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グラビアアイドルが義姉になった! 涼音編<11>




 天辻さんの身体は、間近で見ても綺麗だった。
 お湯上りの肌は、いつもに増してつやつやとしている。大きな胸とお尻、くびれたおなかの抜群のプロポーションは、眩しいくらいだ。
 ちょっと悪戯っぽい笑顔が、誘っているような感じがした。

「な、なんで、僕が……?」
「いいじゃん、塗ってくれないの?」

 そう言って、笑顔で俺の手にクリームを手渡す。
 正直、どうしてそんなに俺に頼るのか、違和感でいっぱいだった。しかし、
(天辻さんの身体……触ってみたい)
 正直、そんな思いでいっぱいだった。今、俺と天辻さんは俺の部屋で二人きりで、誰も邪魔する人はいない。そう思ってしまうのは当然だった。
 だが、直前に陽菜ちゃんに言われた言葉を思い出して、一瞬ためらった。

「お風呂上がりの天辻お姉ちゃんに興奮しちゃダメだからね?」

 はっきりそう言われたのに、このままでいいのかな、とも思う。優美さん姉妹は、きっと俺のことを信じて、二人でお風呂に入ったんだろう。このままだと、その気持ちを裏切っちゃうかもしれない……

「そんなに考え込まないでよ? ちょっと塗ってもらおうってだけなのに」

(塗るだけ……そうだ、俺は塗ってあげるだけ……)
 けっきょく、俺は天辻さんの言葉を自分に言い聞かせるようにして、誘いに乗ってしまった。
 天辻さんは俺のベッドに歩いていって、よいしょ、と膝からその上に乗る。そして、両手足を伸ばして、どさっと俺のベッドにうつ伏せに横になった。ふー、とくつろいだ声を上げている。
 下着姿の高校生グラドルが、俺のベッドに寝そべっていた。
 俺がきょとんとしてその光景を見ていると、クスクスと笑われた。

「ぼさっとしてないで、はやくこっちに来なよー」
「え……っと」

 俺は戸惑いながら、天辻さんが、頭に描いているクリームを塗る姿勢をやっと理解した。
 おそるおそる、天辻さんの上で膝立ちになった後、腰を下ろす。太もものあたりにのしかかると、柔らかそうなお尻と、なだらかな背中が、目の前に広がっている。忘れちゃいけないのが、天辻さんの身体の下から横にはみ出ている、胸だった。
 終始ドキドキしていたけど、この体勢になると、なんだか天辻さんを押し倒しているみたいな気がしてくる。これからこの身体を触っていいのかと思うと、股間が疼いて、反応しだした。
(ばれないようにしないと……)

「枕、弟君の匂いがするね……あはっ」

 天辻さんは振り返りもせず、俺の枕に顔を押し当てて、くんくんと匂いを嗅いでいる。俺が何を思って馬乗りになっているかなんて、全然気にしていない様子だ。それとも、もしかしたらわざと何でもないようにふるまっているのかもしれない……
 そんなことを思いながら、俺はクリームを手に取って、手のひら全体に伸ばしてから、天辻さんの背中に触れた。

「ひゃっ、弟くんの手のひら、冷たいっ……!」

 びくっと天辻さんが身体を強張らせて、ちょっと色っぽい声を出す。まるで喘ぎ声みたいで、股間がますます大きくなる。

「変な声出ちゃった……びっくりさせないでよ」
「ご、ごめんなさい」

 俺はそのまま温かい天辻さんの背中にクリームを伸ばしていった。傷一つなくすべすべしていて、いつまでも触っていたくなる触り心地だ。
 そのまま、下の方へ降りて行くと、腰のあたりに到達する。柔らかそうなお尻も触っていいのかダメなのか、迷っているとまた笑われた。

「お尻は自分でやるってば」

 がっくりきたのを悟られないよう、今度は背中を上っていって、肩のほうにクリームを塗り広げていく。
 しかし、その途中で欲が出てきた。それはさっきから目が離せない、アレだった。身体の下で押しつぶされている、豊満な胸だ。ほぼ優美さんと変わらないくらい大きくて、あと数センチ指を伸ばせば触れることが出来ると思うと、我慢できなかった。
 背中の中心から側面へ移動するように塗っていって、ついに、指先が少しだけ触れた。ふにっとした、なんともいえない感触。
(やっぱり、おっぱいって最高……)
 他の部分とは段違いの柔らかさだった。一度触り始めると、ついその部分から指が離れなくなる。
 それが行き過ぎていることに気が付いた時には、もう遅かった。

「……ねえ、さっきから変なところ触ってないかなぁ、弟君?」

 天辻さんが、いつの間にかこっちを振り向いて、悪戯っぽい顔で俺を見ている。怒っている様子はなくて、相変わらずおかしそうにクスクス笑っている。
 でも、俺としてはまだ知り合ったばかりの女の子の胸を触ってしまったことになるわけだから、焦らざるを得ない。

「さ、触ってないですよ!」
「うそ、ぜったい触ってたよ? いやらしい手つき、誤魔化せないんだからね」
「絶対勘違いですって!」
「そうかなぁ……? 他のところも、塗って?」

