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剣と魔法の世界からお持ち帰りしました(6)

<INTRODUCTION>
「冒険の中で出会った女の子たちを、元の世界に連れ帰っても構いません」
異世界転移者シンヤは、魔王との最終決戦に勝利した――
魔王との勝負に勝利し、異世界での役割を終えた時、シンヤが女神に伝えられたのは、元の世界に戻らなければならないという残念な事実。その謝罪として、「異世界から気に入った人を連れ帰る」ことを許可される。
シンヤは、冒険の中で出会った女騎士のアリサなど女の子たちを日本に「お持ち帰り」していくのだった。

シンヤは人々を従わせ、配下とする王の力・〈魔痕〉によって異世界を救う英雄となったが、その魔痕は女の子たちを発情させてしまう効果を持っていた。節度ある王であろうと出来るだけセックスを我慢しようとするシンヤだが、可愛い女の子たちに誘惑され我慢の限界に達し……? 

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〈日本――3〉

 出会った当初のことを思い出しながら、アリサのことをぼんやり見ていると、不思議そうな目線を向けてきた。
「ん……? わたしの顔に、何かついているか?」
「いいや。アリサと初めて会った時のことを思い出していただけだ」
「そうか。わたしなんかのことより、この椅子、すごいぞ。こんなにもフカフカだ!」
 アリサは、革張りのどれだけ値が張るのかわからないソファに座っていた。お尻でその感触を味わい、感嘆した様子で背筋を正している。
 普段の騎士鎧と違い、女の子らしい洋服を着ているせいで、余計にその姿は魅力的に見えた。
 俺たちは今、新しい住まいでくつろいでいる最中だった。超高級マンションの一室――選ばれた者だけが住まうことを許される、最上階の部屋に、堂々と入室していた。
 エントランスからこの部屋に至るまで、制服を着た品の良い従業員たちが、歓迎してくれた。
 ホコリ一つ落ちていないカーペットの上を歩き、辿り着いた最も高級な一室が、この部屋だったわけだ。
 何畳あるのかわからないほどの広さ。
 俺たちのために用意された、どれだけ高価なのか測り知れない瀟洒な家具たち。テーブルの上には大ぶりの花が活けられた花瓶が置かれている。
 空気に漂う香りすら品がよく、まさに至極というべき空間だった。
「わあぁっ! 美しい風景ですわ! 宝石がちりばめられているみたい!」
 マリアは、全面ガラス張りの窓に両手をぺったりとくっつけて、眼下の風景を望んでいた。その瞳は、憧れる少女のように、キラキラと輝いている。
 外は暗くなり始めていて、最上階であるこの部屋から見える夜景は、とてつもなく豪華なのだった。
「さすがとしか言えないわね……ほら、これを見て! この箱に、こんなにも美味しそうな食材が用意されているわ」
 リリスは、キッチンにある大きな冷蔵庫を開けて、中をしげしげと眺めている。既に高級な肉や野菜が用意され、調理される時を待っていた。
「ハーナルがいたら、さぞ美味しい料理を作ってくれただろうな」
「彼女はまだ、こちらに来ていないの? シンヤが呼べば、すぐについてきそうだけれど」
「あいつはもう少し後に、こっちに来てもらうことになってる。ハーナルが来たらすぐに、そのキッチンでご馳走を作ってもらおう」
「楽しみね、シンヤ♡」
 リリスは完璧で魅惑的な笑みを浮かべる。
「わたくしの城より、豪華かもしれません! ありがとうございます、シンヤさまっ!」
 窓辺からマリアが嬉しさで居ても立っても居られない感じで駆けてきて、飛びつくように俺に抱き着いた。柔らかいふくらみが押し付けられて、ドキリとするが、それが表に出ないように努める。
「こんなのは大したことないよ。もっと素晴らしい所にこれからも連れていってあげよう」
