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<ふたなり寮>ACT7




 マスミが、アヤヒの頭に手をのせた。
 髪をなでた後、頬にまで手のひらを添わせ、その顔を見つめる。

「マスミさん……んぅっ♡」

 アヤヒは口づけられて、なんとも艶めかしい声をあげた。
(女の子同士で、あんなこと……)
 ユリカは胸のざわめきを覚えた。心地よいざわめきだった。初めてかじった禁断の果実の味に、ぞわぞわと身が震えるようだった。
 二人は未だ糊付けしたかのようにキスを続けていた。アヤヒが息継ぎするように色めかしい息を吐き、唾液が一筋垂れた。

「ん、はぁ……はぁ」

 アヤヒは口元を指で拭いながら、にっこりとほほ笑んで見せる。その笑みに応えるようにマスミも凛々しく笑顔を浮かべ、囁くように言った。

「アヤヒのお口を、借りてもいい?」
「は、はいっ! もちろんです……♡」

 アヤヒはゆっくりとその場で膝立ちになり、奉仕すべき先輩を見上げた。
 ちょうど目の前の高さにある、黒く、太い男性器を、両手で包み込んだ。マリの愛液で濡れているせいで、ぺちゃぺちゃと、湿った音がした。
 そして全く厭わずに、むしろ喜びさえ滲ませながら、あんぐりと口を開けて、肉棒を咥えていく。

「あむ……んぐ……ふぐ」
「んくっ……ふう……」

 マスミは、遠い目をして、たまらないという風にため息をついた。

「ちゅ……ちゅるるぅ……ふぅ」

 アヤヒが情熱的に舌を這わせ、念入りに顔を上下させてしゃぶりつくすと、マスミは内またになって、かくかくと膝を震わせている。喘ぎ声は大人しいが、いかにも気持ちがよさそうに、ユリカには見えた。
(あんなこと、させちゃうなんて……やらしいよぉ)
 同時に、強く嫉妬心を抱いていた。
(ずるい……わたしだって、ああいうこと、させたい……女の子にしゃぶってほしい……!)
 そう強く願えば願うほど、ユリカはマスミに自己投影して、肉棒を強く握りしめていた。
 いつしかスカートの上からではなく、捲り上げたスカートの下、下着からはみ出たそれを強くしごいている。

「アヤヒ……すごく上手……このままでは、出してしまいそう……」
「らひてふらはい……たっふり……すきならへ……」

 アヤヒは陶酔しきった様子で、激しく、しかし丁寧に、内頬のやわらかいところで、肉棒を刺激していた。
 完全に相手を信じ切り、健気に奉仕する姿は、ユリカにはうらやましく思えた。
 マスミがたまらなそうに前かがみになり、甲高い嬌声をあげ始めるころ、ユリカもまた射精の予感に我慢できなくなり、ますますしごく手を速めている。

「アヤヒ、アヤヒ……わたし、もう……!」
「おねらいひまふ……! んううううっ!」

 ぴゅるるっ、と白濁液が迸った。射精の瞬間、マスミが腰砕けになり、アヤヒの口から肉棒が抜けてしまっていた。
 アヤヒの顔が、何度も吐き出される精液で、どろどろに汚されていくのをユリカは見た。たまらなかった。
(女の子を、あんなふうに汚しちゃいたい……!)
 興奮がありあまって、一気に昇天していた。

「あ、いくっ、わたしもイクぅっっ!!!」

 叫びながら、大量の精液を床にぶちまけていた。身体から全てが吐き出されるような虚脱感と共に、やりきった満足感のようなものを感じながら、ユリカは幸福感に包まれていた。
(こんなに気持ちいいオナニー、初めて……)
 目の前で、本物のフェラチオを見ながらだったからに違いなかった。
 本当に自分がそんなことをしてもらったら、どれだけ気持ちがいいか、想像がつかない。
(キョーコにしごいてもらったら、シオリにしゃぶってもらったら、どれだけイイんだろう……?)
 そんな妄想に浸ってしまうほどだった。
 しかし、それも長くは続かなかった。二人が、ユリカの射精を目撃していた。

