、俺の肉棒に寄せる。

「優美先輩にも、こういうことしてもらってるんでしょ?」

 そして、ひたひたとその巨乳で俺の肉棒を挟んだ。なんといっても、エッチな光景だった。醜い肉棒が、白くて綺麗なおっぱいの中に埋もれている。先端だけが辛うじて顔を出して、まるで溺れているようだ。
 天辻さんは上目遣いで俺を見上げながら、むにゅむにゅと、両手で自分の胸をこねる。
(気持ちよすぎる……グラドルの天辻涼音さんに、ぱいずりしてもらってる……!)
 ボディークリームで適度な潤滑油を得た胸が、優しく俺を絶頂へと導いていく。
 乳首でこりこりと肉棒の先端を刺激されると、なんともいえない刺激ですぐにでも射精しそうになった。なんとかこらえて、少しでも長くこの快感をもたせようとする。

「ぴくぴくしてる。もしかして……出しちゃうの?」

 天辻さんは、俺の股間の反応をくすくすと笑う。左右の乳房を交互に動かして、もにゅもにゅとゆるやかに肉棒全体を刺激する。
 俺は、もう我慢できなくなって、自分から動き出す。天辻さんの肩をつかんで、その胸の間に、肉棒を突き刺すようにして、前後に動かす。まるで挿入しているみたいな感覚だ。

「や、弟君、強引……」
「出そうです、天辻さんっ!」
「いいよ、そのままいっぱい出して……」
「天辻さん、俺、出るっ!」

 たっぷりその胸に肉棒をすりつけて、感触を味わって、俺はついに尿道を精液が流れていくのを感じた。

 びゅるるるるっ! びゅくっびゅくっ……ぴゅるるっ

 精液が巨乳の中で弾けて、谷間を流れていく。俺が余韻を終えて離れたときには、たっぷりとたくさんの精液が谷間からおへそのほうへ、とろとろと流れていくところだった。

「すごい、こんなにいっぱい出てる……」

 天辻さんは、胸にたっぷりかかった精液をゆびでつまんで、物珍しそうに感触を楽しんでいる。
 これが、俺と天辻さんの初めてだった。おまんこに挿入させてもらえるまで、もう少し時間がかかった。でも、それはそう遠くない時だったと思う。
 そしてそのうちに、天辻さんも今よりずっとエッチが上手になって、俺を弄ぶことが出来るようになっていくのだった。
(つづく)






グラビアアイドルが義姉になった! 涼音編<13>




 陽菜ちゃんの水着に指をいれたところで、邪魔がはいった。

「何やってるのかな、弟君?」

 急に、後ろから腕が絡みついてくる。
 背中にあたる柔らかすぎる感触。濡れてひたひたと吸い付いてくる。

「あ、天辻さん……!」

(胸をそんなに当てられたら……)
 俺はその場で固まって、昨晩のことを思い出す。背中にあたっているものの柔らかさは、手のひらに感じたあの柔らかさと同じだ。触れるだけじゃなくて、その先のことを連想して、ますます股間が反応する。しかし、どうやら天辻さんはそういうつもりではないらしい。

「陽菜ちゃんに何してるのか、答えなさいっ」
「それは……今ちょっと、陽菜ちゃんが溺れかけてて」
「そんなにくっついちゃって、さすがに言い逃れ出来ないよ? 弟君、なかなかのヘンタイだね」

 天辻さんは俺と陽菜ちゃんを引きはがし、間に割って入る。
 俺の正面に現れた彼女は、まさにDVDで見るグラビアアイドルの「天辻涼音」だった。可愛いビキニから溢れそうな胸のボリュームは、俺の視線をくぎ付けにした。谷間がはっきりと出来ている。

「見すぎだよ、弟君のエッチ。ふふ」
「そ、そういうわけじゃ」
「触りたさそうな目、してるね」
「してないです」

 昨晩みたいに、揉みしだきたい……頭の中がそれでいっぱいになりそうになる。
 天辻さんは誘うような笑みを浮かべていて、困惑する。しかし、ようやく俺の愛撫から立ち直った陽菜ちゃんが、割り込んで天辻さんに問いかける。

「あれ、お姉ちゃんは?」
「今、ここじゃない方のプールにいるよ。わたしも今からそっちに行くんだけど、陽菜ちゃんも来る?」
「うん! お兄ちゃんと二人きりだと、変なことされちゃうかも……」
「うわー、そんなんじゃ、陽菜ちゃんに嫌われちゃうよ、弟君。あはっ」
「あ……二人とも、待って……」

