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<ふたなり寮>ACT10




「ゆーりかー、おーきてー」
「そんなところで寝てると風ひくよー」

 ユリカは熟睡していた。瞳をうっすらと開くと、朝日と共に、シオリとキョーコが近くで見下ろしている。

「あ、起きた。おはよー」
「さすがにそろそろ準備はじめないと、遅刻だぞ」

 二人に言われて、しぶしぶ起き上がる。家でも妹に起こされていた、寝起きの悪いユリカにとっては、いつもの光景だった。平和で、他人に支えられた、温かい生活の一部。
 当然のようにそんな朝を迎えているのは、おかしいことだった。
(あれ……わたし……)
 何をしていたんだっけ、と昨日の記憶をたどって、愕然とした。
 理性を失って、性欲に任せてふたりを犯した自分の姿が浮かんだ。
 シオリを押し倒して、のしかかり、その胸で自分の男性器をはさんで、腰を振りまくった。精液をシオリの顔にぶっかけて放置した。意識のはっきりしないキョーコを襲って、たっぷりナカ出ししまくった。
 思い出すたび、寒気が走って、冷や汗が走った。猛烈な罪悪感で、胸が苦しくなる。
(わたし……あんなにひどいこと……)
 もし自分がそんなことをされたら、その友達と縁を切りかねないと思った。
 一方で、鮮明に思い出すほど、ユリカの股間はむくむくと大きくなった。若くてみずみずしい肌、柔らかい身体、濡れきった媚肉……そのどれもが、さっき味わったかのように思いだせた。その記憶は最高に興奮できる思い出としてユリカの脳に刻み込まれている。一生忘れられなさそうだった。
(それなのに……なんで?)
 ユリカは疑問に思った。|なぜ《・・》、ふたりとも平気なのか。

「シオリ、キョーコ……?」
「ん、どうしたの?」

 パジャマから制服に着替え中のシオリが、眠たそうに聞き返してくる。そのブラジャーの谷間や、可愛らしい顔に、白濁液がかけられたことなど、微塵も知らなさそうな表情だ。

「……ううん、なんでもない」

 ユリカは思わず、平然とそう言っていた。
(わたし……最悪だ)
 心の中で自分を責めながらも、それを二人に打ち明ける気にはさらさらならなかった。言ったら、絶交される。そういう恐怖で、胸がいっぱいになった。

「ていうか、なんか……自分の身体、変なにおいがする。キョーコ、一緒に朝風呂いかない?」
「行ったら一限、遅刻だよ? それでもいいなら、わたしも行く……なんか、体がべとべとするよね」

 シオリとキョーコが、そんな会話をし始めても、黙っていた。もちろん、ユリカは冷や汗をびっしょりかいている。
 キョーコが次のように話を振ってきたときは、心臓が変な動き方をした。

「ユリカも身体、べとべとしない?」
「わ、わたしは……しないよ? 昨日は暑かったし、たくさん汗かいたんだよっ」
「そうだっけ……あれ? 昨日の夜、わたしたち何してたっけ」
「え……覚えてないの?」
「あれ……ああ、思い出した。思い出した。最近記憶力やばいなー」
「キョーコはいつも記憶やばいでしょ。しっかりー」

 シオリがそう茶化して、なんとか話は収まった。どうやら、二人とも知ったかぶりをしているらしい。それもそのはずだった。つい数時間前の記憶がすっかり欠落しているだなんて、誰にも言えなかった。

「二人の記憶は消しておいたキュー」

 制服に着替えて一通り準備を済ませ、三人で教室に向かう最中、そんなキューの声が聞こえたときは驚いた。
 キューは天井を歩いていた。てくてくと、可愛らしい足取りで。
(やっぱり、あなたが……)
 ユリカは違和感を覚えた当初から、その可能性を頭の片隅に浮かべていた。それが当たって、やっぱりそうなのかという気持ちと、本当にこの生き物が人の記憶を消すことが出来るのだという恐怖を感じた。

「全くユリカがやったことは覚えていないから、安心するキュー」

 ユリカは、他の二人にキューの声が聞こえていないことを確認もせず、ただ真実を知りたいという思いに任せ、勢い込んで心の中で話しかけた。

(一体なんなのよ~! どうなるかと思ったじゃん!)
「ユリカのためを思って、力を使ったんだキュー。もし嫌だったのなら、申し訳ないキュー」
(……べ、別に嫌じゃないけど。キューは……わたしを困らせて、何がしたいの?)
「それは秘密だキュー。でもいずれわかるキュー。今のユリカはただ、普通に生活して、普通に他の女子生徒と、セックスすればいいんだキュー」
(なんでわたしがそんなこと……こんなのまっぴら!)
「それは嘘だキュー。だって、こんなに大きくなって、新しいおま○こを求めてるキュー」

 確かに、ユリカは今勃起していた。朝勃ちがまだ残っていたのだ。おかげで、若干スカートは盛り上がりかけていて、どうしようかと思っていたところだった。
 立てようと思って立てているわけではない。勝手に、むっくりと立ち上がってしまうそれが、ユリカにはとても不快だった。

(こんなおち○ちん、なくなっちゃえばいいのに~!)

