空も海も、透き通るような青。そして足元はさらさらした、白い砂。
そんな美しい夏景色の中、優美さんがビキニ姿で、ビーチパラソルの下、寝そべっている。真っ白な肌は、眩しいくらいで、何度見ても見惚れてしまう。
「優美ちゃん、今度はもっと自然な感じで、ちょっと首を傾けてみようか」
「えーと、こんな感じですか? ふふっ」
「そうそう! いいねえ、やっぱりいいねえ優美ちゃんはっ!」
カメラマンの人が、興奮した様子で繰り返しシャッターを切っている。今は、DVDの表紙を飾る写真を取っているところだ。
優美さんが愛想よく接するので、カメラマンの人はすっかり魅了されているみたいだ。
一通り写真撮影が終わると、そこに見覚えのあるグラビア女優さんが合流した。
天辻涼音、18才。優美さんの後輩の、新人グラドルだ。優美さんと何やら楽しそうに笑いあっている。
目を引くのは、手元に小さな犬を抱きかかえていること。
(あれは……チワワかな?)
優美さんも、その天辻さんが抱える犬をよしよしと撫でて可愛がっている。
(優美さんとHしている身だけど、羨ましい……)
僕と陽菜ちゃんは、たくさんの撮影スタッフたちの後ろから撮影現場にお邪魔させてもらっていた。
隣の陽菜ちゃんは、ひらひらした薄手のスカートに、パーカーを羽織っている。その下には、きっと水着を着ているはずだ。この後、優美さんと三人で、海水浴を楽しむ予定になっている。
(美少女姉妹と海水浴か……楽しいことだらけだ……)
ぼんやりと優美さんたちの美しい身体を眺めていると、目が合った。にっこり笑顔で、優美さんが僕のところに歩いてきた。隣に、チワワを抱えた天辻さんも連れている。
「直人、陽菜、待たせちゃってごめんね。次のDVDの撮影が一段落したら、一緒に海に行けるから」
「いやいや、優美さんの撮影の様子を見れるだけで、楽しいです」
「お姉ちゃん、わたしも……楽しい」
「そう? 相変わらず、二人ともわたしの作品、好きだよね」
優美さんが嬉しそうに笑っていると、隣の天辻さんが関心ありそうに、僕と陽菜ちゃんを見ながら言った。
「優美先輩、これが話に出てきた、優美さんの家族ですか?」
「うん。二人ともわたしの出演作品、ちゃんと全部見てくれるの」
「えっ! それじゃあ、共演したわたしのことも、DVDを通して知ってるってことですよねっ!」
天辻さんが興奮気味に言う。身体を揺らすと、水着にくるまれた大きな胸がたゆんと揺れた。
屈みこんで僕たちに顔を近づけて、瞳をキラキラさせながら言った。
「二人とも、わたし、どうだった? エロかったかなぁ? 感想教えて教えてっ!」
僕は話題よりも、屈みこんだことで強調される、胸の谷間にどうしても意識が行ってしまう。
「あの、えと、すごい、良かったです……」
「どのへんが? 男の子として、どう思ったのっ?」
「その、可愛いし、優美さんと同じくらい、おっぱいも、大きくて」
流されて、思わず感じたことを包み隠さず言ってしまった。優美さんと天辻さんが、同時に胸を気にして、くすくす笑った。
「えーと、優美さんの弟の、直人君だっけ。おっぱい好きなんだ。あはっ」
「そうなの。この間もおっぱいばっかり揉ん……あっ」
「え!? 今なんて言いました、先輩?」
「な、なんでもないわ……気にしないで」
優美さんが一瞬慌てるのを見て、天辻さんは狐につままれたような顔で、目をぱちくりさせている。
(僕と優美さんは義理と言えども姉弟……セックス三昧だなんて知られたら大変だ)
誤魔化せたようなので、ほっと安心の溜息をついた。
「わたしはそろそろ撮影だから、戻るね」
優美さんは逃げるように、僕たちから離れていった。準備は整っていたようで、メイクや髪型を整えてもらって、すぐにカメラが回りだす。
「わたし、出番はもうちょっと後だから。弟君、隣に座って一緒に撮影見てもいい?」