 俺を置いてプールから出ていく二人を、慌てて追いかける。ついた先は、遊泳ではなく、しっかり泳ぐ人のためのプールだった。
 優美さんはそこで綺麗なクロールで泳いでいた。
 まるで人魚のように、ゆっくりとしなやかな動きだ。思わず見とれてしまうくらい、綺麗な身のこなしだった。俺たちのことに気が付くと、手のひらを振って、Uターンしてこっちに泳いでくる。そのまま、俺のところまできて、なんと俺に正面から抱き着いた。ぱしゃりと水しぶきがとぶ。

「ぷはっ、なーおとっ」
「ゆ、優美姉さん!」
 
 微笑みながら、豊満な胸を胸板にぎゅっと押し付けられて、天にも昇る心地だ。

「優美先輩、何してるんですか!?」
「いいじゃない、姉弟なんだから。ね、直人」

 優美さんの姿も、DVDで見る水着姿の優美さんだった。完璧で理想的な体のラインが、どうしても俺の目線を吸い付けてしまう。その彼女が、自分に笑顔を向けてくれていると思うと、感無量だ。

「こっちに二人とも来たのね。陽菜と直人も、ここで泳ぐの? もし嫌だったら遊泳プールのほうにいてもいいんだけれど」
「お兄ちゃんに泳ぎ方教えてもらってたら、エッチなことしてくるから……」
「もう、ダメじゃない、直人ったら」
「こんなところでするなんて、正直ヘンタイだよね」
「すみませんでした……」

 女の子たちの非難するような目線が集まり、俺はしょぼくれるしかない。でも、それだけで許してくれた。きっと俺以外の男にこういうことをされたら、こんなものじゃすまないはずだ。
 いつのまにか三人は話を進めて、俺を陽菜ちゃんから引き離した。

「陽菜には、わたしが泳ぎ方を教えるわ」
「それじゃ、弟君、一緒にあーそぼ。その代わり、エッチなことしたらわたしも先輩たちのほう行くからね」

 天辻さんと、どっちが先に対岸まで泳げるか競走したり、色々と遊んだ。その間、陽菜ちゃんはしばらく優美さんと頑張っていたが、そのうち疲れて、水からあがって俺たちが泳いでいるのを見ていた。

「ねえねえ弟君」

 しばらく遊んで休憩中のことだった。急に天辻さんがすぐ近くに来て、つんつんと体をつついてきた。
 
「優美先輩のこと、どういう風に思ってる?」

 珍しく、優美さんの話をしてくるから何かと思った。どうやら茶化すつもりではなく、まじめに言っているらしい。

「俺はもう、優美さんがいないと生きていけないです……」
「なにそれ。あははっ、しっかりしてよ」

 天辻さんはおかしそうに笑う。

「わたしはね、ずるいなーって思ってる」
「ずるい……?」
「完璧なプロポーションの持ち主なのに、偉そうなところがなくて、優しくしてくれる。どこか一つでも勝てるところがあるんじゃないかって、ずっと探しちゃう」

 天辻さんが優美さんを見る顔は、少し不機嫌そうだった。俺はそこに、不機嫌だけじゃない、ほかの感情も混ざっている気がした。恨み妬みとかそういうものじゃない、何か。

「一緒にお仕事するときは、いつも優美先輩が気になっちゃうんだよね、わたし」
「天辻さんは、天辻さんらしいにしかない良いところで攻めていけばいいんじゃないかな……って、思いました」
「え?」

 きっと何か思い詰めてるんだろうな、と思って言葉をかけると、天辻さんは少しきょとんとした顔で、俺の顔を見る。

「今でこそ優美さんはトップアイドルですけど、デビューしたてのころは今ほどじゃなかったんです。最初はどのアイドルも、そんなもので」

 俺はデビュー当初から優美さんを追いかけているから、自信をもって断言出来た。
 それを聞いて、天辻さんはなんだか嬉しそうに目線をずらした。

「当たり前じゃん。わたしはまだ新人だもん、すぐ先輩なんて追い抜かしちゃうからね。弟君も、わたしのこと応援してよ」

 ふいにばしゃり、と水を顔面にかけられて、目にはいる。目を閉じて何も見えない中で、天辻さんが楽しそうに笑い声をあげて、泳いで遠ざかっていくのがわかった。

◇◆◇◆◇

 帰宅したときには、三人とも遊び疲れている感じだった。
 最初に誰がお風呂にはいるかを話し始めたとき、俺は昨日のことを連想した。昨日と同じ順番なら、また天辻さんの体にふれることが出来る……それが本当に良いことなのかわからないけど、期待してしまう。

