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<妹姫7話>双子エルフの保健室




「これはあくまでも、男性機能の検査ですからね? レイジ様?」
「わたしたちのおっぱいで、お射精してくださぁい……うふふ」

 突然だけど、俺は今、ナース姿の双子エルフに看護という名のおっぱい検診を受けていた。
 ふたりのあわせて四つの豊乳が、俺のペニスを全方向から刺激しているのだ。
 柔らかすぎて、どこで胸と触れ合っているのか、境界がわからなくなるほどだ。

「すげえ……くっ」
「わたしたちほど巨乳のお姉さんって、お姫様方の中にはあまりいないでしょうからぁ」
「年上も素敵だってことも、今日は覚えて帰ってくださいね」

 クスクスと笑いながら、二人は半脱ぎ状態のナース服からこぼれた大きな乳房を手のひらで寄せ、むにゅむにゅとペニスに擦り付ける。
 二人は銀髪セミロングだったが、頭の横におしゃれな編み込みを作っていた。右を編み込んでいるのがレイシアで、左を編み込んでいるのがアイシア。
 レイシア、と呼ばれたほうのエルフがうっとりと頬を染めて言う。

「それにしてもすっごーい……レイジ様のおちんぽ、ぱんぱんに膨れ上がってますよぉ」
「興奮していただけてるんですねぇ、うふふ」

 彼女たちは舌をべろんと大きく出して、とろみのある唾液をペニスや自分の巨乳にまぶしていく。
(上手だな……気持ちよくてたまんねえぜ)

「二人は、どこでこんなことを……?」

 そう訊くと、双子の二人はぴったり同時ににっこりする。

「ご存じないですかぁ? わたしたちは帝都近くの箱入り娘とは違うんですぅ。ハーフエルフの弱小国は、ひっそりと森の奥深くにあるので」
「情報統制が少し甘めなんですぅ。色々知ってますよぉ」
「男の人がどうされたら気持ちよくなっちゃうかとかぁ」
「女の子が男の人にどんな風に犯されちゃうかとかぁ」

 息ピッタリで二人は言って、うふふと笑いあう。
 発言から面白いことが読み取れた。二人ともハーフエルフだったのか。純血のエルフは他にいるようだ。

「二人とも経験済みなのか」
「ええ? 違う違う、そういうことじゃないってば」
「わたしたち根が真面目だからぁ、勉強熱心だっただけだよね? 回復魔術に関しても、えっちなことに関しても」
「意外だな。てっきり二人とも単なるビッチかと」

 そう言うと、二人は顔を見合わせて笑う。

「ひどぉい。身体は大切にレイジ様に捧げるために守ってきたのに。一応私たち王族だし、下級身分の村男に身体を渡すなんて嫌だわ」
「皇帝殿に犯してもらえるしきたりならぁ、願ったりかなったりだよねぇ」
「あとあとぉ、純血のヒューマンおちんぽのほうが気持ちいいっていうし」
「うんうん。なによりレイジ様みたいなイケメンとエッチしたいし」

 これがイケメンの特権か……。

「そろそろピクピクしてきましたよぉ」
「ここからぁ、赤ちゃん汁がどぴゅどぴゅって出るって読んだけど……本当なんですかぁ?」
「見てなよ……そろそろイキそうだ」
「了解でーす」

 俺の言葉を聞くと、二人のエルフはますます乳を寄せ、刺激を強めてくれる。
 二人とも楽しそうにマシュマロみたいな胸でペニスをしごく。もう限界だった。

「ぐあ……出る!」
「「きゃあっ!」」

 ペニスの脈動が終わるころ、二人を見ると……白濁液が顔や胸や服に飛び散っていた。ねっとりと、糸を引いている。

「やだぁ、たっぷりかかっちゃいましたよぉ……ナース服がどろどろですぅ。先生にぶっかけるなんて、いけない生徒ですね……」
「精液臭くなっちゃったじゃないですかぁ……こうなったら、責任取ってもらわないといけませんね?」

 二人は、精液を浴びながらも一層興奮した様子で俺を見つめている。
 いつも通り回復ベッドがぼおっと薄く光り、へたりかけていたペニスを再び勃起させる。
(次は本番かな!)
 そもそもどうして、こんな嬉しい事態になったんだっけ……