「本当ですこと!? シンヤさまの妻に慣れて幸せですわっ! うふふっ」
 満面の笑顔を見ていると、幸せな気分だ。そんな表情にしてあげられることほど嬉しいことはなかった。
 俺とマリアがイチャイチャしているのを見て、残りの二人はちょっと不満そうにしていた。
「お、おい、マリア……少しくっつきすぎじゃないのか?」
 アリサはなんだか羨ましそうな表情でこっちを見ていた。
「そうやってシンヤの好感度をあげようとするなんて、マリアはあざとい子ね♡」
 リリスは見透かしたように言うが、マリアは心外とばかりに反論する。
「違いますわ、わたくしは本心を申し上げただけのことで……」
「い、いいから抱擁をやめろっ。はしたないぞっ」
「この程度ではしたないだなんて……アリサさんは潔癖すぎますわ。わたくしたちは何度も身体を重ねた関係ですのに」
 マリアは頬を膨らませて俺から離れ、近くにあった椅子に腰を沈めた。
「潔癖なんかじゃないっ、こ、これが普通だ……!」
「まあまあ二人とも、仲良くしましょ♡ シンヤの前で喧嘩だなんて、それこそはしたないわよ?」
「い、言われてみればそうだな……」
「その通りでしたわ」
 二人は反省したように黙り込んだ。リリスが収めてくれて助かった。
 場が整ったところで、俺は全員に声が行き渡るように話し出した。
「三人とも、聞いてほしいことがある。ここでの暮らしのことだ」
 女の子たちは従順に俺の顔を見つめ、次の言葉を待った。主である俺の言葉に従わないという選択肢は、とっくに彼女たちの頭からは消えている。
「みんなは、このニッポンにはまだちっとも馴染んでいない。この国の人々の考え方や、生活、決まりを知らないだろう? そんな状態で外に出るのは、危険なことだ。だからしばらく、準備が整うまで、勝手に出歩くことは、禁止する。俺と一緒か、俺が許可したとき以外、この城から出てはいけない」
「いいだろう」
「シンヤの言うとおりね♡」
「もちろんですわ」
 三人は、異存なく神妙に頷いた。
 俺の手の甲に刻まれた、王の証たる魔痕が、彼女たちがしっかり俺に共感していることを伝えてくる。
「準備には少し時間がかかるかもしれないが、そのうち外に出れるようにすると約束しよう。学校に通ったり、仕事をしたり……それぞれがニッポンの暮らしを楽しむことが出来るよう俺も手伝う。その最初の一歩として、三人に俺が名前を与えたい」
「名前、か?」
 アリサはどういうこと? という感じの顔をしていた。
「今のままの名前では、この国には馴染みにくい。このニッポンで暮らすのにふさわしいように、俺が名付けるということだ。まずはアリサ、お前の名前は、〈有紗〉(ありさ)だ」
 俺は部屋に備え付けてあったメモに、漢字でそれを書いて見せた。メモを切って渡すと、しげしげと眺めていった。
「有紗……これがこの国の文字か。なかなか格好いい雰囲気の字だ」
 アリサはそれを見て気に入ってくれたようだ。
「そして、リリス。お前は今日から、〈璃々〉(りり)だ」
「シンヤに新しく名前を付けてもらえるだなんて、嬉しいわ♡」
「そして、マリア。お前の外見はどう見ても日本人ではないけど、折角だから日本人らしい名前を付けよう。〈麻理亜〉(まりあ)。これが今日からの新しい名だ」
「なんだか、ニッポン人に一歩近づけた気がしますわ」
 三人とも、不満なく俺の命名を受け入れてくれた。
 俺は魔痕の効力で、彼女たちに無理な要求をしないと決めていた。
 彼女たちが嫌がることを強制的に受け入れさせることは確かに可能だ。しかし、そんなことをして彼女たちの意思を捻じ曲げることにあまり価値を感じていなかった。
 だから、彼女たちが新しい名を喜んでいるのは本当のことだ。共感の絆で繋がれているがゆえに、感性が似通っていくことはあるにしても、喜びの感情は彼女たち自身の中から湧き上がったものだ。