 嫌がるわけでもなく、なんだか笑いをこらえたような顔で言われた。小馬鹿にされている気がしたけど、もっとこの身体を触ってもいいと思うと、やめる気にもならない。
 手首から二の腕、足首から太ももまで、たっぷりとクリームを塗っていく。その間、天辻さんは時折喘ぎ声のような声をあげたり、くすぐったそうに身をよじったりで、俺はどうすればいいかわからない。

「んっ……なんか、他の人に塗ってもらうと、くすぐったくて変な声出ちゃうね」

 全身に塗り終わったころには、股間は完全に勃ち上がって、我慢汁が垂れ始めていた。そのうえ、こんなことをせがまれたものだからたまったものではなかった。

「前は塗ってくれないの?」
「そこは自分で……!」
「えー! いいよ、弟君が塗ってくれても」

 さすがに、正面から塗るとなると、どんな顔をしてやればいいかわからない。
 俺はベッドに座った天辻さんの背中側から、天辻さんのお腹にクリームを塗ることにした。
 近づくと、天辻さんの髪はシャンプーのいい香りがした。優美さんや陽菜ちゃんと同じものを使ったらしく、同じ匂いがする。
(やばい、もうガチガチだ……)
 欲求をこらえながら、俺は優しく天辻さんのお腹に手を回す。
 さすがグラドルをやっているだけあって、お腹には全くと言っていいほど脂肪がついていなかった。このお腹をつかんで、思い切り腰を振って犯したら気持ちいいだろうな、とつい思ってしまった。
 まるで抱きしめているみたいで、どう考えてもおかしなシチュエーションだった。なのに、天辻さんは全然気にせずに、スマホをいじりだしている。

「弟君、さっき撮った写真、ブログにあげてもいい?」
「優美さんと陽菜ちゃんに聞かなくていいんですか?」
「あ、そうだったそうだった」
 
 会話もすごく何気ないもので、もしかして、俺に気を許してくれているのかな、とか、もっと踏み込んだことをさせてくれるんじゃないか、と思ってしまう。
 と、その時ふいに天辻さんがお尻の位置を変えて、後ろに下がってきたものだから、まずいことになった。

「あれ? なんか固いの、当たってない?」
「……あ、いや」
「あはっ、これってアレだよね……弟君のアレだよね?」

 クスクス笑いながら、ちょっとお尻を動かして、俺の股間にぐりぐりと押し当てた。やっと与えられた刺激が、やたら気持ちいい。

「あっ、天辻さん、ちょっ……」
「ボッキしちゃったんだ? ねえ、そうなの?」
「天辻さん……?」

 お尻の割れ目の柔らかい感触に挟まれて、もはやこのまま天辻さんとエッチすることしか考えられなくなった。女の子の身体をたっぷり感じながら、思う存分射精したい……
 だが、その考えをずばり言い当てられて、困ってしまった。

「こういうとき、優美先輩なら、シコシコしてくれるんでしょ?」
「……えっ」
「わたしはしてあーげない」

 そう言って、また悪戯っぽく笑った。

「そんな簡単に女の子とエッチ出来ると思ったら、大間違いなんだからね?」
「え……あ……」
「弟君、もっとわたしに夢中になって……」

 何かと思ったら、天辻さんは俺の両手に自分の両手を重ねた。そして、お腹から、上のほうに持っていく。

「ほら、おっぱいにも、クリーム塗っていいよ」

 なんだかわからないうちに、はらりと天辻さんのブラジャーがベッドに落ちて、代わりに僕の手が導かれていく。
 温かくて、ふにふにしていて、天にも昇りそうな触り心地だった。一旦触っちゃうと、もう止まらない。ぎゅっと指を食い込ませたり、やわやわと撫でまわしたり、感触を楽しむ。

「どう? 気持ちいいでしょ……んっ」
「すごい……優美姉さんと、ちょっと触り心地が違う……」
「ほんと? どっちが気持ちいいの?」
「そういうんじゃなくて……」
「そこはわたしのほうが気持ちいいって言うところでしょ……あんっ!」

 つい、いつものように乳首をコリコリと弄んでしまう。天辻さんの乳首は、すっかり固くしこっていた。きゅっと摘むと、
 しかし、そこで天辻さんは慌てたように俺の手のひらを抑え込んだ。

「やん、これ以上はダメ……おーわり」
「そんな、ここで終わりだなんて――」

 そう言ったところで、浴室の方から、ばたばたと音がした。きっと優美さんや陽菜ちゃんがお風呂から出たのだろう。陽菜ちゃんの言葉を思い出して、俺は急にやばいな、と思い始めた。すっかり天辻さんのペースに乗せられて、色々やってしまった。
 天辻さんは、ブラジャーを着けて、再びタオルを纏い、さっさとベッドから立ち上がった。

「すっきりするときは、わたしのDVD使ってねっ」

 ちょっと淫靡な笑顔で手を振った後、天辻さんはすぐに部屋から出て行ってしまった。
 嵐のようにやってきて嵐のように去っていった。後には、俺のどうしようもない滾りが残った。
 初めて触った、天辻さんの胸の感触。俺はその日から始まる、天辻さんとの、秘密の関係――その予感を感じていた。
(つづく)






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