***

 目を開くと白い天井が見えた。
 俺は清潔なベッドの上に寝転がっていた。カーテンがその周りを取り囲んでいて、周囲から隔絶された空間になっている。どうやら、ここは病室、いや保健室のベッドといったところか。
 静けさが辺りを支配しているあたり、今は深夜だろうか。
(いてて……)
 右腕を動かそうとすると、まだ少し痛みが走る。
 顔をしかめて呻くと、カーテンの一部がするり、と開いた。二人の女性が、向こう側から出てくる。

「目、覚めました? レイジ様」
「御身体の具合はいかが?」

 俺の腕を再生してくれた二人の女性が、揃って俺の顔を上から覗き込んでいた。声が全く同じだ。

「ああ、ちょっと痛いけど平気だよ」
「まあそうじゃないと困りますよねぇ」
「わたしたちが心を込めて回復魔法かけたんですものぉ」
「そういえばそうだったな、ありがとう」
「いえいえ」
「お仕事ですから」

 俺が黙ると、二人は何やら俺を見てこそこそ囁きあい始めた。

「えーと、何か俺の顔についてるのか?」
「いえいえ、なんでもないですってぇ」
「ゆっくりお休みしてくださいね」

 二人はカーテンの向こうへ戻っていった。しかしまだ相談する声がかすかに聞こえる。
 全神経を傾け耳をそばだててみる。

「最初にやっちゃおうって言ったのはレイシアでしょ?」
「でもぉ、お誘いするなんて恥ずかしいしぃ……わたしよりアイシアのほうがエッチじゃん、わたし知ってるんだからぁ」
「そんなことないってばぁ、オナニーだって二人一緒に、同じ回数しかしたことないでしょう?」
「それは、アイシアがしてるとわたしもしたくなっちゃうからでしょ……わたしたち、そういうスキル持ちなんだから」

 どう考えてもエロイ話をしてる。なんとなく自分がこれから何をされるか予想できた。どうしようかと思っていると。

「もう、わかったよぉ、レイシア。わたしが行く」

 アイシアと呼ばれたエルフがカーテンを開き、ベッドの脇でしゃがみこむ。
 俺と同じ目の高さで、頬を染めて囁く。

「あのぉ、レイジ様?」
「どうした……何か俺としたいことでも?」
「はい、その通りですぅ……特別検診、させていただきますね」
「特別?」
「そのぉ、帝として一番大事な能力……生殖能力を、お測り申し上げたく存じます」
「まじで? いきなり?」
「よろしいですかぁ?」
「……仕方がないな」
「はい。では、おズボン下ろしますね……うふふっ。レイシア、お許しいただいたよぉ」
「はーい……レイジ様、二人で検診させていただきますね」

 そうして、俺はあれよあれよと言う間に服を脱がされてしまったのだった。

***

「素股って言葉、レイジ様はご存知ですかぁ?」

 カーテンで仕切られた密室の中。
 ナース服のスカートを脱ぎ去り、黒いパンストに包まれた下半身をさらけ出したレイシアが、俺の上に馬乗りしている。ストッキングに染みついた女の匂いがほんのり香る。
 この状況だけで、ペニスはガチガチに固くなってきている。
(エルフおまんこ、超楽しみだぜ)

「次は素股してくれんの?」
「はい、責任とってもらわないといけませんから、ね? レイジ様も、たくさんエッチなこと、したくないですかぁ?」

 レイシアは、パンストにくるまれた温かい太ももで、膨れ上がったペニスを挟み込み、きゅっ、きゅっとしごき始める。
 すっかりズル剥けになったペニスの皮が、ずるずると動きに合わせて剥けたり被さったりする。

「レイシアの太もも、いかがですかぁ?」
「むちむちだし、パンストがすべすべ……ペニスについた唾液のおかげでヌルヌル滑るし」
「ではでは、もう少し深くまで挟みますね」

 レイシアは股間にペニスを挟んで、パンスト越しにおまんこをなすりつけ始めた。
 円を描くいやらしい腰振りで、見ているだけで勃起の力が増す。

「レイシア、上手だぞ……もっとやれ」
「はぁい、レイジ様ぁ……んんっ」

 レイシアも、性器にあたる男のモノで感じているようだった。
 そこで異変が起こる。脇で見ていた同じくパンスト姿のアイシアが、股に手のひらを挟んで、なぜか悶えはじめる。

