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グラビアアイドルが義姉になった! 涼音編<13>




 陽菜ちゃんの水着に指をいれたところで、邪魔がはいった。

「何やってるのかな、弟君?」

 急に、後ろから腕が絡みついてくる。
 背中にあたる柔らかすぎる感触。濡れてひたひたと吸い付いてくる。

「あ、天辻さん……!」

(胸をそんなに当てられたら……)
 俺はその場で固まって、昨晩のことを思い出す。背中にあたっているものの柔らかさは、手のひらに感じたあの柔らかさと同じだ。触れるだけじゃなくて、その先のことを連想して、ますます股間が反応する。しかし、どうやら天辻さんはそういうつもりではないらしい。

「陽菜ちゃんに何してるのか、答えなさいっ」
「それは……今ちょっと、陽菜ちゃんが溺れかけてて」
「そんなにくっついちゃって、さすがに言い逃れ出来ないよ? 弟君、なかなかのヘンタイだね」

 天辻さんは俺と陽菜ちゃんを引きはがし、間に割って入る。
 俺の正面に現れた彼女は、まさにDVDで見るグラビアアイドルの「天辻涼音」だった。可愛いビキニから溢れそうな胸のボリュームは、俺の視線をくぎ付けにした。谷間がはっきりと出来ている。

「見すぎだよ、弟君のエッチ。ふふ」
「そ、そういうわけじゃ」
「触りたさそうな目、してるね」
「してないです」

 昨晩みたいに、揉みしだきたい……頭の中がそれでいっぱいになりそうになる。
 天辻さんは誘うような笑みを浮かべていて、困惑する。しかし、ようやく俺の愛撫から立ち直った陽菜ちゃんが、割り込んで天辻さんに問いかける。

「あれ、お姉ちゃんは?」
「今、ここじゃない方のプールにいるよ。わたしも今からそっちに行くんだけど、陽菜ちゃんも来る?」
「うん! お兄ちゃんと二人きりだと、変なことされちゃうかも……」
「うわー、そんなんじゃ、陽菜ちゃんに嫌われちゃうよ、弟君。あはっ」
「あ……二人とも、待って……」

 俺を置いてプールから出ていく二人を、慌てて追いかける。ついた先は、遊泳ではなく、しっかり泳ぐ人のためのプールだった。
 優美さんはそこで綺麗なクロールで泳いでいた。
 まるで人魚のように、ゆっくりとしなやかな動きだ。思わず見とれてしまうくらい、綺麗な身のこなしだった。俺たちのことに気が付くと、手のひらを振って、Uターンしてこっちに泳いでくる。そのまま、俺のところまできて、なんと俺に正面から抱き着いた。ぱしゃりと水しぶきがとぶ。

「ぷはっ、なーおとっ」
「ゆ、優美姉さん!」
 
 微笑みながら、豊満な胸を胸板にぎゅっと押し付けられて、天にも昇る心地だ。

「優美先輩、何してるんですか!?」
「いいじゃない、姉弟なんだから。ね、直人」

 優美さんの姿も、DVDで見る水着姿の優美さんだった。完璧で理想的な体のラインが、どうしても俺の目線を吸い付けてしまう。その彼女が、自分に笑顔を向けてくれていると思うと、感無量だ。

「こっちに二人とも来たのね。陽菜と直人も、ここで泳ぐの? もし嫌だったら遊泳プールのほうにいてもいいんだけれど」
「お兄ちゃんに泳ぎ方教えてもらってたら、エッチなことしてくるから……」
「もう、ダメじゃない、直人ったら」
「こんなところでするなんて、正直ヘンタイだよね」
「すみませんでした……」

 女の子たちの非難するような目線が集まり、俺はしょぼくれるしかない。でも、それだけで許してくれた。きっと俺以外の男にこういうことをされたら、こんなものじゃすまないはずだ。
 いつのまにか三人は話を進めて、俺を陽菜ちゃんから引き離した。

「陽菜には、わたしが泳ぎ方を教えるわ」
「それじゃ、弟君、一緒にあーそぼ。その代わり、エッチなことしたらわたしも先輩たちのほう行くからね」

 天辻さんと、どっちが先に対岸まで泳げるか競走したり、色々と遊んだ。その間、陽菜ちゃんはしばらく優美さんと頑張っていたが、そのうち疲れて、水からあがって俺たちが泳いでいるのを見ていた。

「ねえねえ弟君」

 しばらく遊んで休憩中のことだった。急に天辻さんがすぐ近くに来て、つんつんと体をつついてきた。
 
「優美先輩のこと、どういう風に思ってる?」

 珍しく、優美さんの話をしてくるから何かと思った。どうやら茶化すつもりではなく、まじめに言っているらしい。

「俺はもう、優美さんがいないと生きていけないです……」
「なにそれ。あははっ、しっかりしてよ」

 天辻さんはおかしそうに笑う。

「わたしはね、ずるいなーって思ってる」
「ずるい……?」
「完璧なプロポーションの持ち主なのに、偉そうなところがなくて、優しくしてくれる。どこか一つでも勝てるところがあるんじゃないかって、ずっと探しちゃう」

 天辻さんが優美さんを見る顔は、少し不機嫌そうだった。俺はそこに、不機嫌だけじゃない、ほかの感情も混ざっている気がした。恨み妬みとかそういうものじゃない、何か。

「一緒にお仕事するときは、いつも優美先輩が気になっちゃうんだよね、わたし」
「天辻さんは、天辻さんらしいにしかない良いところで攻めていけばいいんじゃないかな……って、思いました」
「え?」