 これでようやく、三人をこの国に適応させる準備が整った。うまく適応できるだろうか? 特にアリサなんかは頑固だからちゃんと順応できるか不安だが、苦戦する様子を見るのもちょっと楽しみではある。
「さて、ハーナルがいれば夕飯を作ってもらったんだが、あいにくまだこちらに来るのに時間がかかりそうだ。今日の夕飯はこの国伝統の料理を出前で頼もう。その名も寿司だ」
「すし……どんな食べ物なのかしら?」リリスは楽しみそうにぺろりと唇を舐めた。
「温かい米の塊の上に、新鮮な生魚の切り身を乗せたものだ。美味しいぞ」
 その後、三人が寿司を食べ、驚愕の表情でその美味しさを喜んだことは言うまでもない。
 夕飯を食べ終わると、マリアはお腹いっぱいになったのか、ソファで静かな寝息を立てながら眠ってしまった。
「すぅ……」
 幸せそうな寝顔。アリサとリリスと三人で、頬をつついて遊んでも起きることはなかった。異国を練り歩き、慣れない地ではしゃいだ。きっと少し疲れているはずだ。放っておけば、きっと朝まで寝ているに違いない。
 布団をかけてあげて、そのまま寝かせてあげることにした。
「さて、そろそろ湯浴みをしたくなってきたわね。この近くに、綺麗な水の泉はあるかしら?」
「泉に行く必要はない。屋内にある風呂に入るのが、ニッポンに暮らす者のたしなみだ」
 俺は浴室に二人を案内しに行ったが、そこでも俺は設備の高級さに驚くことになった。
 まるで旅館のような広さの湯船、そしてシャワーなどが、部屋一つ一つに備え付けられていた。それぞれの機能を教えていくと、二人はいちいち感心するのだった。
「街にも似たような施設があったわね。あれは魔力で綺麗な水を生み出して、身体を清めるというものだったけど、こっちのほうがよほど便利だわ」
「湯船に浸かると気持ちがいいぞ。試してみるといい」
「シンヤと一緒に湯浴みをしたいわ♡」
「そ、そんな、男女で共に湯浴みなど……!」
「今日はそういう気分じゃない。また今度な」
「相変わらずつれないわね、シンヤは。でもそこがまた素敵だわ♡」
 リリスはうふふ、とすっかり俺に夢中な様子で微笑むのだった。
「このフロアの部屋は、全て俺たちのものだ。順番に、マリア、リリス、アリサ、俺、というように振り分けよう。基本的に寝るときは自分の部屋で寝るんだぞ」
「今晩は一緒に寝ない……♡?」
 体を寄せて誘惑してくるリリス。人ならざる存在である彼女はほとんど毎晩俺の身体を求めてくるから、言うことを聞いているとキリがない。彼女たちの王として、節度ある態度をとるべきだ。
 リリスの身体の柔らかさ、女らしい甘い匂い……それらを感じてムラムラしてくるのを隠して、俺は冷静にそれを拒否した。
「今日はダメだ。魔痕の疼きが本当に我慢できなくなった時だけにしろ」
「えぇ? 我慢できないから言ってるんじゃない♡」
「マリアもアリサも、ちゃんと我慢しているぞ。そんなにだらしがない女を近くに置いたつもりはない」
「素直じゃないんだから♡ でも、そういうところも好きよ♡ また明日、シンヤ」
 リリスは投げキッスをして、割り当てられた部屋に帰っていった。

〈日本――4〉
 
 俺は豪華な風呂に浸かり、高級な石鹸で体を洗い、身体を清めた。
 こんなにも荘厳な風呂に入ったのは初めてだったから、最初は緊張してしまって、それほどくつろげなかったけど、お湯につかっているうちに気分が落ち着いてくるはずだ。
 とりあえず、今日一日の出来事を思い返して、幸福感に浸る。
「ふぅ……それにしても、あいつらと日本で暮らせるだなんて……」
 異世界で出会い、山あり谷ありだったが楽しい冒険を過ごした彼女たち。マリアは冒険のパーティーに入っていたわけではないが、こちらの世界に連れ帰る時に真っ先に思い浮かんだわけで、仲が良かったし、魅力的な女の子だ。
 日本に来て、あんな風なリアクションをしてくれるのを見るのはなかなか楽しいものだった。これからどういう生活を遅らせるか、俺はしばし考える。