「ああ、ダメですぅ! レイシアが気持ちいの、伝わってくるよぉ」
「アイシアったら、一人でそんな声出さないっ……あぁん」
「でもぉ……びんびん伝わってくるんだもん……」

 アイシアとレイシアのエルフ耳が、交信するようにぴくぴく動いている。
 保健室は二人の喘ぎ声で満たされ、なんともエロイ雰囲気。

「アイシア、お前どうしたんだ?」
「あの、わたしたち……二人でペアの、|共感《シンパシー》のスキル持ちなんですぅ……だから、レイシアが気持ちいいと、わたしも……ふあぁっ」

(双子らしいスキルだな)

 俺は二人を困らせてやろうと、自分からレイシアのパンスト越しの素股にペニスを出し入れする。

「だ、だめですよぉ……わたしがレイジ様を治療しているのにぃ!」
「ひゃあッ! 伝わってくる快感、一気に強くなっちゃいましたぁ!」

 リズムよく腰振りしていると、ビクっ、とレイシアが震える。パンスト越しに、とろみのある愛液が溢れ出すのが感じられた。

「いやぁっ! ……はあ、はあ……レイジ様より先にイってしまいましたぁ!」
「ああぁ! アイシアもイきますぅ! イクぅ!」

 遅れてアイシアもびくんと達してしまった。何も触ってないのに。
(面白いな……どっちかをイかせればもう片方もイっちゃうのか)
 これから二人に何をしてやろうかと企んでいると、レイシアが待ちきれなさそうに言った。

「はぁ、はぁ……ではでは、そろそろわたしたちの処女、ご賞味になりますかぁ?」
「きっとこれまでで一番、気持ちいいですよぉ……?」

***

「いやぁん、レイジ様ったらエッチな生徒さんですぅ」
「ヘンタイさんなんですね、わたしたちを並べて犯そうだなんてぇ」

 ベッドの上には、二人のエルフが並んでよつんばいになっていた。
 黒の光沢のあるパンストにくるまれた丸いお尻を俺に向かって突き出している。お尻から太もも、足指までぴっちりと覆うパンストは半分透けているが、下着が透けて見えていない。

「二人とももしかして、ぱんつ履いてない?」
「ばれちゃいましたぁ?」
「このストッキングは、下着の役目も果たしてるんですよぉ? 直ばきって言うんですぅ」
「じゃあ一気に脱がすよ」
「あんっ……」

 二人のパンストに指をかけ、同時にずりさげる。真っ白なお尻が黒い生地に包まれた太ももといい感じのコントラストだ。

「おまんこ、すうすうしますぅ……」
「ったく、お前らもうとろとろじゃねえか」

 愛液を垂らすふたつのおまんこが、挿入を待ちかねてヒクヒクしている。いやらしい女の匂いが、カーテンに区切られた部屋の中に充満していた。

「先に突っ込まれたいのはどっちだ?」
「もちろん、レイシアにいれてくださぁい」
「ダメですぅ、アイシアにくださいよぉ。いくら「共感」するからって、生おちんぽのほうがいいに決まってるじゃですかぁ」

 二人して、ねだるようにペニスにお尻を押し付けてくる。漏らした先走りが、白い尻肉を汚していく。
(もう我慢できねえ……)

「じゃあ、さっき素股してくれたレイシアで。よっと」
「ああぁん! はいってきますぅ――くぅ、いたぁ……」

 ぬるぬるなエルフおまんこのヒダ肉を、みちみちと拓いていく。
 レイシアが身をのけぞらせて痛みに耐えると同時に、アイシアもエルフ耳をぴくぴくさせ、痛覚を「共感」する。二人そろって辛そうな表情になり、背筋を強張らせた。

「うそっ……こんなに痛くなってるの、レイシア!?」
「レイジ様に気持ちよく種付けしていただくんです……くうう、耐えましょう、アイシア」
「頑張れ、二人とも。じゃ、アイシアも処女喪失しちゃおっか」
「えぇ? ……いやぁ、んんんん!」