 きっと何か思い詰めてるんだろうな、と思って言葉をかけると、天辻さんは少しきょとんとした顔で、俺の顔を見る。

「今でこそ優美さんはトップアイドルですけど、デビューしたてのころは今ほどじゃなかったんです。最初はどのアイドルも、そんなもので」

 俺はデビュー当初から優美さんを追いかけているから、自信をもって断言出来た。
 それを聞いて、天辻さんはなんだか嬉しそうに目線をずらした。

「当たり前じゃん。わたしはまだ新人だもん、すぐ先輩なんて追い抜かしちゃうからね。弟君も、わたしのこと応援してよ」

 ふいにばしゃり、と水を顔面にかけられて、目にはいる。目を閉じて何も見えない中で、天辻さんが楽しそうに笑い声をあげて、泳いで遠ざかっていくのがわかった。

◇◆◇◆◇

 帰宅したときには、三人とも遊び疲れている感じだった。
 最初に誰がお風呂にはいるかを話し始めたとき、俺は昨日のことを連想した。昨日と同じ順番なら、また天辻さんの体にふれることが出来る……それが本当に良いことなのかわからないけど、期待してしまう。

「お客さまが最初にはいるのが、当然でしょ?」

 天辻さんが下着やタオルを持って入浴している間、姉妹と話していると、陽菜ちゃんがこんなことを言い出した。

「天辻お姉ちゃんがいると楽しいね! もっとお泊りしていけばいいのに」
「確かにそうね。でも、涼音ちゃんは直人のこと狙ってるんじゃないかしら」
「そんなことない気がする。きっと、仲間にいれて、っていうのは冗談だよ」
「直人、涼音ちゃんに何もされてない?」
「え……はい」

 つい、嘘をついてしまった。心の奥のほうで、この後のことを楽しみにしていた。

「それなら、お泊りの期間、伸ばしてもらうのもありね。涼音ちゃんがお仕事のときは、ちゃんと三人きりになれるでしょ」

 天辻さんがお風呂から出ると、。優美さんと陽菜ちゃんは、また二人で仲良く脱衣所にネグリジェを持って向かっていった。
 そして。

「弟君、今日もボディクリーム、よろしくねっ」
「あ……はい」
「今ちょっとニヤけた? ほんとは役得だなって思ってたり……?」
「し、してないです」

 風呂上がりの天辻さんは、相変わらずバスタオル姿で、例のクリームを手渡してくる。
 優美さんがこの家に来たばかりのころを思い出す。服を脱ぎ散らかしたり、何気なくバスタオル姿で現れたり、実は家の中ではなかなかだらしない。グラビアアイドルはみんなそうなのかな、と適当に結論付ける。
 リビングでやると落ち着かない感じがして、俺は天辻さんを自分の部屋に招いて、ベッドに寝かせる。そして、クリームをその美しい肌に塗りこんでいく。
 ふいに、天辻さんは質問を投げかけてきた。天辻さんはいつも突然だ。

「ねえねえ、弟君の話も聞かせて」
「話って……?」
「ふふ。弟君が、優美さんがいないと生きていけない理由」
 昨日とは少し違う雰囲気の天辻さん。興味津々なようで、スマホをいじったりせず、俺が話し出すのを待って聞き耳を立ててくれている。
 話し始めると、結構しゃべっていた。優美さんが家に来て、少しずつ距離を縮めていくプロセス。さすがに、あの優美さんと陽菜ちゃんと初めてエッチした夜のことは誤魔化したけど。

「ふうん、ホントに仲良しなんだね。まあ弟君のほうから頑張ったわけじゃないみたいだけど」
「優美さんがいない生活はもう考えられないです……」
「たしかに、優美さんがいなかったら、なんて、わたしも考えられないけどね。優美さんのこと、ずるい~、って思ってるから頑張れるから。わたしたち、一緒だね」

 天辻さんはなんだか嬉しそうに言ったあと、結局こう茶化した。

「とにかく弟君、鼻の下伸びてる。あはっ」
「え」

 実際こんなに幸せな話はないから、仕方ない。自分の大好きなグラドルが突然自分の家に来てくれて、仲良くなって、エッチまでしてしまった。
(はやくまた優美さんとエッチしたい……)
 思い出すと、それだけで勃起するくらい優美さんとのエッチは気持ちよかった。
 今も、こんな風に天辻さんの体を触って、もう股間はガチガチに固くなっている。そろそろ思い切り発散したいのだ。
 まるでその思考を読み取られたみたいに、天辻さんはちょっと意地悪な顔でこう聞いてきた。

「優美先輩とエッチするとき、弟君はどういう感じなの?」
「そ、そんなこと……っ!」
「教えてくれないの? つまんないの」

(何を考えているんだ……) 
 ちょうど、昨日と同じようにお尻とか胸とか以外にクリームを塗り終わって、やっと一息ついていると、さらにこう言われた。囁くような声だった。

「ねえ、今日はここも、塗ってくれないの?」

 どくりと、心臓が高鳴る。起き上がった天辻さんが触れているのは、自分の豊満な胸だ。昨晩味わったあの感触。それをもう一度味わえる。
 しかも、天辻さんからまた誘われた……やっぱり、触るだけじゃなくてその先に行けるんじゃないか……?

「お尻も、塗っていいよ?」
 
 そう言われて、期待が確信に変わる。

「わたし、気になるの。弟君が、どういうエッチするのか。教えてくれないと、もう遊んであげないからね」

 そう言って、ふふっと笑う天辻さんの瞳は、とろんとして、甘えるようだ。
(つづく)






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