ユリカはほとんど、自制心を失っていた。欲望に身を任せてシオリを床に抑えつけ、腰から生えた男性器を、じりじりとその豊満な胸に近づけていく。
「シオリ、ごめんね……ちょっとだけ、好きにさせて……」
「ゆ、ユリカ……や、やだ……やめてよぉ……」
シオリは、のしかかる女体をどけようともせず、ただ縮こまって怯えている。
そんな彼女に、ユリカは嗜虐心を刺激され、ますます血が滾るのを感じてしまった。
(シオリをいじめてるだけなのに……なんでこんなに、快感なんだろう……♡)
自分の下に、女の子を従わせていることが、楽しくて仕方なかった。自分の欲望を満たすために、道具のように使おうとしているのに、この時は全く心が痛まなかった。
「お願い、シオリのおっぱいで、させて……」
ユリカは、涎すら垂らしそうになりながら、その胸をわしづかみにした。風呂上がりの、汗と水滴で濡れた、ぴちぴちとした肌が、手のひらにすいつく。
「ひゃんっ♡ だめぇっ! 触らないでっ」
シオリはあられのない声をあげ、身悶えた。みたことのない親友の姿に、興奮が高まっていく。
その豊かな胸の先端の突起が、コリコリと固くなっていることにユリカは気が付いた。
(あれ……もしかして、シオリも感じてるのかな……)
そう思った瞬間、喜びが身体を駆け抜けていった。自分が、シオリを、女の子を、感じさせている。快楽を与えている。そう思うだけで、自分が神様にでもなったような気分になった。
「シオリぃ……可愛いよぉ……もう、しちゃうねっ♡」
もう何をしても許される気がして、ユリカはにたりと笑みを浮かべて、己の男性器を、シオリの胸の谷間に突き込んだ。むにゅりと、柔らかい乳の感触に、先端から中ほどまで包まれた。
途端、ユリカは無意識に、背筋を強張らせて、嬌声をあげている。普段の声からかけ離れた、ひどく調子はずれな獣のような声だ。
「あっ……いいぃっ♡!!!」
そのときユリカの身体を駆け巡っている快感たるや、すさまじいものだった。ビチビチと電撃が走るような感覚で、全身が灼けてしまいそうだった。
(ふ、ふあ、あぁぁっ♡)
ユリカは完全に自己を失った。なすりつけるように、いやらしく腰を動かしていた。皮の剥けた性器を、汗や水滴でよく滑る、ぷにぷにの胸の谷間にこすりつけるのだ。もちろん、両手で胸を寄せて、圧迫するのも忘れない。
(さい、こうっ……♡)
慣れない腰振りで息があがり、汗まで流し始めているのに、ユリカは止まらなかった。その目線はもはや、シオリすら見ておらず、どこか虚空を見ていた。
そんな彼女を見て、ようやく金縛りを解かれたキョーコは、慌てて止めに入っていた。駆け寄って、ユリカを押しのけようとする。
「ユリカ! どうしちゃったの! や、やめなよっ」
「無理ぃっ! あはぁっ♡ こんないいの、無理だよぉっ!」
しかしユリカは、恍惚の表情を浮かべて必死に腰をふりたくっている。
「ゆ、ゆり、か……」
豹変してしまった親友に、キョーコは驚愕して、その体から手を離してしまった。押しても引いてもびくともしなかった。これはどうにもならない、と察していた。
発情の汗を全身にかき、女の匂いをむんむんと発しながら、同級生にのしかかって獣のように腰を振る女子高生。その表情は、快楽の味を覚えた女の表情だ。
それは異様な光景だった。しかし、もし男子が見ていたとしたら、一瞬で肉棒が反り返るような、淫靡さだった。
そんな見ている他人すら興奮に巻き込む光景の渦中にいるユリカに、そろそろ絶頂が近づいていた。これまでにない、大きな絶頂だった。
「これ、気持ちよさすぎっ! 我慢できるわけないっ♡ 出るっ! いっぱい出るぅっ♡」
ユリカはラストスパートと言わんばかりに、寄せた胸の間に自分の性器を勢いよく突き込んだ。
「ユリカ……やめてよぉ……!」
「シオリ、シオリぃっ♡ 可愛いよぉ……お願いだから、最後までっ♡」
ユリカはどんどん快楽の至りに近づくのを感じて、性器の根元まで、豊満な胸にうずめた。それが我慢の限界だった。ぎりぎりで押しとどめていたものが、一気にあふれ出した。
色っぽい喜びの声をあげて、ユリカは射精した。
「んんんっ!」
ぴゅっ! びゅるるっ! びゅるぅ!