「あ、もちろんいいです」
「ありがとねっ」
チワワを抱えたまま、僕の隣に腰を下ろした。美少女二人に挟まれて、単純に気分が高揚する。撮影用のお化粧のいい匂いがした。
優美さんは、カメラに向かって語りかけながら、素敵な笑顔を見せている。ぴょんぴょんと跳ねて、おっぱいを揺らしてファンに向かってサービスしている様子は、まさに眼福だった。
天辻さんがまた喋りだす。
「君があの超絶美人の優美先輩の弟なのかぁ……なんか顔、あんまり似てないね。妹ちゃんは納得の美少女だけど」
「あー、実は優美さん、義姉なんです」
「なーんだ。そっか、血がつながってないんだ。やっぱり男の子って、優美さんみたいな凄い美人が毎日近くにいて、大変なんじゃないの?」
「そ、それは……まあ」
「あはっ。やっぱりそうなんだ。興奮するのは仕方ないよね。人間も動物だもん。ねえ、ベル」
ワン、と甘えるような声で吠えて、ベルと呼ばれた子犬は尻尾を振っている。かと思うと、突然驚くことをした。
「ひゃんっ!」
ビキニの上から、ぺろりと小さな舌で天辻さんのおっぱいを舐めたのだ。しかも、乳首の辺りだ。天辻さんの表情が、一瞬色っぽいものになる。
(天辻さんって、セックスしてるときは、ああいう表情になるのかな)
二人の美人のビキニ姿で、勃起しかけていた股間が、完全に反応して大きくなってしまう。ちょっと前かがみになって、ばれないようにする。
当の天辻さんは犬を叱る方に意識を向けていて、全く僕の変化に気付いていないようだ。
「だめだってば、ベル。そんなとこ舐めちゃ」
「ワン……ワン!」
「君もオスだからおっぱい好きなの? まったくもう。今度は許さないよ? わかった?」
「くぅ……」
天辻さんはベルのわきを持って、顔の高さまで持ち上げて見つめながら説教している。ベルは相変わらずつぶらな瞳で、無邪気な表情だ。
(あれで許されるなんて、羨ましい……)
犬になりたいなぁと思いを強めていると天辻さんがけろっとした顔で言った。
「ねえねえ陽菜ちゃん、さっきから凄い物欲しげな目でベルを見てるけど、気に入った?」
「えっ……あ……ごめんなさい」
「可愛いワンちゃん欲しい? 実はこの子、10匹のうちの一匹なんだ」
「えぇっ!? そんなに飼ってるんですか?」
陽菜ちゃんがびっくりした様子で言った。ちょっと頬を紅潮させて、興味津々という様子で身を乗り出している。
(陽菜ちゃんも可愛い生き物には目がないんだなぁ)
「そうなんだ、すごいでしょ。今度新しく子犬が産まれるから、陽菜ちゃん家にもあげようか?」
「あっ、欲しい……いいかな、お兄ちゃん?」
「え……いや、優美さんとか、父さんとかに聞いてみないと」
「あ、そっか」
陽菜ちゃんはちょっと落ち込んだ様子。しょげた表情もまた可愛くて、もう、周りに可愛い生き物だらけで困ってしまう。
僕は気になったことを聞いてみた。
「天辻さんは、どうしてそんなに犬飼ってるんですか」
「わたしね、動物大好きなんだ。人間と同じくらい。ていうか、生き物全部が好きなの。グラビア始めたのも、わたしのことを見て、いきいきした顔をする男の子たちを見てるのが、楽しいのもあるのかなぁ」
「いきいきした顔……?」
「うん。たとえばさ、こういうことをすると」
天辻さんが急にもたれかかってきて、腕に優美さんレベルの巨乳が、ぽゆんと当たった。確信犯の目つきで、僕を見つめる。
「どう、感触のほどは?」
「あ、天辻さんっ!」
「ほら、そういうこと。そういう風に慌てる男の子、大好きだよ。あはっ」
天辻さんは、そう言って悪戯っぽく笑うのだった。鼻の下が伸びた僕に、ベルは歯を見せて威嚇していた。
そして陽菜ちゃんは、自分の胸に手を当てて、ちょっと不満そうな顔をしていた。
(つづく)
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