 レイシアから引き抜いたペニスを、アイシアに一気にぶち込む。めりめりと柔肉が裂けていく。再び、共感した二人を痛覚が襲う。

「いったあぁ……二回も痛みを味わわなければならないなんてぇ」
「もう痛いのイヤですよぉ……」

 二人とも口調は変わらないが、目尻に涙が浮かんでいる。やっぱり未開通のおまんこを無理やり開拓されるのは、なかなかの苦痛を伴うらしい。

「大丈夫だよ、二人とも。このベッドも、回復ベッドだろ?」
「えぇ? このベッドっておまんこも回復してくれるんですかぁ? あ……」

 二人を青白い光が下から照らしだす。光が消えたころ、二人は驚きの声を上げる。

「すごぉい……万能ですぅ。もう全然痛くないですよぉ」
「またおまんこがうずうずしてますぅ……レイジ様、はやくわたしたちに女の快楽を、教えていただけませんかぁ?」

 すっかりエロイ発情顔で、二人が俺を振り返る。
(しょうがないエロエルフたちだな……こんな淫乱が保健室の先生なんて驚きだぜ)
 俺は、アイシアのみちみち締まる愛液まみれおまんこを、ずちゅずちゅ撹拌しはじめる。
 途端、気持ちよすぎて俺は思わずため息をついてしまう。
(エルフおまんこ、キツキツで超気持ちいいじゃん)
 アリスやリナより狭い感じで、奥ゆきも狭い。簡単に、子宮口をノックできてしまう。

「あぁん! すごいですぅ! レイジ様のヒューマンおちんぽ、太くておっきいぃ! こつんって奥に当たってますぅ!」 
「やだぁ、アイシアがみっともないくらいおちんぽで感じてるの、伝わってきますぅ……!」

 二人は同時に甘ったるく喘ぎ始め、カーテンの中はラブラブな雰囲気に包まれる。アリスとリナの時も思ったが、3Pって賑やかで楽しいな。
 女の子は、温かくて柔らかくて気持ちいい。一人でもウィルベルの言う通りなのに、二人も相手にしたら、こっちまで女の子の甘さにとろけてしまう。

「そろそろレイシアのおまんこに交代だ!」

 ぬるり、と愛液を掻きだしながら、アイシアからペニスを引き抜く。
 レイシアの性器からは、独りでに透明な愛液がトロトロと溢れ出していた。

「はぁい、お願いしますぅ……触られてないのに感じまくってるレイシアにおちんぽ下さぁい――やあぁん、きたぁ、おちんぽ来ましたぁ!」

 一気にペニスを打ち込むと、さっきまで挿入していたアイシアのおまんこから愛液がぴゅるっと飛び出した。潮吹きというやつだ。ゾクゾクと何度もお尻を震わせて、アイシアはぴるっ、ぴるっと最後までフェロモン汁を出しきってしまう。

「……んあ、はあぁ……! 嘘ぉ、アイシア、なにもされてないのに潮吹きしちゃいましたぁ!」
「まだ休憩は出来ないからね。レイシア、動かすぞ!」

 ぱちゅんぱちゅんと腰を振ると、二人はエルフ耳で「共感」しながら、淫らに腰を揺らめかせ夢中になって喘ぎまくる。

「んほぉぉ! ダメですぅ、また潮吹いちゃいますよぉ!」
「生おちんぽ、熱くて固いですぅ……! ゴリゴリ奥まで届いてますってばぁ!」
「まだまだこれからだよ。二人同時に攻められたら、どうなっちゃうかな?」
「そんなぁ! らめですらめぇぇ……!」

 アイシアの狭いおまんこに指を三本打ち込むと、二人は狂ったように喘ぎだす。エルフ耳がぴくんぴくんと壊れたように震え、二人の唇から涎が垂れる。こっちを振り返る表情はすでに、子作りに夢中な発情期のメスそのものだ。

「きゃあぁっ! 気持ちいいのが、増幅してますよぉ! さっきの二倍ぃ!」
「いやぁぁ! 指でかきまわされて気持ちいいのに、アイシアのおちんぽ感覚まで来ておかしくなるぅ!」