その先端から、音を立てそうな勢いで、大量の精液が|飛沫《しぶ》いている。
(うあ……あっ……あはぁ♡)
尿道を精液が一気に通り抜ける快感に、ユリカは天を仰いで、がくん、がくんと腰を震わせている。
たまらなかった。止まらなかった。何度も何度もユリカの男性器から、白濁液が迸った。
そして、肉棒の根元まで入るよう突き込んだせいで、先端は胸から飛び出て、シオリの顔にまっすぐ向いていた。
放出された精液が、全てシオリの可憐な顔を汚していく。髪にべっとりとこびりつき、瞳やそのまつ毛にまでぶっかけて、青臭い匂いをまき散らした。惨憺たる状況だった。シオリは、あまりにも酷いことをされて、ほとんど失神していた。
「はぁ……は……」
ひとしきりやりきって、ユリカは茫々と虚空を見つめている。自分の下で、親友をめちゃくちゃに汚してしまったことなど、気にとめていない。
(気持ちよかったぁ……)
ただひたすら、達成感と多幸感に包まれていた。
そのとき、すぐ近くではさらなる事態が起き始めていた。
「キョーコも、ユリカの苗床になるんだキュー」
「……へっ?」
ユリカとシオリを、一種の放心状態で見ていたキョーコは、突然、聞いたことのない声を聞いていた。可愛らしい声だった。どこから聞こえたのかと振り返ると、いつの間にか二人の女子高生が部屋に入ってきていることに気づいた。そのうちの、背の高い、上級生らしき人物――つまりマスミが、何気なく近づいてくる。
「あら、キョーコさん、でしたっけ。あなたにも、ユーマの声が聞こえるの?」
「ゆ、ユーマ? なんのこと? あなたたちは誰? もしかして、あなたたちがユリカをあんな風に……」
「それは違うわ。やったのはユーマよ。この寮に昔から住み着いている、不思議な生き物」
「キュ~」
マスミの後ろで、同級生と思しき人物――つまりアヤヒが、何かを胸に抱えていることに、キョーコは気づいた。次第にはっきりと姿が見えて、思わず息をのんだ。
間違いなく、キョーコの知っている、普通の生き物ではなかった。胴体がなく、猫のような可愛らしい顔面から、直接足と尻尾が生えている。
しかし、アンバランスな形にも関わらず、意外にもグロテスクではない。むしろ、全身にふさふさとした毛が生えていて、愛らしいくらいだ。
(ユーマ……もしかして、UMA、未確認生物ってこと?)
キョーコは不思議とその生物を守りたい、と思ってしまった。アヤヒの胸から床にすとんと降りて、てくてくと自分に近づいてきても、全く警戒しなかった。
「あなた、ユーマって名前なの……?」
「そうだキュー。でも安心するキュー。キョーコは、ふたなりにならなくてもいいキュー」
「ふ、ふたなり?」
「この寮の生徒たちは、男性器を生やした生徒をそう呼ぶキュー」
キョーコには、この生物がユリカをあんな風にしたとは、到底信じられなかった。
これから、その人知の及ばざる力を知る羽目になるとは、全く想像していなかった。
「キョーコは、ユリカの初めての相手になるんだキュー」
「は? え?」
「一度その快楽を知ってしまえば、キョーコもきっと、その幸せに気が付くはずだキュー」
「な、なに言ってんのよ」
「今、身を持って教えてあげるキュー」
そしてキョーコは、ふいに自分の背後で何かが動く音を聞いた。まるで、粘着質の肉が動いたかのような音――
(つづく)
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