「お客さまが最初にはいるのが、当然でしょ?」

 天辻さんが下着やタオルを持って入浴している間、姉妹と話していると、陽菜ちゃんがこんなことを言い出した。

「天辻お姉ちゃんがいると楽しいね! もっとお泊りしていけばいいのに」
「確かにそうね。でも、涼音ちゃんは直人のこと狙ってるんじゃないかしら」
「そんなことない気がする。きっと、仲間にいれて、っていうのは冗談だよ」
「直人、涼音ちゃんに何もされてない?」
「え……はい」

 つい、嘘をついてしまった。心の奥のほうで、この後のことを楽しみにしていた。

「それなら、お泊りの期間、伸ばしてもらうのもありね。涼音ちゃんがお仕事のときは、ちゃんと三人きりになれるでしょ」

 天辻さんがお風呂から出ると、。優美さんと陽菜ちゃんは、また二人で仲良く脱衣所にネグリジェを持って向かっていった。
 そして。

「弟君、今日もボディクリーム、よろしくねっ」
「あ……はい」
「今ちょっとニヤけた? ほんとは役得だなって思ってたり……?」
「し、してないです」

 風呂上がりの天辻さんは、相変わらずバスタオル姿で、例のクリームを手渡してくる。
 優美さんがこの家に来たばかりのころを思い出す。服を脱ぎ散らかしたり、何気なくバスタオル姿で現れたり、実は家の中ではなかなかだらしない。グラビアアイドルはみんなそうなのかな、と適当に結論付ける。
 リビングでやると落ち着かない感じがして、俺は天辻さんを自分の部屋に招いて、ベッドに寝かせる。そして、クリームをその美しい肌に塗りこんでいく。
 ふいに、天辻さんは質問を投げかけてきた。天辻さんはいつも突然だ。

「ねえねえ、弟君の話も聞かせて」
「話って……?」
「ふふ。弟君が、優美さんがいないと生きていけない理由」
 昨日とは少し違う雰囲気の天辻さん。興味津々なようで、スマホをいじったりせず、俺が話し出すのを待って聞き耳を立ててくれている。
 話し始めると、結構しゃべっていた。優美さんが家に来て、少しずつ距離を縮めていくプロセス。さすがに、あの優美さんと陽菜ちゃんと初めてエッチした夜のことは誤魔化したけど。

「ふうん、ホントに仲良しなんだね。まあ弟君のほうから頑張ったわけじゃないみたいだけど」
「優美さんがいない生活はもう考えられないです……」
「たしかに、優美さんがいなかったら、なんて、わたしも考えられないけどね。優美さんのこと、ずるい~、って思ってるから頑張れるから。わたしたち、一緒だね」

 天辻さんはなんだか嬉しそうに言ったあと、結局こう茶化した。

「とにかく弟君、鼻の下伸びてる。あはっ」
「え」

 実際こんなに幸せな話はないから、仕方ない。自分の大好きなグラドルが突然自分の家に来てくれて、仲良くなって、エッチまでしてしまった。
(はやくまた優美さんとエッチしたい……)
 思い出すと、それだけで勃起するくらい優美さんとのエッチは気持ちよかった。
 今も、こんな風に天辻さんの体を触って、もう股間はガチガチに固くなっている。そろそろ思い切り発散したいのだ。
 まるでその思考を読み取られたみたいに、天辻さんはちょっと意地悪な顔でこう聞いてきた。

「優美先輩とエッチするとき、弟君はどういう感じなの?」
「そ、そんなこと……っ!」
「教えてくれないの? つまんないの」

(何を考えているんだ……) 
 ちょうど、昨日と同じようにお尻とか胸とか以外にクリームを塗り終わって、やっと一息ついていると、さらにこう言われた。囁くような声だった。

「ねえ、今日はここも、塗ってくれないの?」

 どくりと、心臓が高鳴る。起き上がった天辻さんが触れているのは、自分の豊満な胸だ。昨晩味わったあの感触。それをもう一度味わえる。
 しかも、天辻さんからまた誘われた……やっぱり、触るだけじゃなくてその先に行けるんじゃないか……?

「お尻も、塗っていいよ?」
 
 そう言われて、期待が確信に変わる。

「わたし、気になるの。弟君が、どういうエッチするのか。教えてくれないと、もう遊んであげないからね」

 そう言って、ふふっと笑う天辻さんの瞳は、とろんとして、甘えるようだ。
(つづく)






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