 共感、すげえな……俺もそのスキルで女の子と快感をシンパシーしてみたい。
 そんなことを考えるのでさえ精一杯なくらい、俺は追いつめられていた。エルフ膣の締め付けはどんどん強くなり、精液を搾り取ろうと必死だ。

「出すぞ!」
「はあい!  あん、レイジ様のオス汁、たっぷりレイシアに出してぇっ!」
「レイジ様ぁ、種付けお願いしますぅ! アイシアにもお射精共感させてくださぁい!」

 しゃぶりあげてくるエルフおまんこの最奥までペニスを突っ込み、俺は果てた。

「ぐっ出る!」
「きゃああああっ……! 熱い赤ちゃん汁がいっぱい入ってきますぅ!」
「すごぉい! 子宮の中までっ!」

 二人は感動した様子ではあ、はあ、と甘々な息を吐いている。
 極楽の感覚に酔いしれるとともに、辺りに青白い光が満ちてくる。どんどんペニスが回復していく……
(次は、アイシアに中だしかな)

***

 何度もたっぷり中だしをお見舞いされた二人は、未だ軽く喘ぎながら俺の左右に寝そべっていた。秘所からは、とろとろと白濁液が溢れ出している。
 俺は余韻に浸りながら、なんとなく気になったことを訊いてみる。

「なあ、アイシア、レイシア。黒龍が現れた時、これまではどうやって対処してきたんだ」
「ええ? そんなの、知りませんよぉ……だって、龍の城への襲撃があったのって、数百年ぶりらしいですよぉ」
「そうそう。わたしたち、まさかこんな大変なタイミングで赴任しちゃうなんて、思いもしなかったよねぇ?」

 俺を挟んで、二人のエルフはうんうん、と頷きあう。
(マジかよ転生のタイミング最悪じゃねえか)
 まあ女の子をいくらでも犯していい最高の境遇に転生出来ただけでも嬉しいのだが。

「何か、龍を退治する代々伝わる方法、みたいなのって無いのか」

(君は、近いうちに殺される)
 転生前に言われた言葉が気になって仕方なかった。出来るだけ、死につながる要素は取り除いておきたい。もっと姫達といちゃいちゃしたいもの。
 レイシアとアイシアは同時に答えた。

「「やっぱり、封龍剣でしょ」」
「封龍剣?」
「そう。ドラゴン退治と言えば伝説の封龍剣だよね」
「必要な素材は、「黒龍の甲殻」「水竜の背びれ」「火竜の尻尾」とかだった気がするけどぉ……」
「集めるの超大変だよねぇ。大体黒龍を倒すのに黒龍の素材が必要って、ちょっと矛盾してない?」
「それわたしも思った。水竜は隣の湖の中にいるらしいけど、火竜は生息地が遠いから、遠征しないと討伐できない魔物でしょう?」

 そうか、封龍剣とは作るのが大変な、いわゆるレア装備というやつか。

「龍属性武器なのか?」
「そうだよぉ。他にも龍属性武器はあるけど、あれが一番属性値が高いし、なにより超カッコイイよねぇ」
「冒険者の憧れの装備なんですよぉ。普通の冒険者が手に入れるのはほとんど無理ですけどぉ、レイジ様なら、なんとかなるんじゃないですかぁ」

 火竜とか言ってたけど、遠征って何だろう。訊いてみた。

「ええ? 遠征っていうのは6人一組で城を離れキャンプをしながら、生息地が離れた魔物を狩りに行くことですよぉ。それも覚えてないんですかぁ? 記憶喪失?」
「そうそう、そう言えばわたしさっき魔力の検査したけど、レイジ様には何も魔法がかかってなかったよぉ」

 少し疑いを含んだ目線が向けられる。
(正体がばれたらいけない)
 俺はスミレの忠告を思い出した。

「きっとかなり高度で、簡単に検出されない魔法なんじゃないかな」
「そんな魔法あるっけ、レイシア?」
「まあ、高位の知性のあるレベルの魔物なら、できるかもしれませんねぇ……たとえば、サキュバスとか」
「やだぁ、そんな下品な魔物の名前出さないでよぉ」