「ユリカさん、それ……!?」

 アヤヒは顔中に青臭い精液をかけられて、うれしそうな表情をしていたが、ユリカのとんでもない状態を見て、あらま、と口に手を当てている。
 マスミも同様だった。恍惚の余韻から冷め切らずにいても、ユリカがぱんぱんに膨れ上がった肉棒を握りしめているのを見て、ぽつりとつぶやいた。

「あなたが、ユーマが言ってた、わたしの後継者になる女の子ね」

 それらの言葉を聞いて、ユリカはさすがに自分に刺さる数々の視線に気が付いた。

「うそ……あの人、新入生のユリカさんだよね?」
「本物だよね、あれ。本当に、生えてる……! マスミ先輩と同じ!」

 いつの間にかユリカたちの周りを取り巻いていたバレー部員にこそこそと囁かれ、ユリカは奈落に突き落とされたかのような絶望感を味わった。
(学校中に、広まっちゃう……)
 もう自分のハイスクールライフは終わったのかと、半ば嘆かわしく思いながらも、半ばは怒りを抱いていた。あのキューという謎の生物にさえ出会わなければ、こうはならなかったのだ。
 そう思った瞬間、声が聞こえた。

「僕のこと、恨んでるのかキュー?」

 はたして、そのキューがマスミの足の陰から顔を覗かせていた。ユリカは冷や汗が出るのを感じた。どこにいても、いつでも付きまとってくる――これではまるで、この生物に呪われているかのようだった。

「あら、ユーマ。こんばんわ。あの子が、新しい後継者なのかしら」
「そうだキュー」

 マスミさんにはユーマと呼ばれているらしい。その生物は相変わらず無邪気にそう答えて、悪意のかけらもない瞳を、ユリカに向けた。

「ユリカは、まだ女の子の身体を味わったことがないらしいキュー」

 それを聞いて、マスミさんは、美貌を崩さずに、にやりと嬉しそうに笑顔を浮かべたのだった。

「それなら、今ここで体験させてあげましょう。アヤヒ?」

 アヤヒは、ユリカに嫌悪感を示す様子もなく、むしろ乗り気で、にっこりとほほ笑んだ。
 ユリカは呆然となるばかりだった。信じられなかった。どうして話が振られたアヤヒが、恥ずかしそうにこっちに向かってくるのか。頭では理解できても、心構えが追い付かない。

「ユリカさん、わたし、あなたのことも、とても可愛い女の子だと思うの。だから、ここに連れてきたんだよ?」
「……あ、アヤヒちゃん?」
「おちんちんも、すごく可愛い。先輩もそう言ってるし……わたしと、えっち、しよ♡」

 恥じらいを露わにしながらも、積極的に言い寄ってくるアヤヒに、強烈な性欲を感じた。
 しかし、まだ心がそれに抗っていた。これはいけないことだ、と壁を作っていた。

「で、でも――」
「大丈夫だよ、わたしは……もう、ヌレヌレだから」

 そう言って、スカートをまくって見せる。下着の割れ目の部分が、しっとりと濡れて変色していた。
(き、きもちよさそう……♡)
 その下着の奥の、ひだひだした、柔らかい肉の壺を想像して、ユリカは肉棒が再びがちがちに固まっていくのを感じていた。
(な、なにかんがえてるの、わたし! だめだってば……!)
 欲望に身を委ねそうになって、慌てて気を取り戻す。そのまま、衝動に任せて、ユリカは叫んだ。

「や、やっぱり、ダメ!!!」

 そして、次の瞬間には何にも目をくれず、一目散に逃げ出していた。

◇◆◇◆◇

(わたしは普通の女の子に、戻りたい……もうこんなの、いや!!)
 ぜいぜい呼吸を乱しながら、自室に向かって走っているときも、そのことで頭がいっぱいだった。
 異常なほどの性欲が、下半身からこみ上げてくるせいで、ユリカはそう念じていないと自分がコントロールできなくなっていたのだった。
 普通の男子でも、これほどまでに強い欲求を感じることはないはずだった。ユリカの身体は、例の謎の生物によって、かなり深いところまでおかしくなっていた。
 まるで他の女生徒を犯すためだけに、特化されていくようだった。
 ユリカは、自室の扉を力任せに開けて、こう叫んでいた。