 そう強く心の中で言うと、キューはすんなりとこう答えた。

「出来ない相談ではないキュー。しかし、本当にそれでいいキュー?」
 ユリカは、そう問われてはっとなった。
 夢のような、昨晩の思い出がまざまざとよみがえる。

「もしそれを消したら、二度と、キョーコのヌレたおま○こを味わうことは出来ないキュー」

 ユリカの目線は、前を歩くキョーコの太ももに注がれた。健康的で、モチモチと柔らかい太ももだ。
 昨日それを手のひらでぎゅっとつかんだことを思い出す。そう、下着姿のキョーコが、自分の下にいて、自分はその下着をずらして、愛液が溢れだす秘所に、自分のソレをあてがって、ぐいっと――

(あ~~! もうだめ! 勃起しちゃうから、ダメ~~!)
「そんなに気持ちよかったかキュー? もう一回、キョーコの中で、たっぷり射精したくないのかキュー?」
(し、したくないわよ! ばか!)
「シオリの胸はどうだったんだキュー? 柔らかかったかキュー?」

 キョーコと何気ない会話をするシオリが、すぐ近くで楽しそうに笑った。あの純粋な笑顔に、精液をぶちまけたことを思い出す。そしてブラジャーから溢れる、あの胸……今は服の下に隠れているが、昨晩、自分はあれを揉みしだいて、感じさせて、さらにはあれで挟んで、自分のモノをしごいてやった――

(うるさいうるさいっ! 昨日のわたしはおかしくなってたのっ! もう二度と、あんなことなんか――)
「まだあるキュー。ユリカには、これから先も、素晴らしい快楽が約束されてるんだキュー」
(え?)

 どういうことかと思案する間もなく、背後から、声が飛んできた。

「ユリカさん、おはよ~!」

 振り返らずともわかった。それは、昨日であったアヤヒの声だった。ユリカをマスミの支配するハーレムたる、バレー部に招待した、淫乱娘だ。
 制服をきっちり着こなして、にっこりと笑顔を浮かべてこっちに手を振っている。

「あれ、ユリカの友達?」
「最近一人で出歩いてると思ったら、友達作ってたの?」

 キョーコとシオリが、ユリカにこそこそと聞いてくる。さっきまで抱いていた二人への性欲を打ち消しながら、いつも通りの会話になるよう、答えた。

「うん。バレー部の子なんだ。わたし、バレー部入ろうかと思ってて――」

 ユリカはこの時、閃いている。シオリとキョーコをバレー部に入れてしまえば、マスミ先輩のおこぼれで、自分も二人を犯せるのではないか。簡単な話だった。

「二人も、まだ部活決めてないなら、バレー部にしない? 練習、そんなに大変じゃないって聞くし、メンバーも面白かったよっ」

 言いながら、ふと昨日、アヤヒに言われた言葉そのままだと気づいた。
 しかし、二人の反応は悪くない。

「ああ、バレー部かぁ……確かにいいかも。わたし、体動かさないと太っちゃうから~。シオリはどう?」
「うーん……わたしは帰宅部でもいいけど、二人が入るなら、入ってもいいよ」

(やった~! これで……うまくいけば……)
 ユリカがしめしめと思っていると、隣に来ていたアヤヒがぱっとユリカの腕をつかんだ。

「ユリカさん、今日の1限、サボらない?」
「え?」
「来てくれないの? 昨日はすごかったね。わたしもあんな風にめちゃくちゃに――」
「な、なに言ってるの、アヤヒちゃん」

 昨晩のことを暴露しかけるアヤヒを慌てて止めた。小声で真意を聞いた。

「どういうつもりなの!?」
「わたし、昨日からずっと我慢してたの。だから、はやくエッチしよ♡」

 そう囁いて、年に似合わない妖艶さがわずかに漂う笑みを浮かべるアヤヒ。ユリカはどきりとなって、股間がぴくんと震えるのを感じた。
 シオリとキョーコはそのやり取りを聞いて首をかしげている。

「ユリカ、一限サボるの?」
「ええっと」

 ユリカが迷ったのは一瞬だった。授業なんかより、ずっと大事なものが……アヤヒのスタイルのいい女体が目の前にあった。

「うん、今日はちょっとアヤヒちゃんと用事があって」
「えー、じゃあわたしたちもサボろ。お風呂入りたい」

 そうキョーコが言って、二人は風呂の準備をするために部屋に戻ってしまった。
 アヤヒと二人きりになって、ユリカは胸がどきどきするのを感じた。アヤヒもそれは同じらしく、ほんのり頬を染めている。ぽつりと、彼女はこう言った。
 
「わたしの部屋、隅っこだから……そこでいいよね」

 そして、二人は手をつないでアヤヒの部屋に向かっている。ユリカはなんだか夢見心地で、現実感が感じられなかった。今から、昨日マスミ先輩がしていたように、アヤヒちゃんを犯すことができる。まるで信じられなかった。
 同時に、猛烈な性欲が湧き上がってくるのを感じた。昨晩と同じ、我を忘れてしまうような、異常な性欲だ。
 目の前にいる女の子が、自分とのセックスを望んでいる。そう思うと、居ても立っても居られなかった。
(ダメ、我慢できなくなってきた……)

「アヤヒ、ちゃん……」

 ユリカ小さくそう呼んで、暗いその部屋の玄関で、早くもアヤヒと向かい合った。
(つづく)






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