(この世界にはサキュバスなんかもいるのか)
 俺はそんなことを考えながら、意識を眠りの中へと沈ませていった。

***

「レイジ様……大丈夫なのです?」
「お見舞いしに来てあげたわよ」

 翌朝、制服姿のノエルとリナが花とお菓子を持って俺のもとを訪れていた。背後に、数多くの姫達が俺を一目見るために押しかけている。

「あれ、アリスは?」
「実は部屋から出てこなくなっちゃって。無理にはいろうとしたら、すごく焦った感じでだめだめって言うの。どうしちゃったのかしら」
「焦った感じ? 落ち込んだ感じとかじゃなくて?」
「そうなのです……姫騎士として仕えるわたしに対しても、同じ扱いだったのです……しょんぼりなのです」

 ノエルでも会えないのか……ちょっと気になる。あとで部屋を見に行こう。
 そう思っていると、リナが心配そうに言った。

「で、あなたの肩はもう完治したわけ?」
「ああ、昨日の夜は痛んだけど、もう全然痛くない。今日からこの保健室を出れる」

 巻いてあった包帯を解いて、肩を見せる。傷痕すら残っていない。

「わたしたちのおかげですよね、レイジ様?」
「また保健室に来てくれたら、昨晩みたいな検診してあげてもいいですよ?」

 レイシアとアイシアがくすくす笑いながら現れる。

「あ、先生たち……レイジ様を直してくれて、ありがとうなのです」
「いえいえ」
「お仕事ですから」
「なんかほわほわしてるイメージだけど……先生たちはすごく優秀な魔女なのよ。普通だったらここまで完璧には元通りに治らないわ」
「エロいだけじゃないんだ……」
「ん、レイジ様……どういうこと?」

 リナが訝しげに俺を睨む。

「いやなんでもないけど」

 彼女のじとっとした目線は次に先生たちに向く。どうかしましたか? と双子エルフはニコニコと受け流している。

「話変わるけど、お前ら、マリっていう姫を知らないか?」
「え? 知らないも何も、第一皇女様じゃない。いずれあなたの正妻になるお方よ」
「そうなのです。マリ様はわたしたちより一つ位が高い、皇族なのです。レイジ様とマリ様の子供が、次期皇帝になるのです」
「ああ……皇族、王族ね」

 幼馴染みそっくりの顔つきを思い出して、胸が騒ぐ。あの子とも、俺は子作りを許されているらしい。

「あ、その時のことだけど、ウィルベルに訊いたら、あなた、相当ムチャやったらしいわね。今度そういうことしたら、わたしが許さないからねっ」
「心配かけたか?」
「あ、当たり前でしょ……!」

 リナが腕を組むと同時に、ノエルが唇に指をあてながら何か思いついたような素振り。

「あれれ……どうしてリナはレイジ様のことを「あなた」って呼んでいるのです?」
「う、うるさいわね。ノエルには関係ないことよ」
「ずるいのです! いつの間に仲良くなったのです!?」

 ぷんすか怒り始めたノエルを無視して、俺はリナに訊いた。

「龍の襲撃の被害の方は大丈夫なのか」
「ええ。倒壊するほどでもないわ。壊れた校舎も復旧作業が進んでる」
「あっ、そう言えば……これが落ちていたのです」

 ノエルははっと何か思い出し、自分の身体のあちこちをさぐり始める。

「古代兵器の一撃で、龍の体の部位が破壊されたらしいのです。これはレイジ様が持つべきものだから、渡しておくように、と教官が」

 ノエルが懐から取り出したのは、薄い板状の、黒い岩片のような物だった。

「これってもしかして!」
「「黒龍の甲殻」らしいわよ。わたしたちみたいな普通のステータスの人間にはレベルが高すぎる代物だわ。超レア素材なんだから、大切に使いなさいよね」

 さっそく、封龍剣作成に向けて、一つの素材が揃ってしまったではないか!

「ありがとな! これがあれば、封龍剣までの道のりは短いぞ!」
「封龍剣……まさかあなた、あの伝説の装備を作るつもりなの!?」

 目を丸くする姫達に向かって、俺はにやりと笑って見せた。

***

【ジョブ】 魔術師?
【LV】 150
【装備1】 なし
【装備2】 配給軍服
【スキル】 御影の腕
(つづく)






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