「助けて!」

 ほとんど自意識が打ち消されるほどの欲求に抗うせいで、勝手にそんな言葉が口に出ていた。
 
「ど、どうしたの、ユリカ~」
「そんな慌てた顔して~。しかも、酔っぱらったみたいに顔が赤いよ? お酒でも飲んだの?」

 キョーコとシオリは、ジュースの缶を片手に、テレビを鑑賞中だった。大きく目を見開いて振り向きざま、硬直している。
 ユリカはその二人の服装に、どくん、と体内の血液が熱くなるのを感じた。
 下着姿だった。キョーコはバスタオルを羽織っているからまだいいものの、シオリに至っては、可愛らしい淡い色のブラジャーと、パンツだけを身に着けて、床にうつぶせに寝そべっている。
(な、なんでそんなエッチな恰好してるの……!)
 ほとんど隠されていない肌色に、ユリカはもう我慢ならなかった。
 さっき見せつけられたマスミとアヤヒの行為が、脳裏で自分とシオリの行為として再生された。
 自分もしてみたい。ため込んでいた欲求が堰を切ってあふれ出し、ユリカの自制心を崩壊させた。
 
「しおり……しおりいいぃっ!」

 泣き出しそうな声でユリカは駆け寄っていた。考えることを放棄して、ただ身体の奥深くから命じられる犯せ、という声に従っている。
 シオリのほうは、いきなりユリカが胸に飛び込んできて、びっくりしてしまった。さっきの「助けて」という言葉から、何か怖い目にあって、逃げ込んできたのかと思いこんでいる。

「ど、どうしたのユリカ!? 何かあった!?」
「……」

 ユリカは何も答えなかった。ただ、シオリをぎゅっと抱きしめ、のしかかっている。
 それを見て、キョーコは缶を手に、茫然とするばかりだ。しかし、次にユリカがとった行動には、さすがに違和感を覚えた。
 そのままシオリの上に馬乗りになり、その豊満な胸に、手のひらをむにゅっと置いた。シオリは突然のことに、思わず色っぽい声を漏らしている。

「ひゃっ」
「しおりぃ……」

 ユリカの目には、自らの下で、胸を触られて嬌声をあげる親友が映っていた。
(しおり、可愛いよぉ……♡ わたしのものにしたいっ……友達だから、許してくれるよねっ)
 もちもちとした肌に一度指を食い込ませると、止まらなかった。もみもみと、何度も揉みしだいて、その毬のような感触を味わった。
(女の子のおっぱい、最高……♡ こんなの、興奮しておちんちんガチガチになるぅ……♡)
 頬を上気させて、はあはあと荒い息づかいのユリカに、シオリは嫌な汗をかいて、尋ねた。

「ユリカ、なんか、変だよぉ……目つきが、とろんとして……酔っぱらってるの?」
「しおり、違うの……わたし、もう、我慢できなくてぇ……♡」

 ユリカは、もはや完全に性欲に支配されていた。相手の感情など考える余裕はなく、ただ己の欲求を満たすために動いていた。
 自分で制服のスカートをたくしあげ、下半身を晒した。
 それは異様な光景だった。むっちりとした太ももの根本、フリルのついた女性用下着から、血管の浮き出た、逞しい肉棒がはみ出ていた。その先端からは、よだれのように先走りを垂らしている。

「見て、しおり……わたし、こんなになっちゃったの……♡」

 シオリはもちろん絶句していた。初めて見る臨戦態勢の男性器を、失神しそうな顔で見つめている。
 その反応もユリカは気にしていない。ただ、欲に頭が満たされていた。
(こんなに気持ちいいおっぱいに挟んだら、どうなっちゃうの……♡)
 一方キョーコも、完全に驚きに身を貫かれ、ただその光景を傍観することしか出来ないでいる。
 部屋の扉が開けられたことにも気づいていない。

「あら、ユリカさん……すっかりサカっちゃって。わたしたちの出番はなさそうね」
「そうですね、先輩。少し残念です。あの子のあれも、挿れてみたかったのに……♡」

 ユリカがシオリの目の前に腰から生えた男性器を見せつける様子に、マスミとアヤヒは、どこか微笑ましい表情を浮かべている。
(つづく)






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