 アリサは、制服を気に入っていたみたいだった。女子高生として、高校に通わせてみるのは面白いかもしれない。マリアと二人で女子校に行かせてみたらどうなるか、想像すると笑ってしまう。
 リリスは、大人のお姉さんという感じで、女子高生という見た目ではないから、どうするか考えどころだった。三人の中では一番賢いし、普通に社会人として働かせてみるのもいいかもしれないが、これといった職業がまだ見つからない。
 色々考えているとのぼせてきた。
 気が抜けて、さっきまで律していた自分が、段々と緩み始める。
 三人といる時は、基本的に俺は我慢していた。あんな美人たちと一緒にいて、魔痕の力でいつでも俺の言うことを無理やり聞かせられるのだ。油断したら、セックスしかしない爛れた生活になりかねない。
 こうして一人になると、さっきリリスやマリアにくっつかれた時の感触を思い出して、股間が膨らみ始めてしまう。
 女の子たちは、近くにいるといい匂いがする。つけているだろう華やかな香りと、彼女たち自身の身体の甘い匂いが混ざった、なんともいえないそそられる匂いだ。
 柔らかいおっぱいの感触。三人とセックスしたときに何度も触ったり揉んだりしていたが、それでもああして体に押し付けられると、興奮してしまう。
 普段の生活での出来事だけでも、十分誘惑だらけなのに、彼女たちは積極的に俺を求めてくるのだ。魔痕を刻んだことによる副作用のようなものだ。
 おかげで、こんなにも律しているのに、ついつい俺は彼女たちと体を重ねてしまった。俺の身体を撫でまわし、俺をその気にさせようとあらゆる手を尽くしてくる彼女たちに負けてしまった。
 卑猥な言葉で誘い、体を差し出し、挿入を懇願してくる姿――脳裏に焼き付いてしまっていて、いつまでも俺は忘れられないだろう。女の子の秘所から漂う、発情を示すいやらしい香り、ぐじゅぐじゅに濡れそぼった蜜壺……こうして思い出していると、股間が完全に勃起してしまう。
 一人で浴室にいるせいか、独り言が出てしまう。
「やっぱりみんな、可愛いなぁ……あんな子たちが俺とセックスしたがるだなんて、今でも信じられないや」
 正直、俺は異世界に行く前、童貞だった。
 彼女が出来たことがなく、女友達ともそれほど仲良くすることもなく、そういうことには縁のない生活を送ってきた。
 そんな俺が異世界に言ったとたん、魔痕を刻んだ女の子たちから猛烈なアピールを受けたのだ。混乱する他なかった。最初に魔痕を刻んだハーナルに誘惑され、挿入を懇願され、童貞を卒業したときは信じられない気持ちだったものだ。
 今でも、女の子たちとセックスするときは、身構えてしまうし、誘惑されたら、どうしようもなく興奮してしまう。三人を前に堂々とし、誘惑をクールに拒んでいるのは、相当無理をしてのことだった。本当は、可愛くてかわいくて、セックスしたくてしょうがないのだ。
 勃起が止まらないまま、俺は風呂を出た。
 バスタオルで体を拭いて、部屋に用意されていたバスローブに着替える。バスローブの前がもっこりと盛り上がり、誰が見ても興奮しているのが丸わかりだった。
 こんな姿を三人に見られるわけにはいかない。今、リリスの部屋に行って襲い掛かれば、それこそ彼女は喜んで受け入れてくれるだろうが、そんなことをする気はなかった。彼女たちの支配者として、自分から求めるのでは格好がつかない。
 そういう風に考えて、大人しく勃起が収まるのを待とうとしていた時だった。施錠していなかった俺の部屋のドアが開き、申し訳なさそうに入ってくる人物がいた。
「シンヤ……その……」
 アリサは、ぼんやりとした顔で、俺を上目遣いしていた。瞳が潤み、口はだらしなく開いてしまっている。
 その下腹部に刻まれた魔痕が、限界を示して紫色の光を強めているのが、服の上からでもわかった。
<書籍化>ふたなり女学園へようこそ 上<完全版>
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